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2025年9月公表「内部統制報告書」記載内容集計表

投稿日時:2025年10月06日(月)

 2025年9月1日以降、9月30日までに公表された内部統制報告書について、「有効である」という結論以外となる報告書を提出した企業及びその内容は次のようになっています。

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業
11
重要な手続が実施できないと表明した企業
0

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業

1721~1723
企業名 ダイワ通信株式会社 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、当社の連結子会社であるディーズセキュリティ株式会社(以下、「子会社」)において、売上の過大計上と簿外在庫が生じている可能性があることが判明したため、2025年2月4日付で当社とは利害関係を有しない外部の有識者で構成する第三者委員会を設置し、調査を進めてまいりました。
 当社は、第三者委員会から2025年4月18日に調査報告書を受領し、その結果、子会社において、過年度から継続的に販売先である代理店等への商品販売後も引き続き当該在庫を子会社で預かることにより売上を本来計上すべき時点よりも早い時点で計上する不適切な会計処理が行われていたこと(以下、「第三者委員会調査事案」)が判明いたしました。
 また、当社は、関連当事者取引において不適切な手続きが行われた可能性があることが判明したため、2025年6月2日付で当社と利害関係を有しない外部の弁護士が委員長を務め、その他外部専門家の委員で構成される特別調査委員会を設置し、調査を進めてまいりました。
 当社は、特別調査委員会から2025年7月31日に調査報告書を受領し、その結果、関連当事者取引が過年度の有価証券報告書に適切に注記されていなかったこと及び会社法上の利益相反取引について適切な手続が採られていなかったこと(以下、「特別調査委員会調査事案」)が判明いたしました。
 当社は、第三者委員会調査事案及び特別調査委員会調査事案に関する不適切な会計処理及び第三者委員会及び特別調査委員会の調査の過程で判明したその他の事項を過年度に遡って訂正することが必要であると判断し、有価証券届出書、2023年3月期から2024年3月期の有価証券報告書、2023年3月期第3四半期から2024年3月期第3四半期までの四半期報告書及び2025年3月期中間期の半期報告書について訂正報告書を提出いたしました。
 以上の調査より、判明した事実が当社及び子会社の全社的な内部統制、決算・報告プロセス及び業務プロセスにおいて発見できなかったのは、主に以下の全社的な内部統制における開示すべき重要な不備があったと認識しています。
・会計コンプライアンスのオーバーライドも許容されると考える全社的な規範意識の欠如
・上場企業としての責任意識の欠如
・マネジメントによる不適切な業績プレッシャー
・マネジメントへの情報伝達経路の形骸化
・代表取締役による関連当事者取引及び利益相反取引に対するカバナンスの機能不全
・子会社の管理体制の不十分性
・管理部門における業務プロセス統制の脆弱性
・内部監査の機能不全
 なお、上記の開示すべき重要な不備につきましては、事実の判明が当事業年度末日後になったため、当事業年度の末日までに是正することができませんでした。
 上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、重要性が乏しいものを除き全て財務諸表及び連結財務諸表に反映しています。
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、第三者委員会の指摘・提言を踏まえ、以下の再発防止策を講じて、適切な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。
(再発防止策)
(1)ルール遵守体制の強化

全役職員によるルール遵守が徹底されるよう代表取締役から継続的にその旨を発信するとともに、研修の実施によりルールの浸透を図り、人事評価項目にも組み込むことによりルール遵守体制の強化を図ります。

(2)情報集体制の拡充

全役職員がルール違反行為又はその疑義がある行為を発見した際には、その情報が確実に経営陣、監査役等に行き渡るようにするため、定期的に全役職員向けアンケートを実施するとともに内部通報制度の周知、運用の検証を行い、その拡充を図ります。

(3)取締役による関連当事者取引及び利益相反取引に対するカバナンス機能の強化

取締役による関連当事者取引及び利益相反取引に関する情報が取締役及び監査役の全員に共有されるようなシステムを構築するとともに、管理部においても、関連当事者取引及び利益相反取引を網羅的にモニタンリングできる体制を構築します。

(4)管理部の体制の見直しと拡充

考え得るリスクやリスク回避・コントロールの方策の提言など、営業担当者と一体となってルール違反のないビジネススキームを構築する役割を管理部が担うこととし、その役割を担えるよう人員の拡充を図ります。

(5)子会社の体制の見直し

子会社のガバナンス体制を見直し、子会社への監視監督機能を強化するとともに、子会社にいてもルール遵守が徹底されるよう子会社の管理体制の見直しを図ります。

(6)内部監査機能及び監査役機能の強化

内部監査については、監査部門の人員補充を含めた監査体制の強化を図るとともに、監査役監査については監査項目の見直しと補助スタッフを置くことを検討してまいります。

(7)リスクの検証等を担う会議体の運用の見直し

リスクの検証を行うリスク・コンプライアンス委員会の適正性を図るため社外取締役も参加し、執行役員会とは別の観点を含めてリスクの検証を行ってまいります。
付記事項

付記すべき事項はありません。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 かなで監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第9期(2023/4/1-2024/3/31)1722
 第8期(2022/4/1-2023/3/31)1723

1724~1728
企業名 京都機械工具株式会社 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、当社の連結子会社である北陸ケーティシーツール株式会社(以下「北陸KTC」)において一部の仕掛品を過大に計上するという不適切な会計処理の疑義があること(以下「本事案」)が判明し、2025年5月7日に当社と利害関係を有さない外部専門家を加えた調査チームを設置し全容の解明に努めてまいりました。その調査過程で、本事案に北陸KTCの経営層の関与がある疑義、仕掛品以外にも一部の原材料や製品などについて不適切な会計処理が過年度に亘り行われていた疑義、並びに、当社取締役常勤監査等委員が2025年3月期における不適切な会計処理を知りながら適切に対応していなかった疑義が確認されました。
 当社は、事実関係のさらなる調査により原因を究明し、再発防止を徹底する必要があると考え、2025年6月2日付で調査チームを解消し、特別調査委員会を設置しました。当社は、2025年6月30日に特別調査委員会から調査報告書を受領し、その結果、北陸KTCにおいて親会社に対して業績を良く見せることを企図して、製品や仕掛品、原材料や貯蔵品等の過大計上による不適切な会計処理を行っていたことが判明いたしました。
 
 これに伴い当社は、本事案に関する棚卸資産等の金額を過年度に遡って訂正する必要があると判断し、2024年3月期の有価証券報告書、2025年3月期にかかる半期報告書、2024年3月期第1四半期以降の四半期報告書について、訂正報告書を提出いたしました。
 
 当社は、本事案に関し調査報告書で判明した事実と原因分析に関する報告等を踏まえ、改めて財務報告に係る内部統制の再評価を行った結果、全社的な内部統制及び業務プロセスに係る内部統制に不備があったことを識別いたしました。
 
全社的な内部統制の不備
 本事案における仕掛品等の過大計上の不適切な会計処理は、親会社に対して月次の営業黒字達成について、北陸KTCにおいてプレッシャーを感じていたことから営業利益の積み増しを行っておりました。
 
 北陸KTCには、信頼性のある財務報告の作成のための、適切な階層の経営者、管理者を関与させる有効なリスク評価の仕組みが存在しておらず、独立的評価の範囲と頻度を、リスクの重要性、内部統制の重要性及び日常的モニタリングの有効性に応じて適切に調整することに関連した全社的な内部統制(リスク評価と対応、モニタリング)に不備があったと認識しております。
 
 当社の経営陣が、子会社管理を行う上で北陸KTCがこのような不適切な会計処理を行うに至る動機、原因、背景を踏まえ、適切にリスクを評価すること及び独立的評価の範囲と頻度をリスクの重要性、内部統制の重要性及び日常的モニタリングの有効性に応じて適切に調整することに関連した全社的な内部統制(リスク評価と対応、モニタリング)に不備があったと認識しております。
 
 また、当社の常勤監査等委員がその職務を逸脱し、業務執行に関する助言を行うとともに、自ら北陸KTCにおける不適切な会計処理の隠ぺいを実行し、当社の取締役会においてそれらの監督・監視ができていなかったことから、経営者が信頼性のある財務報告の作成に必要な能力を有するものを配置し、当社の取締役会及び監査等委員が財務報告とその内部統制に関し経営者を適切に監督・監視する責任を実行することに関連した全社的な内部統制(統制環境)に不備があったと認識しております。
 
業務プロセスに係る内部統制の不備
 北陸KTCの在庫管理プロセスにおいて使用されている在庫管理システムでは、各製造ロットがどの工程にあるかを管理するためのシステムとして活用されているに過ぎず、実地棚卸の際の在庫管理及び在庫金額の評価が手作業で行われていたため改ざんが容易となっていたことから、結果として、北陸KTCの在庫管理システム外で在庫数量等の変更が実行可能となっており、実地棚卸の結果が正確に会計データに反映されておりませんでした。
 
 これらの全社的な内部統制及び業務プロセスに係る内部統制の不備は財務報告に重要な影響を及ぼすことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 
 なお、上記事実は当事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
 
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するために、調査委員会からの指摘・提言も踏まえ、以下の改善策を講じることにより、適正な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。
 
(1)北陸KTCにおける内部統制の整備・運用
 ① 実地棚卸の結果を正確に会計帳簿に反映させる手続きを構築

不正の機会を作ることとなった在庫管理に関する内部統制の不備を是正するために、実地棚卸後に棚卸明細を作成する際の書式や承認フローを再構築し、棚卸金額を計算する際のダブルチェック体制の構築など、実地棚卸から会計帳簿に反映されるまでの業務フローの再構築を行い、手入力による棚卸明細の改ざんが行われないように一連の手続きのルールを整備・運用するとともに、それらを北陸KTCの管理部門がモニタリングする体制を整備・運用いたします。
 また、実地棚卸から棚卸明細の作成を通じて会計帳簿に反映されるまでの業務フローにおいて、親会社の内部監査部門によるモニタリング体制も整備・運用いたします。親会社の内部監査部門による内部監査結果は、親会社の監査等委員や北陸KTCの監査役への報告を通じて北陸KTCの内部監査に活用いたします。

 
 ② 在庫管理システムを整備(仕掛品管理をシステム化、不正の機会・人為的ミスを排除)

上記①の業務を手作業ではなく、在庫管理システムを改良することにより、不正の機会や人為的なミスを未然に防止または不正や人為的なミスを早期に発見できるようにいたします。
 また、在庫管理システム上に理論在庫をより精緻に計算できる仕組みを新たに構築することで、実地棚卸だけでなく、月次決算においても適切な棚卸資産の金額算定を可能とし、更に理論在庫と実在庫の差異分析を行うことで、在庫管理の適正化を進めてまいります。
 これらの業務を親会社主体で行い、システムの改良が完了するまでは親会社も実地棚卸や在庫明細の作成支援を行うことで手作業の業務手順・統制手順の有効性を高めることで不正の機会や人為的ミスを排除し、親子間の管理レベルに差異が生じないようにいたします。

 
 ③ モニタリング手続きを親会社手続きと共通化

不適切な会計処理を未然に防ぐため親会社の業務フローを参考に、北陸KTCの業務フローを見直し内部統制を強化いたします。
親会社の内部監査部門が定期的なモニタリングを実施することでグループ全体を統一的な視点で効果的かつ効率的に監査することといたします。

 
 ④ 親会社の内部監査部門を3線とする3ラインモデルを確立

北陸KTCでは1線と2線の牽制機能が失われていたため、3ラインモデルを確立すべく、先ずは1線、2線の業務及び権限を明確にするために業務分掌を改めて周知し、それぞれの職責に応じた権限の見直しをいたします。また、1線、2線の部門の職員に対し、改めて外部専門家によるサポートを得ながら定期的な研修を実施し、自身の責務が果たせるように継続的な教育を実施いたします。
 3線に対しましては、北陸KTCでは人的リソースが不足しているため、上記③のとおり、親会社の内部監査部門が外部専門家の協力も得ながら定期的なモニタリングを実施することで、3ラインモデルを確立いたします。また、内部統制委員会など3線が運用していた会議を2線による運用に変更し、内部監査部門が独立した立場で評価できる体制を構築いたします(2線と3線の責務の明確化)。

 
 ⑤ 親会社の管理部門(経理、内部監査)の人員を増強(上記①~④を実現)

現在の北陸KTCの人的リソースでは、3ラインモデルを単独で確立することは難しい状況にあります。そのため、上記④の3線のみならず、2線においても親会社がグループ全体を管理するグループ統制モデルへの移行を検討してまいります。
 しかしながら、これらを実現するためには、親会社におきましても人的リソースが不足しており、先ずは2線の要である経理部門、3線を担う内部監査部門の必要人員を決定し、短期的にはキャリア採用を進めると共に外部専門家を活用しながら必要人員を確保し、中長期的には管理部門の要員計画に基づいた再配置と育成計画を実行してまいります。

 
(2)グループとしての一体感の醸成を主眼とした北陸KTCの位置づけの見直し
 ① 不採算事業を見直し(親子間取引価格の改定、赤字外部取引の解消)

既に親子間取引価格について改定を実施いたしましたが、現在、北陸KTCの経営状況を鑑み、不採算品の見直し及び更なる価格改定の必要性について精査しております。また、不採算事業そのものにつきましても、事業の在り方を含めた抜本的な見直しの検討を開始しております。

 
 ② グループ戦略拠点としての位置づけを明確化(当社への統合も選択肢に検討)

サプライチェーンの観点からグループの生産拠点としての位置づけを明確にすると共に、管理の一体化など業務の有効性と効率性を高めることを目的として、当社への統合も視野に入れ、グループ戦略の検討を進めております。

 
 ③ 人的交流を活発化(製造部門、管理部門)

業務の有効性と効率性を高めるため、管理の一体化を中心とした人的交流の活発化を図ります。特に主たる業務である製造部門や管理部門に関し、親会社の関与を強化すると共に、北陸KTCから親会社への出向などによる人材育成にも積極的に取り組んでまいります。

 
 ④ 中長期的な事業計画・投資計画・人員計画を策定

グループ全体の中期経営計画に掲げております、「サプライチェーンマネジメント強化」の一環として、親会社への統合も視野に、戦略的な生産品目の見直しとそれに見合った投資計画を再構築すると共に、工具事業、メタル事業、精密鋳造事業の夫々において、親会社との生産バランスを見直し、各事業部門における人員の最適化を図ります。

 
 (3)ガバナンスの再構築
 ① 取締役会、監査等委員会におけるモニタリング機能を強化(執行と監督の分離を徹底)

取締役会規程とは別に、新たに「取締役会がなすべきガイドライン」を定め、それを稟議規程に反映し、取締役会の役割・責任を明確にすることで、執行との分離を徹底いたします。また、監査等委員会につきましては、メンバーを刷新し、新たな視点で内部監査部門、取締役会、会計監査人との連携体制を再構築することで、モニタリング機能の強化に取り組んでまいります。

 
 ② 指名委員会によるサクセッションプランニングを強化

特に高い専門性を有する重要ポストについて、任命基準や任命プロセスを改めて明確化したうえで、重要ポストの候補者について指名委員会でレビューを実施し、策定したサクセッションプランを定期的に取締役会に諮る仕組みを構築いたします。不足するスキル等がある場合には、教育的施策を実施し、将来的なキャリアとスキルマップを候補者と協議のうえ、中長期的な視点で重要ポストの担い手となる人材の育成に取り組んでまいります。

 
 ③ 新たな経営体制を構築(上記①②の実現を見据え人選)

新たな経営体制では、臨時株主総会を開催し、先ず社内取締役5名(うち常勤監査等委員1名)を3名(うち同1名)に減員し、社外取締役2名(うち監査等委員2名)を刷新いたします(取締役常勤監査等委員も社内から新たに選任)。また、2026年6月に開催を予定しております定時株主総会までに社外取締役を更に1名追加選任する計画であり、外部の知見を積極的に取り入れることでガバナンスを再構築し、経営の健全性を高めてまいります。

 
(4)上場会社としての信頼性確保に向けた全社的な意識改革
 ① グループ全役職員を対象に、定期的にコンプライアンス研修を実施

グループ全役職員を対象に、不正を含めコンプライアンスに知見のある弁護士や公認会計士等の外部専門家やイントラネットを活用して継続的なコンプライアンス研修の受講を義務化いたします。特に当面は、財務報告の重要性や、不正事案を踏まえた研修を加えるとともに、入社時及び管理職への昇進時等のコンプライアンス意識の強化が特に必要となるタイミングに改めてコンプライアンス研修を実施する体制を整備し、グループ全体でのコンプライアンス意識の浸透を推進いたします。

 
 ② 役員に対し、定期的に外部の有識者によるガバナンスに関する勉強会を実施

グループのガバナンスを強化すべく、法改正をはじめ、上場会社の役員に求められる最新の知識の習得を通じて、役員としての職務遂行能力を維持、向上させることを目的に、弁護士などの外部専門家による自社研修や、外部セミナーなどへの参加による役員としてのガバナンス意識の維持、強化を、定期的に実施してまいります。

 
 ③ 新任役員に対し、上場会社の役員として必要な知識に関する外部研修の受講を義務化

役員への登用にあたっては、上記(3)②のサクセッションプランニングで定める任命基準を充足する教育的施策を新たに設け、中長期的に役員候補者の育成に取り組みます。また、これまでも新任役員には、外部研修への参加を義務付けておりましたが、本事案が惹起したことを踏まえ、役員としての義務と責任を全うできるよう、不祥事対応を含むコンプライアンス研修を必須とした新任役員研修カリキュラムの見直し(充実)を図ってまいります。

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 PwC Japan有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第74期(2023/4/1-2024/3/31)1725
 第73期(2022/4/1-2023/3/31)1726
 第72期(2021/4/1-2022/3/31)1727
 第71期(2020/4/1-2021/3/31)1728

1729
企業名 ニデック株式会社 市場 東証プライム
その内容

 財務報告に係る内部統制の評価を実施した範囲において、下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当するため、当連結会計年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。
 

 
 当社グループは、当社の連結子会社で、家電・車載事業統括本部家電産業事業本部下の NIDEC FIR INTERNATIONAL S.R.L.(イタリア所在。以下、「FIR 社」といいます。) に関する貿易取引上の問題を認識し、国際貿易法及び関税法の経験を有する外部専門家に調査を依頼しました。その結果、FIR社製造のモータについて、米国における原産国申告に誤りがあり、未払関税が発生している事実を認識しました。かかる調査結果を踏まえて、当社は、外部専門家とともに、更なる社内調査・検討を行いこの問題への対処を進めました。その結果、当社は2025年3月期の有価証券報告書について、当初の提出期限である2025年6月30日に提出できず、提出期限の延長申請の承認を得た上で、2025年9月26日に提出しています。
 FIR社の問題については、問題認識後に適時に連結財務諸表に反映できなかった親会社としての当社に主な原因があったものと認識しています。具体的には、法令違反の可能性が疑われる行為に関する情報の共有を受けた当社の役職員が、その情報について定められたルートに従って当社経営陣に対する報告を行わなかったことから、重要なリスク情報について社内で必要な協議や検討対応が行われず、早期是正の機会を失ったこと(当社の全社的な内部統制:情報と伝達)、及び当社が連結決算に反映させるべき重要なリスク情報を網羅的に収集する内部統制が適切に整備されていなかったこと(当社の経理決算プロセスに係る内部統制)が挙げられます。
 以上より、当社は、内部統制上の不備として、当社における全社的な内部統制(情報と伝達)と経理決算プロセスに係る内部統制の不備を認識しており、これらの不備は、当社の財務報告に潜在的に重要な影響を及ぼす可能性が高いと考えられるため、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
 上記の開示すべき重要な不備は、当該事実の判明が当連結会計年度の末日後であったため、当連結会計年度の末日までに是正することができませんでした。なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する現時点で認識している必要な修正は、連結財務諸表に反映していますが、連結財務諸表注記追加情報(第三者委員会による調査及びその他の社内調査等について)に記載のとおり第三者委員会による調査及び社内調査等は継続中であり、調査により虚偽表示が識別された場合には、連結財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性がありますが、その影響を反映させる場合における連結財務諸表項目及び金額並びに注記が明らかでないため連結財務諸表には反映していません。
 
 なお、下記(第三者委員会による調査及びその他の社内調査等について)に記載のとおり、第三者委員会による調査及び社内調査等は継続中であり、当該調査を踏まえた財務報告に係る内部統制の評価範囲の見直し及び見直し後の評価範囲における内部統制の評価手続を実施できなかったことにより、当連結会計年度末日時点における財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できないと判断しました。
  (第三者委員会による調査及びその他の社内調査等について)
 1.第三者委員会による調査について

当社は、当社及びグループ会社の経営陣の関与又は認識の下で、資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整などの連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理の疑義を認識したため、当社から独立した第三者委員会による客観性のある調査を行う必要があると判断し、2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置しました。同第三者委員会に対して、不適切な会計処理の疑義に係る事実関係の調査、不適切な会計処理が判明した場合の影響額の算定、不適切な会計処理が判明した場合の原因の究明及び再発防止策の提言、その他、第三者委員会が必要と認めた事項の調査を委嘱しています。

 
 2.その他の社内調査等について

当社は、以下のような事案(貿易取引及び関税に係る諸問題等)について外部専門家への依頼を含む社内調査等を実施しています。

①FIR社において、過年度を含む連結会計年度に米国の関税法及び規制に基づく原産国申告誤りによる未納の追加関税の発生を起因とする貿易取引及び関税に係る問題を認識しています。外部専門家とともに社内調査を実施しており、外部専門家の調査により現時点において認識した未払関税等は、その影響を連結財務諸表へ反映しています。なお、社内調査中である関与者の評価、及び内部統制への影響、並びに追加の未払関税等の要否等は、第三者委員会での調査結果次第で必要な対応を行っていきます。

②上記①の社内調査の過程において、ニデックエレシス株式会社(現ニデック株式会社車載事業本部インバータ事業部)においても、過年度の中国への輸出取引に際して、中古品の無償取引における申告価格を適正金額より低く関税申告していることが疑われる事案が発見されました。本件については、社内調査の一環として外部専門家による追加調査を依頼しています。

③当社は、当社のスイス連結子会社が必要な登録をせずに輸出取引を行っていた事案について適切な対応がなされていなかった疑いが上記①の調査の過程で発見され、また、内部通報において当社の中国連結子会社が過年度を含む連結会計年度に源泉所得税を過少申告していたことが疑われる事案を認識したため、事実確認を含めて必要な対応を進めています。

 
 当社としましては、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、現時点で認識している開示すべき重要な不備を是正するために、当社グループにおいて、以下の再発防止策を速やかに策定、実行することで財務報告の信頼性を確保していきます。
 なお、第三者委員会による調査及び社内調査等の結果、以下の再発防止策に変更が生じる可能性があります。
 
(1)コンプライアンス最優先の意識/企業風土の醸成
  ①当社取締役会から当社グループ内に対する明確なメッセージの発信
   ・コンプライアンス違反及びその可能性も見逃さず、放置しない。
   ・違反行為が発覚した場合、法務コンプライアンス部に直ちに報告し、違反行為の停止を最優先とする。
   ・その後、事実関係の調査及び再発防止策を含む適切な対応をとる。
  ②人事処分を通じたコンプライアンスを最優先にした対応の必要性の周知徹底
   ・実施した人事処分の内容の従業員への周知徹底。
  ③法務コンプライアンス部門の機能強化・権限強化
   ・法務コンプライアンス部門が調査等の対応を主導。
   ・事業部等が法務コンプライアンス部門の指示に従わない場合のエスカレーション手続の明確化。
(2)組織・体制の強化
  ①貿易コンプライアンス体制の強化
   ・当社貿易管理室の役割を明確化し、人員を強化する。
  ②グローバルガバナンス体制の強化

・CLO(最高法務責任者)の役職を設けて専門的知見と経験を有する人物を配置するとともに、北米に法務コンプライアンス専門家を配置する。当社による各地域の法務コンプライアンスオフィサーとの連携を強化し、リスク情報の共有と即応能力の向上を図る。

(3)手順・規程・仕組みの改善
  ①当社グループのレポーティングラインの改善
   ・本件のような情報伝達の停滞を防ぐため、下記を規程で明文化する。
   1)重要なリスク情報は、直接当社の最高コンプライアンス責任者(CCO)に報告すること。

 2)各地域法務コンプライアンスオフィサーが法令違反行為及び法令違反のおそれがある行為を認識した場合は、当社法務コンプライアンス部門に報告すること。

  ②当社グループ法務コンプライアンス部門間の情報共有

 ・海外の法務担当者と定期的な情報共有の場を設け、その情報を当社の法務コンプライアンス部門内の主要メンバー間で共有する。

  ③内部統制の適切な整備 

 ・経理部門から法務コンプライアンス部門に問い合わせを行い、認識している重要なリスク情報が網羅的であるかどうかを確かめる。

(4)人事処分
  ①適切な人事処分の実施。

付記事項

 前連結会計年度に、当社の連結子会社であるニデックドライブテクノロジーにおいて、連結決算手続における売上高の過大計上を識別しており、当社の経理決算プロセスは有効ではなく、当社の財務報告に係る内部統制に開示すべき重要な不備が存在しており、前連結会計年度末における当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。当社は当該開示すべき重要な不備を是正するために以下の再発防止策を実行しました。
 

(1)他の関連した問題の識別や会計処理及び表示の改善を行うための、過年度に開示した書類及び訂正された連結財務諸表に含まれる連結決算仕訳に対しての詳細なレビューの実施

・開示すべき重要な不備となった連結決算仕訳と同様の特徴を有する仕訳について、過去の連結決算仕訳の趨勢分析及び過年度も含めた詳細なレビューを実施しました。

 

(2)連結決算手続に係る方針の更新、連結子会社間取引に関連する調整対象案件を特定する際に必要な正確かつ網羅的な情報を把握するための体制の強化、並びに連結決算処理に対する検証及び承認権限者による承認手続に重点を置いた研修の実施

  ・連結調整処理の手順書を作成し、連結決算手続に係る方針を更新しました。
  ・組織体制の変更を行い、経理部門以外の組織も含めた組織が網羅的に情報を把握する体制を構築しました。
  ・連結決算処理に関する研修を実施しました。
 

(3)当社及び子会社の経理財務責任者による連結決算手続に対する包括的なモニタリング機能の強化及び経理決算プロセスにおける連結子会社間取引の調整に関する査閲・承認手続の強化

・当社及び子会社の経理財務責任者による連結決算手続に対する包括的なモニタリング体制を整備し、承認手続を強化しました。

 その結果、前連結会計年度に報告した開示すべき重要な不備を是正するための再発防止策について、適切に整備運用されていることから、前連結会計年度に存在した開示すべき重要な不備は、当連結会計年度末において是正されたと判断しました。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 PwC Japan有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:意見不表明
内部統制監査:意見不表明

備考
1730
企業名 株式会社Birdman 市場 東証グロース
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当するため、当連結会計年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。
 

 
 計算書類の監査時点においては、継続企業の前提において、当社グループでは、当連結会計年度において、売上高が著しく減少し、継続して重要な営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、また、当連結会計年度末日後に、多額な支払が発生した結果、手元資金が著しく減少し、今後の資金繰りが不透明になっておりました。当社では、手元資金が不足している上、当該状況を解消するための事業計画や資金計画は未作成であり、会計監査人である監査法人に提示できておりませんでした。
 そのため、2025年6月期の計算書類及びその付属明細書並びに連結計算書類に関し、監査法人より、会社法第436条第2項第1号及び会社法第444条第4項の規定に基づく監査について、監査意見を表明しない旨の監査報告書を受領することになりました。
 当社は、社内の決算・財務報告プロセスにおいて、このような状況が生じたことは、財務報告に与える影響が大きく重要性が高いと判断し、当連結会計年度の末日時点の財務報告に係る内部統制は有効ではなく、開示すべき重要な不備が存在すると評価いたしました。
 なお、金融商品取引法の連結財務諸表の監査時点においては、会計監査人の指摘を踏まえ、当社では、新株予約権者への支援を要請し5億円の新株予約権の行使を受け、手元資金不足を補った上、事業計画や資金計画は監査法人に対して提出済みとなります。
 上記事実は、継続企業の前提に関する検討が監査対象としてその重要性が適切に認識されていないことや人材不足に起因して、事業計画及び資金計画の作成管理体制が不十分であったため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
 
 当社は決算・財務報告プロセスに係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するため、以下の観点で具体的な改善策を講じて、適切な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。
 ・継続企業の前提に関する検討の重要性に関する取締役会での周知の再徹底
 ・事業計画及び資金計画の作成及び管理に関する体制強化
 ・上記遂行のための適切な人材の配置及び体制強化

付記事項

付記すべき事項はありません。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 監査法人アリア 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1731
企業名 Solvvy株式会社 市場 東証グロース
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告の適正性に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断し、その結果、当事業年度末日時点において当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断しました。
 

 
 当社は、ExtendTech事業部において、教育ICT機器の修理費用として支払った立替金が受取保険金総額から保険金の既入金額を控除した保険金受取可能残額を超過しているかどうかについて、また、その回収可能性を適時・適切に把握するプロセス(以下、「修理費用立替金プロセス」という。)に不備があったため、当期の半期報告書提出時点で計上すべき損失が計上できず、半期報告書の訂正報告書を提出いたしました。
 当社は、修理費用立替金プロセス及び関連する全社統制が有効に機能しておらず、これらの不備による財務報告に与える影響が大きく重要性が高いと判断し、以下を開示すべき重要な不備として認識いたしました。
 開示すべき不備が当連結会計年度末日までに是正されなかった理由は、不備への対応が末日後となったためです。なお、開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、全て有価証券報告書及び半期報告書の訂正報告書に反映しております。
 
(1)全社的な内部統制の不備

当社のExtendTech事業は、保証サービスの提供において損害保険契約の締結、修理の受付及び手配、保険金請求事務などの運営事務を受託するものであることから、同事業において保険金支払限度額を管理することが重要になります。しかし、その重要性を適切に識別できていなかったため、修理費用として支払った立替金が保険金支払限度額から既入金保険金額を控除した保険金受取可能残額を超過するリスクを識別することをできず、その結果としてリスクへ対応するための内部統制を構築することができておりませんでした。加えて、この修理費用立替金プロセスから開示すべき重要な不備が識別されましたが、同プロセスは内部統制の評価対象になっていたにもかかわらず、下記(2)業務プロセスに係る内部統制の不備に記載のとおり、保険金の請求及び管理に関する一部の内部統制を整備できていなかったために、当該内部統制を評価の対象としておらず、当事業年度の内部統制の評価範囲を適切に定めることができませんでした。また、これらの状況を背景として、ExtendTech事業部から取締役会等に対して、保険金受取可能残額の情報が適時・適切に提供されていなかったために、取締役会等において十分な報告や審議がなされておりませんでした。

 
(2)業務プロセスに係る内部統制の不備

ExtendTech事業部において、修理費用として支払った立替金が保険金受取可能残額を超過するリスクを識別することができていなかったために、修理費用立替金プロセスにおいて保険金受取可能残額の管理に関する規程や業務手順等が確立されておらず、また、保険金の請求及び回収等進捗状況に係る管理に関する統制手続が構築されていないなど、リスクへ対応するための内部統制が十分に機能する状態にありませんでした。

 
 上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は財務諸表に反映しておりますが、不備の是正につきましては、前述の通り当事業年度の末日までに是正措置を完了するための十分な期間を確保することが出来なかったため、是正措置を完了することができませんでした。
 
(3)再発防止策

当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、今回の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備を是正するために、再発防止策を講じて速やかに適正な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。
 具体的には、保険金受取可能残額の管理に係る規程や業務手順等を整備し、事業部内に管理・企画部署を設置して保険金受取可能残額等の管理及びモニタリングや、案件ごとの限度額が一覧管理できるシステムの構築を行います。さらにこれらの取り組みを通して、修理費用立替金残高や保険金受取可能残額の推移、その他関連する情報などを取締役会等へ適時・適切に報告いたします。また、修理費用立替金プロセスにおける保険金の請求及び回収等進捗状況の管理に関する統制手続を整備、運用し、内部監査を実施することにより評価いたします。

付記事項

付記すべき事項はありません。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 太陽有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

重要な手続きが実施できないと表明した企業

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