knowledge Baseナレッジベース

2025年7月公表「内部統制報告書」記載内容集計表

投稿日時:2025年08月04日(月)

 2025年7月1日以降、7月31日までに公表された内部統制報告書について、「有効である」という結論以外となる報告書を提出した企業及びその内容は次のようになっています。

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業
2
重要な手続が実施できないと表明した企業
0

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業

1708
企業名 株式会社ナ・デックス 市場 東証スタンダード
その内容

 以下に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしました。
 

 
 当社は、2025年2月14日に提出した訂正内部統制報告書において特定の業務プロセスに財務報告に係る開示すべき重要な不備がある旨の報告を行っておりますが、そのうち、下記「4 付記事項」の(C)に掲げる内部統制上の不備に関しては当事業年度末日時点において是正されておりません。これは、実効性のある内部統制の整備の検討に時間を要したためであります。
 なお、当該開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、全て連結財務諸表および財務諸表に反映しております。

付記事項

 訂正内部統制報告書に記載したとおり、前事業年度末日において売上高および仕入高ならびに棚卸資産に至る業務プロセスに開示すべき重要な不備を識別しておりました。
 
 (A)納品確認制度の不徹底

仕入取引では根拠証憑として仕入の実在性を示す証憑の入手が求められていたものの、上長による決裁の対象が100万円以上とされており、100万円未満の仕入や設備販売および設置に係る部材の販売(セット品販売)に対して証憑による得意先への納品事実の確認が徹底されておりませんでした。

 
 (B)預け在庫に対する危機意識の不足

当社が商社として取引を行う場合は、売上と仕入が同時に発生し在庫が発生するのは稀であるにもかかわらず、当社では期末棚卸時以外に預け在庫について適切な管理を行っておらず、営業担当者任せになっておりました。また、本来異例なはずの商社取引による預け在庫の存在について、得意先に対する照会や現物確認の実施等が行われておりませんでした。

 
 (C)決裁処理の形骸化

受注の承認に関して、入手書類上の疑わしい状況が十分に把握されておらず、不正が介在し得るという点での視点が不足しておりました。また、決裁処理が形式的な確認に留まり、取引実態の把握や取引の合理性に関する審査ができる仕組みが整備されておりませんでした。

 
 上記の内部統制の不備のうち、(A)および(B)について、当事業年度に実施した措置および開示すべき重要な不備の是正状況は以下のとおりとなります。なお、(C)については、当事業年度末日において開示すべき重要な不備は是正されておりませんでしたが、当事業年度末日以降に是正措置を講じており、内部統制報告書提出日までに、開示すべき重要な不備が是正されていると判断しております。
 
● 当事業年度末日までに実施した是正措置および開示すべき重要な不備の是正状況
 (A)仕入高に至る業務プロセス(納品確認制度の徹底)

実務上、一定額未満の納品事実の確認を行う運用が疎かになっていたことから、仕入計上の証憑類具備の規程をより明確にしました。また、当該規程に基づく実務研修・勉強会を実施しました。

納品確認制度の不徹底に対し、第三者による商品が実際に配送されたか否かを示す証憑類を入手することが明確化されたこと、当該規程に基づく実務研修・勉強会を実施したことにより、担当者以外の者により納品事実の確認が徹底され、重要な虚偽記載の発生を防止しました。

 
 (B)棚卸資産に至る業務プロセス(預け在庫の適正管理と異常性の検証)
   預け在庫の異常性を早期に識別し、適正に管理するために以下の仕組みを新たに構築しました。

 ・月次で預け在庫を含む全在庫のリストを出力・作成し、営業管理職が当該リストの各在庫について、残高、滞留期間、仕入先、エンドユーザーなどの観点からリスク評価を実施すること
 ・在庫の実在性、仕入の合理性に異常を識別した預け在庫については、当該預け在庫の営業担当者以外の人員が、預け先への照会や預け先に赴き現物確認を行うこと

   ・期末時には営業管理職の確認結果を管理部門が検証すること

預け在庫に対する危機意識の不足に対し、預け在庫の異常性を早期に識別する仕組みを構築し、異常性を識別した預け在庫に対する現物確認の規程が適切に整備され、当事業年度末日において異常性を識別した預け在庫に対して、営業担当者以外の人員が現物確認を実施しました。また、当該規程に基づく実務研修・勉強会を実施しました。

その結果、適時に預け在庫の状況を把握できるようになり、異常性を識別した場合には現物確認を実施することにより、預け在庫が存在する場合の合理性について批判的に検証するとともに、存在する場合には管理状況を確認することで、重要な虚偽記載の発生を防止しました。

 

以上のような是正措置を実施し、当事業年度末日までに適切な財務報告を担保しました。当該是正措置については、当社の内部監査部門がその内容を検討し、不正の発生原因に対応するものであることを確認しました。また、是正措置に関連して新たに整備・運用した内部統制に対する評価手続を実施した結果、不備事項は識別されず、当事業年度末日において適切に内部統制が整備・運用されているものと判断しました。

 
● 当事業年度末日以降、内部統制報告書提出日までに開示すべき重要な不備を是正するために実施した是正措置

売上高および仕入高に至る業務プロセスにおいて、取引の事業上の合理性を審査する仕組みが十分に整備されていなかった内部統制上の不備に関しては当事業年度末日時点において是正されておりません。しかし、当事業年度末日以降に以下のような是正措置を実施しております。

 
 (C) 売上高および仕入高に至る業務プロセス(実効性のある決裁処理)

実質的な決裁処理を定着させる取組みの実施として本件事案を踏まえて、循環取引をはじめとした不正が起こり得るという観点から、決裁者や申請を行う営業担当者を対象とした決裁の意義や本件事案の特徴を踏まえた上での案件の実質的な審査を行うためのポイントを習得させるための実務研修・勉強会を当事業年度末日までに開催し、内容の浸透状況を確認するために、確認テストを実施しております。当該実務研修・勉強会において示したポイントに基づき、取引の決裁処理に使用するチェックリストを整備し、対象の取引の決裁処理に使用しております。

 

当該是正措置については、当事業年度末日以降、内部統制報告書提出日までの期間において、当社の内部監査部門が是正措置に関連して新たに整備・運用した内部統制に対する評価手続を実施しました。特に実務研修・勉強会において示したポイントについて決裁者が理解しているかどうか、決裁処理に必要な入手書類が具備され疑わしい点がないかどうか、チェックリストが漏れなく確認されているかどうか、取引実態を把握してその合理性が認められるかに関して正当な注意を払って決裁処理を実施しているかどうかを主眼において、質問や書類の検討を行いました。その結果、不備事項は識別されず、循環取引や付替行為の防止策が強化され、内部統制報告書提出日において取引実態の把握や取引の合理性に関する審査ができる仕組みが整備・運用されているものと判断しました。

 
 以上のことから、当事業年度末日時点において財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり開示すべき重要な不備に該当するため、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしましたが、内部統制報告書提出前までに全ての開示すべき重要な不備の是正状況が確認されたことにより、当該報告書提出日時点では財務報告に係る内部統制が有効であると判断いたしました。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 有限責任監査法人 トーマツ 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1709
企業名 イオンフィナンシャルサービス株式会社 市場 東証プライム
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、Post and Telecommunication Finance Company Limited(以下、PTF)の持分取得に向けSoutheast Asia Commercial Joint Stock Bank(以下、SeABank)との交渉を進め、2025年2月3日にSeABankより持分取得を完了し、PTFを連結子会社化いたしました。
 しかしながら、PTFに対するPMI(Post Merger Integration、連結後の経営・業務・システムや組織等の企業風土を含めた経営統合プロセス)推進の過程で、持分取得前のPTFで不適切な会計処理が行われていた事実が明らかになり、過年度の連結財務諸表において、貸倒引当金の過少計上があった可能性を認識いたしました。これを受けて、過年度の連結財務諸表において誤謬が存在していたか否かなどの情報収集、事実確認及び会計処理の検討を実施しました。その結果、PTFの資産について再評価を実施し、「のれん」を含む関連する会計処理を過年度に遡って訂正する必要があると判断したため、2025年2月期の有価証券報告書の訂正報告書を提出することといたしました。
 当社は、「子会社・関連会社管理規則」にて新規企業買収時に内部管理態勢が十分に機能していることを確認する旨を規定し運用しておりますが、海外新規企業買収に対するリスク認識が不十分であったため、内部管理態勢に関する必要な情報を十分に入手することができておりませんでした。
 また、当社は「連結決算業務記述書」等において連結財務諸表作成にあたっての子会社等の情報収集に関して規定し運用しておりますが、新規企業買収時の企業結合(取得)における具体的な手続きが明示されていなかったために、PMIの過程で入手した情報に対して国・地域等の特性を踏まえた分析・精査が不十分となった結果、買収企業の新規連結時の決算にあたっての正しい会計処理等の検討ができておりませんでした。
 以上より、当該全社的な内部統制(リスク評価)及び決算・財務報告プロセスに関連する整備及び運用の不備が、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 なお、上記事実は当事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
 
 当社は財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するため、以下の項目を中心とする再発防止策を策定し、内部統制の適正な運用を図ってまいります。
 
 ①海外新規企業取得時におけるリスク評価体制見直しによる内部統制の強化
 ②新規企業買収時の決算・財務報告に係るプロセスの整備及び運用の改善
 ③上記プロセスの検証・レビュー実施による牽制機能の強化

付記事項

特記事項

監査法人 有限責任監査法人トーマツ 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第44期(2024/3/1-2025/2/28)の訂正を表明。

重要な手続きが実施できないと表明した企業

PAGE TOP