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2025年2月公表「内部統制報告書」記載内容集計表

投稿日時:2025年03月05日(水)

 2025年2月1日以降、2月28日までに公表された内部統制報告書について、「有効である」という結論以外となる報告書を提出した企業及びその内容は次のようになっています。

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業
20
重要な手続が実施できないと表明した企業
0

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業

1636~1637
企業名 株式会社サンウェルズ 市場 東証プライム
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、当社が不正な診療報酬請求を行ったとする報道を受け、当社より独立した社外の専門家を委員とする特別調査委員会を設置し、客観性のある業務実態の調査を行い、2025年2月7日、当該特別調査委員会より調査報告書を受領いたしました。当該調査の結果、当社がPDハウス等で受け入れている入居者は、重症度の高いパーキンソン病患者であったことから、入居者及びご家族の同意を得た上で、1日3回・複数名訪問を標準としていたところ、現場の看護師等の多くに1日3回・複数名訪問が必須との認識を与えてしまい、訪問回数及び同行者の要否という観点での個別的検討・見直しが徹底されていなかったこと(訪問数等既定事案)が判明しました。また、そのような中で、①数十秒から数分という短時間の訪問であるにもかかわらず30分を標準とする訪問看護を実施したとして診療報酬の請求を行っていた事案(短時間訪問事案)、及び②訪問看護サービス提供の際に同行者が不在であったにもかかわらず同行者がいたものとして診療報酬請求を行っていた事案(同行者不在訪問事案)が存在していたことも判明しました。
 当社は、調査報告書の内容を検討した結果、過年度の決算を訂正し、2022年3月期から2024年3月期の有価証券報告書及び2023年3月期の第1四半期から2024年3月期の第3四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出いたしました。
 
 当社は、上記事案が生じた原因として、現経営陣や、経営戦略部、運営本部、教育部等に所属する経営推進を担う従業員において、訪問看護事業を推進するための基盤となるリスク分析・評価等のための体制が不十分であったことを背景として、上記事案の発生を抑止するための内部統制が機能不全となっており、また、訪問看護の適切なオペレーションに関する教育・研修を提供することができていなかったと認識しております。加えて、訪問数等既定事案については、各施設に対し売上目標として設定された単価の水準が、入居者の相当数に対して1日3回及び複数名訪問を実施しないと到達できない水準で設定されており、それが人事評価制度の評価基準としても設定されていたこと、また、短時間訪問事案及び同行者不在訪問事案については、①就寝時間帯の訪問の場合、入居者の睡眠を妨げるおそれがあることから、実施可能な看護内容が限定されており、訪問看護時間は短時間にならざるを得ない客観的状況が存在したこと、②ナースコール発報が非常に多く生じる中、それに対応するための人材が十分に確保されていなかった結果、同行を予定していた介護士等が、同行の予定を変更して、ナースコール対応等にあたる必要性が生じていたこと、③訪問看護として割り当てられた時間帯以外の時間で看護行為が求められることも少なくないところ、それらの時間も通算すれば十分な訪問看護時間を確保できているとの考えを有している従業員も存在し、このような考えが、短時間訪問事案・同行者不在訪問事案においても適切な看護サービスを提供しているとして診療報酬を請求することを心理的に正当化する要因として働いていたことが、それぞれの原因として存在したと認識しております。
 当社は、これらの内部統制の不備が財務報告に重要な影響を及ぼしており、全社的な内部統制及び訪問看護事業における請求業務プロセスに係る内部統制について、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
 また、上記事実の特定は当事業年度末日以降となったため、当該開示すべき重要な不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
 
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するために、特別調査委員会からの指摘・提言も踏まえ、以下の再発防止策を講じて適正な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。
(1)訪問看護事業を推進するための基盤となるリスク分析・評価等を行う体制の導入・実施
 ア.「訪問看護・介護事業リスク検討委員会」の設置
 イ.経営陣による施設ラウンドの定期実施
 ウ.医療・介護業界のコンプライアンスに精通する外部有識者招へいの検討
(2)内部統制の強化・再構築
 ア.PDハウス等の現場における内部統制の強化・再構築
  (ア)訪問看護時間を正確に把握・記録する為の電子記録制度の導入
  (イ)複数の看護師の連携による訪問看護計画の作成・見直し
  (ウ)現場管理職による訪問看護記録のチェック体制の強化
  (エ)管理職(看護課長)による訪問看護記録のサンプルチェックの実施
  (オ)運営部長による定期的なヒアリング調査の実施
 イ.管理部門における内部統制の強化・再構築
  (ア)PDハウス等の現場の共用部カメラによる監視体制の導入
  (イ)管理部門に新たに看護部を設置
 ウ.内部監査室による監査機能の強化
  (ア)内部監査における調査内容の拡充
  (イ)内部監査の対象及び監査内容の拡充
  (ウ)内部監査室長への適切な役職者の配置及び権限の強化
(3)研修・教育の充実とコンプライアンス意識の醸成
 ア.オペレーションに関する継続的な教育体制の構築
 イ.訪問看護に関するマニュアルの整備・改訂及び管理体制の強化
 ウ.不正行為等に対する懲戒処分の厳格化及びその周知
(4)人事評価の指標としての施設単価目標の廃止を含む人事評価制度の変更
(5)就寝時間帯における訪問看護の内容の再検討
(6)ナースコール対応人員体制の確保

付記事項

特記事項

監査法人 有限責任監査法人トーマツ 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第19期(2023/4/1-2024/3/31)の訂正を表明。
その他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
  第18期(2022/4/1-2023/3/31)1637

1638~1640
企業名 株式会社ナ・デックス 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしました。
 

 
 当社は、2024年11月、仕入先から多額の支払を求める連絡を受けたことを端緒に当該仕入にかかる流通経路、取引実態等について社内調査を実施したところ、元業務委託社員が実体の伴わない循環取引を行い、当社において架空の売上高および売上原価が計上されている疑いがあることが判明したため、直ちに外部の弁護士および公認会計士による特別調査委員会を設置して調査を行ってまいりました。
 その結果、元業務委託社員が、特定の仕入先から正規の仕入に偽装して個人的にPC等を仕入れ、これを転売することで不正に代金を得る領得行為、またその領得行為の隠蔽を目的として、8社に及ぶ事業者を巻込んだ複雑な商流による循環取引を行っていた事実が判明いたしました。当該循環取引は、直送取引につき帳票のみで取引が完了し、モノの移動が補捉しにくい取引であること、エンドユーザーが不明確であること、営業担当者が受注だけでなく、発注業務にも関与していることなど、循環取引を示唆する状況や兆候が見受けられるものでしたが、証憑の偽造や在庫等の保有資産の偽装を伴っており、取引が存在するかのように仮装されたため、発見が困難なものとなっておりました。さらに、領得行為または循環取引で発生した実体のない架空の発注を実体のある案件に紛れ込ませる付替行為が行われていた事実も判明いたしました。(これら判明事実を総称して、以下「本件事案」といいます。)
 当社は、本件事案により発生した架空の売上高、売上原価および棚卸資産を過年度に遡り取消すことが必要と判断し、2022年4月期から2024年4月期の有価証券報告書および2022年4月期第3四半期から2024年4月期第3四半期までの四半期報告書について訂正報告書の提出を行いました。
 本件事案の発生原因および内部統制上の不備として以下を認識しております。
 
 (1) 決裁処理の形骸化

当社では、受発注の承認に際して、受注根拠となる証憑や発注先からの見積に該当する証憑に基づき、上長による受発注の決裁を行っておりましたが、本件事案においては、得意先からの仮注文書の担当者印の位置や形状が常に同じだったこと、当該仮注文書に基づきシステム上受注登録した案件について正式な発注まで長期を要していたこと、仕入先からの見積書の体裁や印影が変化していたこと等の疑わしい状況があったにもかかわらず、不正が介在するかもしれないという視点も踏まえた、取引に不審な点がないかの実質的な審査が十分にできておりませんでした。このように、決裁処理が形式的な確認に留まり、取引実態の把握や不正の可能性を踏まえて取引の合理性を審査する仕組みが整備されていなかったことも、循環取引や領得行為を発見できなかった要因となっておりました。

 
 (2) 納品確認制度の不徹底

当社では、規則上、仕入については、仕入先からの納品書の他、搬入・工事完了の事実を証明する書類の入手・確認が求められておりましたが、上長による決裁の対象が100万円以上の仕入となっていたことから、実務上は100万円未満の仕入について当該書類の入手・確認が徹底されておりませんでした。元業務委託社員は、当該運用を利用し、架空取引の対象をすべて100万円未満として仕入先からの納品書のみを証憑にすることによって不正の発覚を免れておりました。特に、設備の販売および設置を受注してそれに必要な部材を仕入れる場合(以下「セット品」といいます。)には、設備の販売自体は実際に存在しており、それに必要な部材の詳細を営業担当者以外が把握することが困難であることも利用し、架空取引をセット品の中に紛れ込ませて付替を行っておりました。このように、実務上、一定額未満の納品事実の確認を行う運用が疎かになっていたことも、循環取引や付替を利用した架空取引が発見できなかった要因となっておりました。

 
 (3) 預け在庫に対する危機意識の不足

本件循環取引においては、元業務委託社員が偽造した得意先からの仮注文書に基づく受注登録から当該得意先からの正式発注に至るまで1年以上の期間を要することもあり、最終的には仕入金額で1億円を超える預け在庫が存在しておりました。商社取引においては、仕入と同時に売上が計上されるのが一般的であり、在庫が発生しないことが通常であることから、長期にわたり同一の得意先に対して多額の預け在庫が存在することは稀でありました。しかし、当社は期末の棚卸時を除き、預け在庫がどこに存在するかについて、一部の商品以外はシステムによる管理を行っておらず、営業担当者のみが把握している状況にあったこと、棚卸時においても当該得意先から預かり証が発行されており、これが虚偽の証書であることが想定されなかったことから、預け在庫の異常性に気付かず、当該得意先に対する照会や現物確認の実施等の踏み込んだ調査が行われませんでした。このように、適時に預け在庫の異常に気付き確認する仕組みがなかったことも本件循環取引を早期に発見することができなかった要因となっておりました。
 当社は、これらの不備は財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 上記事実は当事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、すべて有価証券報告書の訂正報告書に係る連結財務諸表および財務諸表に反映しております。
 当社は財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するために、特別調査委員会からの指摘・提言や「循環取引に対応する内部統制に関する共同研究報告」の報告内容も踏まえ、以下の改善策を講じて適正な内部統制の整備および運用を図ってまいります。

 
① 決裁処理の形骸化に対する改善策
 A)実質的な決裁を定着させる取組みの実施

本件事案を踏まえて、循環取引をはじめとした不正が起こり得るという観点から取引のチェックポイントを整理し、決裁の意義や実質的な検討が決裁者に浸透するまで、一定の案件に係る受発注の決裁において決裁者がこれを参照して取引の合理性を審査することを定着させるための取組みを実施します。

 
 B) 決裁者の意識向上に向けた取組みの実施

決裁者を対象として、決裁の意義や本件事案の特徴を踏まえた上での案件の実質的な審査を行うためのポイントを習得する研修や勉強会を開催し、上記A)の改善策の実効性の強化を図ります。

 
② 納品確認制度の不徹底に対する改善策
 A) 仕入の実在性を確認できる証憑の入手の徹底

仕入にかかる規程において、仕入先からの納品書に加えて、第三者による商品が実際に配送されたか否かを示す証憑類を入手することとし、仕入の実在性を証明する書類をもって仕入を計上することを明確にします。また、当該規程に基づく実務研修・勉強会の実施により、この運用を徹底することとします。

 
③ 預け在庫に対する危機意識の不足に対する改善策
 A) 預け在庫の異常性を早期に識別する仕組みの構築

 月次で預け在庫を含む全在庫のリストを出力・作成し、当該リストの各在庫について、残高、滞留期間、仕入先、エンドユーザーなどの観点からリスク評価を実施し、在庫の実在性、仕入の合理性に異常があるかどうかを確認することとします。

 
 B) 異常性を識別した預け在庫に対する現物確認の実施

 A)において、在庫の実在性、仕入の合理性に異常を識別した預け在庫については、当該預け在庫の営業担当者以外の人員が、預け先に赴き現物確認を行うこととします。

 

以上

付記事項

特記事項

監査法人 有限責任監査法人 トーマツ 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第74期(2023/5/1-2024/4/30)の訂正を表明。
その他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第73期(2022/5/1-2023/4/30)1639
 第72期(2021/5/1-2022/4/30)1640

1641
企業名 工藤建設株式会社 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社が受注した工事の原価を検証している過程において、原価を過少計上していた工事が判明したほか、工事原価を別の工事原価として計上(原価の付替え)しようとしていた事案が判明いたしました。
 そのため当社では、これらの不適切な原価管理が行われていたことを重く受け止め、2025年1月7日に開催した取締役会において、本事案の事実関係、類似事象の有無の確認、原因分析及び再発防止策の検討等を行うことを目的として、社内調査委員会を設置し調査を開始いたしました。
 調査委員会による調査の結果、過年度の不適切な会計処理で重要なものとしては、協力会社との下請け取引のうち、2024年6月期(53期)において竣工している2つの工事案件について原価の計上漏れ、両工事間での付替え及び他の工事への付替えがあった事実等が判明いたしましたので、完成工事原価の計上漏れ、付替えにより過大又は過少に計上されていた「完成工事高」、「完成工事原価」の金額を修正するとともに、関連する「完成工事未収入金」、「工事未払金」等の残高を修正しました。
 明らかになったこれらの不適切行為は、建設事業部長と部下のコミュニケーション不足、経営管理部の役職者に対する研修不足、過去の失敗から組織として学ぼうとする姿勢の欠如、管理職及び有資格者の不足、経営陣のメッセージの不浸透、横のつながりにけるコミュニケーション不足、内部統制上の問題(システムにおける自己承認の禁止や経営管理部による契約締結伺や請求・支払フローにおけるチェック及び牽制機能の欠如等)があったと認識しております。当社は内部統制の不備が、結果として財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 上記の開示すべき重要な不備が、当事業年度までに是正されなかった理由は、これらの事実の特定が当事業年度以降となったためであります。
また、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な訂正事項は、有価証券報告書及び四半期報告書の訂正報告書において適正に訂正しております。
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を改めて認識しており、上記の開示すべき重要な不備を是正するために、以下の通り再発防止策を推進する方針であります。
 (1) 組織文化の見直しと役職員の意識改革
 (2)  ないぶとうせいきょうかにしするじんざいのかくほ、じんざいいくせい
 (3) 社内規程・システムの整備と業務プロセス改革による相互牽制機能の強化
 (4) バナンスの高度化に向けた取締役会・各会議体の体制整備及び実効性確保
 (5) 内部通報制度の活性化に資する周知と教育

以上

付記事項

特記事項

監査法人 監査法人FRIQ 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第53期(2023/7/1-2024/6/30)の訂正を表明。

1642~1643
企業名 株式会社トーシンホールディングス 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断した。したがって、当事業年度末日時点における当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断した。
 

 
・当社により識別された開示すべき重要な不備
(全社的な内部統制に係る内部統制の開示すべき不備)
 信頼性のある財務報告の作成に必要な体制に関する認識、開示事項の作成に関する社内のチェック体制が不十分であった為、監査法人から指摘を受ける事態が生じました。
 これらのことから、当社グループの財務報告における体制は、速やかで確実な決算事務が遂行可能な体制となっておらず、決算・財務報告プロセスに係る内部統制において、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 当社グループは、全社的な内部統制の強化、徹底を行うとともに、社内のチェック体制を強化し財務報告の信頼性を確保していく方針です。
 本報告書提出時点において、人員の増強を図り内部統制の強化、徹底を行う体制を整えているものの、当該是正措置が有効に機能しているかどうかについての評価は完了しておりません。
・第三者委員会の調査をきっかけに識別された開示すべき重要な不備
 「携帯電話契約における顧客への還元(キャッシュ・バック)の一部が未精算、未計上である」旨の匿名通報メールを受け、キャッシュ・バックの一部が未精算、未計上になっており残高に誤謬が存在する可能性があると認識し、2024年10月より社内調査を開始しました。未精算であったと把握できたものから随時精算をしてきましたが、依然として店舗及び本社においてキャッシュ・バックに対する問い合わせ電話が継続している点や、当該キャッシュ・バックに係る会計処理方法について、第三者(弁護士および公認会計士)を交えた調査委員会の設置及び調査に基づく債務の網羅性及びキャッシュ・バックに係る会計処理について確認する必要があると会計監査人の判断を受け、2024年12月20日開催の取締役会において、当社は公正性を確保した調査が必要と判断し、 第三者委員会を設置することといたしました。
 第三者委員会による調査を受けて当社で検討したところ、2024年4月期において、162百万円のキャッシュ・バック費用が未払となっており、会計上も計上されていない状況を確認し、訂正有価証券報告書を提出しました。
 本件訂正有価証券報告書の提出に至った原因としては、第三者委員会による調査報告書の第5.発生原因の分析(1)「会長の影響力と結果重視の企業風土の存在」の背景となる以下のような不備があると認識しております。
(全社的な内部統制に係る内部統制の開示すべき不備)
1.会社全体のコンプライアンス意識の不足
2.取締役会及び監査役会の実効性不足
3.役職員の不十分な職務分掌
 上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備が、当事業年度の末日までに是正されなかった理由は、第三者委員会からの調査報告書の受領が2025年2月13日と、当該事業年度の末日以降のため、再発防止策を整備・運用する期間を十分確保できなかったためです。
 なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、全て財務諸表及び連結財務諸表に反映しております。
 当社は、当社グループにおける財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、第三者委員会の報告を踏まえ、開示すべき重要な不備を是正し、適正な内部統制を整備し運用するために、是正に向けた取り組みを行ってまいります。

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

監査法人 監査法人東海会計社 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第38期(2023/5/01-2024/4/30)の訂正を表明。
その他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第37期(2022/5/1-2023/4/30)1643

1644~1645
企業名 ZETA株式会社 市場 東証グロース
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度の末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社グループは、2022年6月期の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)を適用し、商品検索エンジン「ZETA SEARCH」をはじめとする自社ライセンス商品の販売は、顧客が運営するECサイトの検索エンジンに自社ライセンスの使用権を付与し稼働させる義務を負うため、ライセンスが供与され使用可能となった時点で履行義務が充足されるものと判断し、ライセンスが使用可能となった一時点において収益を認識していました。
 しかし、2024年12月期の決算の過程で、契約上の入金サイトが長期間に渡るライセンス取引についての会計処理を再検討した結果、このようなイレギュラーな入金サイトのライセンス取引については、対価の回収がなされた時点で収益を認識することが適切な会計処理であると判断いたしました。
 また、一部のライセンス取引の履行義務の充足について、証憑の確認のみに留まり、履行義務の充足の事実を確認する統制が整備されていなかったことが判明しました。
 これにより、当社グループは過年度の決算を訂正し、2023年6月期から2024年6月期までの有価証券報告書、及び2023年6月期第1四半期から2024年6月期第3四半期までの四半期報告書について訂正報告書を提出しました。
 上記の事象は、収益認識会計基準適用後に入金サイトが長期に渡るライセンス取引の適切な会計処理の検討が適時に行われていなかったこと、ライセンス取引の性質を考慮したあるべき内部統制の検討ができていなかったこと、及び、そのような検討を社内で適時に行うための社内体制の整備が不十分であったことに起因して、改善対応への取組みが遅れたものです。これらは、長期間に渡る入金サイトという、通常の取引とは性質の異なるライセンス取引に係る会計処理の検討に関する決算・財務報告プロセスの不備、及び、ライセンス取引に係る売上計上プロセスの不備に起因すると考えており、開示すべき重要な不備に該当すると判断しています。上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な訂正事項は、有価証券報告書及び四半期報告書の訂正報告書において適切に訂正しております。
 上記の開示すべき重要な不備が当事業年度の末日までに是正されなかった理由は、これらの事実の認識が当事業年度の末日後となったためです。なお、開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、すべて有価証券報告書の訂正報告書に係る連結財務諸表及び財務諸表に反映しております。
 当社グループとしては、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、社内人員に対して正常な入金サイトの取引が是であるという意識付けの徹底、経理部門人員の専門知識の向上、及び、内部監査・監査役監査の対象と方法の見直しを含めた内部統制システムによる経理部門の監視監督機能の強化を図ることにより、決算・財務報告プロセス及びライセンス取引に係る売上計上プロセスを強化し、財務報告の信頼性を確保していく方針です。

以上

付記事項

特記事項

監査法人 監査法人アヴァンティア 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第19期(2023/7/1-2024/6/30)の訂正を表明。
その他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第18期(2022/7/1-2023/6/30)1645

1646~1650
企業名 株式会社フコク 市場 東証プライム
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告の適正性に重要な影響を及ぼすことになり、開示すべき重要な不備に該当すると判断した。
 従って、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断した。
 

 
 当社は、当社連結子会社である上海フコク有限公司(以下、「当該子会社」という。)における月次の財務資料の分析過程で、その予実に著しい乖離があることを認識し、内部調査を実施した結果、当該子会社において、出納事務担当者である従業員(以下、「当該従業員」という。)による同社資金の着服の疑義が生じたことを受け、2024年11月29日に、事実関係や類似する事象の有無の調査及び原因分析並びに再発防止策の提言を目的として、当社から独立した中立かつ公正な外部専門家で構成される調査委員会(以下「特別調査委員会」という。)を設置した。
 
 特別調査委員会による調査の結果、当該子会社の従業員による過年度からの当該子会社の預金・現金の不正出金と着服、及びその偽装工作としての虚偽の支払費用の計上の事実が確認された。
 
 本件の直接的な原因は、当該子会社の立地場所による慢性的な従業員確保の課題がある中、当該従業員単独で小切手による預金の引き出しが可能となっていた等の経理プロセスにおける内部統制の機能不全、出納・記帳事務を長期間同一人物に任せていた状況、財務マネージャーや副総経理の人事の長期固定化、当該従業員の不正に対する認識の希薄さにあると認識しているが、その背景としては、当該子会社のガバナンス体制の形骸化、ひいては当社における内部統制軽視の組織文化、子会社管理体制の甘さ、不正リスクに関する評価の不適切性、内部監査の手続不足等が挙げられる。
 
 以上のことから、当社の内部統制は有効に機能していなかったものと判断し、全社的な内部統制及び全社的な観点で評価することが適切であると考えられる決算・財務報告プロセスの一部に開示すべき重要な不備があると認識する。
 
 なお、当該事実の判明が当事業年度の末日以降であったため、訂正の対象となる内部統制報告書の提出日においては、当該開示すべき重要な不備を把握することができず、訂正の対象となる内部統制報告書に記載することができなかった。
 
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、特別調査委員会による報告の内容を踏まえ、実効性のある再発防止策を策定の上、速やかに内部統制の改善・強化を図っていく所存である。
 

以上

付記事項

特記事項

監査法人 EY新日本有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:-
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第71期(2023/4/1-2024/3/31)の訂正を表明。
上記の他に、以下の会計年度において同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第70期(2022/4/1-2023/3/31)1647
 第69期(2021/4/1-2022/3/31)1648
 第68期(2020/4/1-2021/3/31)1649
 第67期(2019/4/1-2020/3/31)1650

1651~1655
企業名 株式会社アドバンスクリエイト 市場 東証プライム
その内容

 上記の評価の結果、下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
(1)保険代理店事業における代理店手数料売上の計上にかかる不備
 当社は、保険代理店事業における代理店手数料売上の計上方法として、将来受け取る代理店手数料の金額を見積り、その割引現在価値合計額を売上として計上する方法(以下「PV計算」といい、PV計算により計上された売上を「PV売上」という。)を採用しておりますが、当事業年度において、当社の会計監査人である桜橋監査法人より、PV計算の結果の一部について実態との乖離が見られるため、見積りの再検証が必要であるとの指摘を受けました。そのため当社は2024年7月4日に、社外の独立した第三者である弁護士及び社外監査役から構成される調査委員会を設置し、事実関係の解明、発生原因及び問題点の調査分析を行ってまいりました。当社は、調査委員会から調査報告書及び追加調査報告書を受領し、当社においてPV計算の見積り誤りにより、過年度を含む売上高の計上誤りがあったことが明らかになりました。
 これを踏まえ、当社は、過年度の決算を訂正するとともに、2020年9月期から2023年9月期までの有価証券報告書及び2022年9月期第2四半期から2024年9月期第2四半期までの四半期報告書について訂正報告書を提出することとし、当該事象による財務報告に与える影響が大きく重要性が高いと判断し、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 
 当該不備は、会計上の不正や誤謬を防止するための内部統制が十分に機能していなかったことに起因しており、具体的な要因として以下を認識しております。
① PV計算作業の環境の整備が十分でなかったこと
② 短期間での担当者の交代及び引継が不十分であったこと

③ PV計算担当者において、決算確定までの時間的猶予が十分でない中、管理会計上のPV金額推定額と同様の金額にならなければならないとのプレッシャーを感じていたとうかがわれること

④ 担当者の申告に対して適切に検証する内部統制が十分に機能しなかったこと
 
 上記の原因より識別された全社的な内部統制、決算・財務報告プロセス及び業務プロセスにおける不備の内容については、以下のとおりと考えております。
① 全社的な内部統制における不備
  全社的な内部統制におけるPV計算に係る体制整備の検証不十分
 I. 統制環境の不備
  ・PV計算についての人員体制、マニュアル等の整備が不十分でありました。

   ・PV計算についての詳細ルールの策定や「営業収益計上細則」への記載等の体制整備が不十分でありました。

 II. リスクの評価と対応の不備

・PV計算という高度・複雑な業務に対する情報収集・情報処理・検証体制等の対応体制が不十分でありました。

 III.情報と伝達の不備
  ・PV計算についてのマニュアル・チェック体制・引継ぎ等の整備が不十分でありました。
 Ⅳ. モニタリングの不備

・PV計算結果についての検証・モニタリング体制の不足により、PV計算記録が実態と異なるケースが看過されました。

② 当社の決算・財務報告プロセスにおける不備
 I. 決算整理仕訳における次年度手数料計算に係る実在性の検証不十分

・PV計算についての情報収集・情報処理・検証体制の不足により、PV計算記録が実態と異なるケースが看過されました。

・PV計算結果についての検証・モニタリング体制の不足により、PV計算と事後的な入金結果の差異分析が不十分でありました。

③ 業務プロセスにおける不備
 I. 売上請求管理プロセスにおけるPV計算に係る実在性の検証不十分

 PV売上についての情報収集・情報処理・検証体制の不足により、PV計算記録が実態と異なるケースが看過されました。

 II. 売上回収管理プロセスにおけるPV計算に係る実在性の検証不十分
   PV計算と事後的な入金結果の差異分析が不十分でありました。
 
 当該開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は全て連結財務諸表に反映されていますが、調査委員会からの調査報告書の受領が当事業年度末日後であったこと、是正すべきPV計算の実態との乖離額の算定作業に時間を要したことから、当該開示すべき重要な不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
 
 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、調査委員会からの指摘・提言も踏まえ、以下の再発防止策を講じて適正な内部統制の整備・運用を図ってまいります。
 
(再発防止策)
① あるべきPV売上の計上方法の整理及びPV計算のための仕組みの再整備等
 Ⅰ.あるべきPV売上の計上方法の整理等
  ・営業収益計上細則の改訂
  ・代理店手数料規程の管理・運用
 Ⅱ. PV計算のための仕組みの再整備
  ・手数料計算システム及び運用の見直し

「エラーを発生させないシステムの検討」「エラーが発生した際の検証方法、修正作業の検証」及び「内部監査室によるサンプリングチェック」等下記の基本的な考え方を基に手数料計算システム及び運用の見直しを進めております。

  <新手数料計算システムの構築の基本的な考え方>

*システムの高度化を推進し、手作業の介在する余地を可能な限り排除し、システムにより効率的かつ確実に正しい計算が行われる仕組みを再構築する。
*手作業での入力が必要な場合においては入力時のダブルチェックを徹底してミスを防止する。計算結果のサンプルチェックを実施し、検証することで入力値の適正性を担保する。
*システムの高度化の前提として、PV計算の基礎となる保険契約のデータベースや代理店手数料規程の検証を継続し、会計上の見積りの精度向上を継続的に行う。
*システムエラー発生時の対応や、手数料規程や保険契約データの変更時の処理ルールを整備し、計算条件の変化が適切にPV計算に反映できる仕組みを再構築する。
*決算時にPV計算結果を検証する現状の仕組み(検証に使用する外部データや利用方法、業務内容と実施時期等)について、決算スケジュールとの関係での実行可能性も勘案して再検証し、より実効性のある業務手順への見直しを行う。

②. 適切な人員配置、情報共有
 Ⅰ.担当者変更時の引継体制の整備
  ・マニュアルの整備
  ・引継時のルールの周知、部門長による引継ぎ状況の確認の徹底
 Ⅱ. 組織及び人的体制の整備
  ・PV計算部門と経理部門における専門スキルと業務量に応じた適正な人員配置
  ・内部監査部門における内部監査や内部統制業務、他部門の各種業務に精通した人員配置
③ PV計算担当者にかかるプレッシャーの排除
 Ⅰ.PV計算手法についての見直し
   PV計算にあたって管理会計上のPV売上推定額を使用しない運用
 Ⅱ. 決算確定までの時間的猶予の確保

 従前は、手数料計算システムの基礎データとなる代理店手数料明細の入手時期が決算確定日の約20日前でありましたが、今後はPV計算の基礎データについて早期入手が可能なデータの使用を検討しつつ、手作業の介在する余地を可能な限り排除し、システムにより効率的かつ確実に正しい計算が行われる仕組みを再構築いたします。

④ 監査法人とのコミュニケーション強化

 PV計算に限らず、難易度の高い会計処理を行うに当たっては、監査法人とのコミュニケーションをこれまで以上に密に行い、認識のギャップを生じさせない体制を構築いたします。

⑤ 担当者から申告があった場合に適切に検証する仕組みの整備
 Ⅰ.担当者が上長に対して各種業務の報告・連絡・相談ができる環境の整備
  ・担当者と上長とのコミュニケーション強化
  ・社内のコミュニケーションツールの運用細則の策定
 Ⅱ. 申告方法の周知、機能強化
  ・「コンプライアンス規程」の周知
   社内においてコンプライアンス違反を発見した場合の報告ルールを周知いたします。
  ・スピークアップ制度(内部告発者保護制度)の周知・利用促進

 社内においてコンプライアンス違反を発見した際に、何らかの理由により上司への通常の報告ルートでは迅速な問題の解決が図れない場合や、そのおそれがある場合のためにスピークアップ制度を導入し、社内と社外にそれぞれスピークアップ窓口を設けております。当制度の仕組みや利用方法について、また通報が通報者自身の不利益に繋がることがないことやスピークアップ制度に限らず、取締役、監査役に対して通報、相談できることをあらためて全社に向けて周知し、何かあった際に相談しやすい環境を整えます。

 Ⅲ. コンプライアンス違反等に係る申告を適切に検証する仕組みの周知、機能強化

 「コンプライアンス規程」において、部門長は、部下よりコンプライアンス違反等不正が疑われる行為について申告があった場合、申告内容を確認のうえ、速やかにコンプライアンス担当部門へ報告することが求められております。また、部門長自身に係る事案の場合は、担当者はコンプライアンス担当部門に直接報告することになっております。報告を受けたコンプライアンス担当部門は、事実関係を調査し、別途規定する「コンプライアンス委員会規程」に基づき3ヶ月に1回開催のコンプライアンス委員会に報告を行う他、コンプライアンス委員会の内容を速やかに取締役会に報告しております。あらためて全社に仕組みや規程の内容の周知徹底を図るとともに、コンプライアンス担当部門と各部支店長との定期的な面談実施等コミュニケーションを密にし、当該仕組み及び規程が機能すべく体制を強化いたします。

⑥ 業務監査及び内部統制(J-SOX)監査の強化
 Ⅰ.内部監査室における内部統制(J-SOX)監査を担当する人員の補強等
   経理経験者の配置や監査に必要な財務会計知識・内部統制知識の習得を図る研修会等の実施
 Ⅱ.内部統制(J-SOX)監査における各業務プロセスの不正リスクを勘案した視点での再検証

 PV計算において、PV計算手法の見直しに関する検討に参加し、実効性のある統制を構築のうえ、あらためて監査範囲、頻度、対象等見直しを進めてまいります。特にシステム化が困難で人の手を介在させなければならない部分については、定期的かつ発生時ごとにルールの整備及び運用が適切であるか等モニタリングするとともに、PV計算結果及びPV売上について独自にサンプリングチェックし検証体制を強化いたします。

 Ⅲ.発見的統制の強化、エラーや不備等を通じた間違いの早期発見、改善する体制の構築
 Ⅳ.定期的な社内アンケートの実施

 会計処理に関する誤謬や不正の事実や兆候を早期に発見できるよう、内部監査室による定期的な社内アンケートを実施し、従業員の気付きや兆候情報を積極的に収集いたします。

⑦ コンプライアンスの推進
 Ⅰ.会計コンプライアンスマインドの醸成・浸透

 経理業務に関する規程や倫理規程、コンプライアンス規程等について、集合研修やCMS研修を適宜実施し、具体的かつ本質的な理解に繋げてまいります。

 Ⅱ. 定期的な啓発活動
  ・コンプライアンスチェックリストの実施

 半期に1回、規程や潜在的なリスクの確認、コンプライアンス推進度合いの確認を目的として、コンプライアンスチェックリストによる定例報告と、回答結果を基にしたコンプライアンス担当部門からのフィードバック面談を実施しておりますが、各業務についてより細部まで確認できるよう質問項目を見直し、従業員が積極的にリスク感性を高められる組織風土を形成しコンプライアンス推進を活性化させます。

  ・コンプライアンス通信の発行

 従業員のコンプライアンス意識の向上、不備事案の共有、関連法令や規程の周知を目的に発行しているコンプライアンス通信の発行頻度を高め、従業員の当事者意識の向上と本質理解に繋げます。

 Ⅲ. 各種事案発生時の指導

 当社では事務過誤やお客様の声等、各種不備事案発生時、当事者に対して反省と再発防止を促すための指導や面談を実施しておりますが、該当事案のみならず対話型のコミュニケーションを通じて、土台となるコンプライアンスマインドや倫理観の醸成に繋げられる指導を行います。

⑧ ガバナンス体制の強化
 Ⅰ.取締役会の機能強化
  ・リスクマネジメントの観点についての強化

 PV計算に限らず財務会計上の難易度の高い会計処理といった経営に重要な影響を及ぼす業務を行う際には、重要なリスクを洗い出して、評価及び分析をした上で、リスク回避・リスク軽減策を策定する等、業務担当部門だけでなく取締役会においても十分に議論して判断することといたします。

  ・内部監査部門によるモニタリング結果の定例報告

 月に1回開催される定時取締役会に、今回定めた再発防止策の整備、運用状況や、その他重大事案に繋がりかねないリスクの有無等、内部監査部門がモニタリングを行った結果を報告し、取締役会が現場の状況を把握しやすい体制を整えます。経営からも適宜意見や牽制を行うことで、経営と現場での双方向型のコミュニケーションを増やし、ガバナンス体制のより一層の強化を図ってまいります。

 Ⅱ. ガバナンス委員会の機能強化

 当社では取締役会の諮問機関として、社内委員と弁護士で構成されるガバナンス委員会を設置しております。前項のとおり、今後取締役会において、経営に重大な影響を及ぼす業務を開始または改定する際等には、リスクマネジメントの観点から十分な議論がなされ、コーポレートガバナンスの継続的な充実を図れているかについて、ガバナンス委員会で協議し提言を行ってまいります。

 
(2)連結子会社の株式会社保険市場における不備

 連結子会社の株式会社保険市場において、当事業年度の末日後の会計監査の過程で、メディア事業及びメディアレップ事業の売上の一部について計上誤りがあったことが明らかになりました。当該誤りが財務報告に与える影響が大きく重要性が高いと判断し、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。全社的な内部統制、決算・財務報告プロセス及び業務プロセスにおける不備の内容については、以下のとおりと考えております。

① 全社的な内部統制における不備
 Ⅰ.統制環境の不備
  ・収益認識の会計処理判断に必要十分な情報が、経理部門に共有される仕組みの検証不十分

 当該誤りは、広告掲載枠の確保・提供により履行義務が充足される取引の一部について、顧客との契約内容の変化に関する情報が営業部門から経理部門に適切に連携されず、根拠証憑が不十分であったため従来型の取引が継続しているものと誤認した結果、決算数値の確認手続が十分に実施されなかったことによるものです。注文書等詳細な取引の根拠証憑の検証体制が十分ではありませんでした。

② 決算・財務報告プロセスにおける不備
  ・決算処理事項に必要な情報を組織的に収集する仕組みの検証不十分
   決算処理を行うにあたり、注文書等詳細な取引の根拠証憑の検証体制が十分ではありませんでした。
③ 業務プロセスにおける不備
 Ⅰ.売上計上の会計処理における根拠証憑に係る検証不十分

 売上報告及び売上計上の会計処理を行うにあたり、注文書等詳細な取引の根拠証憑の検証体制が十分ではありませんでした。

 
 当該開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は全て連結財務諸表に反映されていますが、当事業年度末日後に判明した不備であったため、当該開示すべき重要な不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
 
 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、以下の再発防止策を講じて適正な内部統制の整備・運用を図ってまいります。
 
(再発防止策)
① 収益認識の会計処理判断に必要十分な情報が、経理部門に適時適切に共有される仕組みの整備

 顧客との契約内容や状況変化時の事前相談ルールの整備、売上計上の根拠証憑の見直し等、収益認識の会計処理判断に必要十分な情報が事業部門から経理部門に適時適切に共有される仕組みを整備いたします。

② 売掛金の回収管理と延滞債権管理の強化

 売掛金の回収管理と延滞債権管理を通じて、実態と会計処理の乖離を早期に発見できるよう検証体制を強化いたします。
付記事項

 「3 評価結果に関する事項」に記載した開示すべき重要な不備を是正するために、当事業年度の末日から内部統制報告書の提出日までに、以下の措置を実施いたしました。今後も引き続き再発防止策の実行を推進してまいります。
 
(再発防止策の実施状況)
 ① 適切な人員配置、情報共有

・PV計算部門(事業戦略室)に、2025年2月1日付で保険会社との折衝経験が豊富にあり、各社の手数料規程やPV計算業務に精通した人員を配置いたしました。
・経理部門(総合企画部)に、部門の担当業務について範囲と効率性を検証のうえ、2024年10月1日付で必要な人員を配置し増強を図っております。また、各種業務マニュアルの作成や担当者の研修を進めております。
・内部監査部門(内部監査室)に、2024年12月1日付で過去に内部監査室に在籍していた経験があり、社歴が長く内部統制業務や他部門の各種業務に精通した人員を配置いたしました。

 ② 担当者から不正が疑われる行為について申告があった場合に適切に検証する仕組みの整備

 2025年2月14日「スピークアップ制度について」をテーマとするコンプライアンス通信を発行し、コンプライアンス規程をはじめとした各種規程の内容、コンプライアンス違反等を発見した際の報告ルールやスピークアップ制度の仕組みについて周知・利用促進を図りました。
特記事項

該当事項はありません。

監査法人 桜橋監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第28期(2022/10/1-2023/9/30)1652
 第27期(2021/10/1-2022/9/30)1653
 第26期(2020/10/1-2021/9/30)1654
 第25期(2019/10/1-2020/9/30)1655

重要な手続きが実施できないと表明した企業

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