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2024年3月公表「内部統制報告書」記載内容集計表

投稿日時:2024年04月01日(月)

 2024年3月1日以降、3月31日までに公表された内部統制報告書について、「有効である」という結論以外となる報告書を提出した企業及びその内容は次のようになっています。

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業
17
重要な手続が実施できないと表明した企業
0

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業

1469~1470
企業名 Abalance株式会社 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告の適正性に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社の連結子会社であるWWB株式会社と太陽光発電所の建設工事業者との間の一部の取引において有償支給取引が行われており、収益認識に関する会計基準の適用指針(企業会計基準適用指針第30号)に照らすと売上及び売上原価が誤って計上されていることが判明いたしました。
 過去の類似取引を調査した結果、類似取引が存在することが判明したことから、過年度の決算を訂正するとともに、2022年6月期から2023年6月期までの有価証券報告書について、訂正報告書を提出いたしました。
 また、当社監査等委員会による調査の結果、当社の社外取締役より以下のような内部統制上の不備が指摘されました。
 

(1) WWB株式会社の事業部において有償支給取引の会計処理にかかる理解が十分ではなかったこと。

(2) 当該有償支給取引にかかる必要な情報がWWB株式会社の事業部と当社経理部の間で十分に共有されず、結果的に当社経理部の当該取引に関する理解が十分でなかったため、当社経理部において当該取引が有償支給取引に該当すると判断出来なかったこと。また、監査法人に対して本件取引に関する重要な情報が網羅的に開示されなかったこと。

(3) 一部の連結決算担当者に業務が集中し、会社の連結決算が機械的に処理されていたことにより、有償支給取引にかかる会計処理が適切に行われなかったこと。

 
 これらの不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いものであると考えられるため、当社の連結財務諸表作成プロセス(決算財務プロセス)に関する内部統制において、財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備につきましては、当該事項の判明が当事業年度の末日後であったため、当事業年度の末日までに是正することができませんでした。また、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、すべて財務諸表に反映いたしました。
 
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を強く認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するために、監査等委員会からの指摘・提言も踏まえ、以下の再発防止策を策定・実行し、適切な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。
 
(再発防止策)
 (1) 有償支給取引に関する経理通達の策定及びその周知徹底
  ①有償支給取引に関する経理通達の策定
  ②有償支給取引にかかる業務プロセスの整備及び運用
  ③有償支給取引の会計処理に関する社内研修会の開催
 
 (2) 有償支給取引に関する事業部及び経理部との情報共有化

①プロジェクト開発部の開発案件ごとの詳細(部材支給の有無等)のワークフローでの承認等による情報の共有化

②プロジェクト開発案件等について検討を行う投資委員会への当社経理部長の出席及び入手した情報の当社経理部内での共有化

 
 (3) 管理部門における人員の拡充及び役割分担の適正化
  ①良質な人材の確保
  ②当社経理部及び当社経理部内の職務分担の明確化並びに適正化

以 上

以 上

付記事項

特記事項

監査法人 アスカ監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第23期(2021年7月1日~2022年6月30日)の訂正を表明。
その他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第23期(2021年7月1日-2022年6月30日)1470

1471
企業名 株式会社ダイレクトマーケティングミックス 市場 東証プライム
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備であると捉え、当事業年度末時点における当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社の連結子会社である株式会社マケレボにおいて、特定の取引先(以下「本件顧客」といいます。)との一部の取引(以下「本件取引」といいます。)に関連し、過年度決算において請求した報酬金額が過大となっていた可能性が判明したため、2023年7月18日に外部専門家(弁護士及び公認会計士)を含む特別調査委員会を設置し、調査を進め、2023年10月13日に特別調査委員会から調査報告書を受領いたしました。
 特別調査委員会により、本件取引に関する事実関係や、当社の連結子会社のうちコンタクトセンター業務の受託を主たる事業とする子会社各社(以下「対象子会社」といいます。)における類似する事案の有無について調査・検討が行われた結果、本件取引以外には類似の事案は認められないと判断されております。また、当社としても過年度における類似事案の有無の確認のため、2017年12月期以降の対象子会社の取引について一定の条件の下、契約ごとに、その内容、業務遂行状況や管理状況の点検を実施しました。この結果、過年度訂正を要するような事案は認められないとの判断に至りました。
 しかしながら、当該点検の完了には2か月かかっており、このような長期間にわたる検証を行わなければその判定が不可能となるような事態を招来したことそのものについて、改善すべき余地があったと判断しております。公正かつ透明な企業運営が特に期待される上場企業において、特別調査委員会からは、本件不適切行為を早期に発見することができなかったなどの指摘を受けております。
 当社は、調査報告書で判明した事実やこれらの指摘を踏まえ、当社の全社統制及び当社の業務プロセスに係る内部統制の再評価を行った結果、これらの疑義や事態を招いた背景には、本件顧客との取引についてのリスクの評価と対応における不備、適切な財務報告のための社内外への情報共有の不足といった情報と伝達における不備、管理部門及び内部監査等のモニタリングにおける不備、並びに契約条件及び契約書類等に関する管理の不足といった業務プロセスにおける不備があったものと認識しております。
 また、これらの不備は、当社の財務報告に潜在的に重要な影響を及ぼす可能性が高いものと考えられるため、これらの全社統制及び当社の業務プロセスに係る内部統制について、財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
これらを是正するために、主に以下の再発防止に向けた改善施策を実施しております。
 
1 契約遵守を含めたコンプライアンス意識の向上のための措置
(1)経営陣によるコンプライアンス優先方針の明確な表明
(2)役職員に対するコンプライアンス教育の実施
 
2 適切な業務実施のための措置
(1)証跡の適切な作成・保存等
(2)合意内容の明確化
(3)必要経費を適切に反映した合理的な報酬
(4)契約の確認と契約の承認手続の充実
(5)ログインIDの適切な管理
 
3 人事評価制度の見直し
(1)コンプライアンスをより重視した人事評価制度設計の検討
(2)営業成績の評価方法の再検討
 
4 内部統制上の見直し
(1)ディフェンスラインの2線を統括する部門として、内部統制室の設置
(2)子会社の管理部門における営業部門チェック体制整備の検討
(3)各部門の自己評価を踏まえた内部監査室の監査の充実化
(4)コンプライアンスを明確にした内部通報制度の浸透
 
 しかしながら、当社の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備につきましては、当事業年度の末日までに十分な期間を確保する事ができなかったため、全ての是正を完了することができませんでした。なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、すべて財務諸表に反映いたしました。
 当社は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性を認識しており、引き続き改善に向けた取り組みを実施し、適切な内部統制を整備・運用する方針であります。

付記事項

付記すべき事項はありません。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 EY新日本有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1472~1476
企業名 ICDAホールディングス株式会社 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。従って、当連結会計年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、2023年11月から実施された当社子会社に対する税務調査及び社内調査の過程で、当社元役員が2016年4月から2023年10月までの期間において、中古車の買取取引等を利用して金銭の着服を行っていたことが判明したため、2024年2月1日、特別調査委員会を設置の上、調査を進めてまいりました。
 当社は、特別調査委員会から2024年3月13日に調査報告書を受領し、元役員が上記期間において、名義貸しによる車両買取契約書を作成し、当該車両買取契約書に記載する買取価格を市場価格より高い価格で買取りし、当該買取金額の全部又は一部を不正に着服する行為を行っていたこと、及び修繕業者と結託して、適正価格よりも高額な請求額を当該修繕業者に請求させ、工事代金の一部を不正に着服していたこと(以下、「本件不正行為」といいます。)が判明いたしました。
 当社は、本件不正行為が会計処理に与える影響は限定的であるため、過年度の決算の訂正は行わず、2024年3月期第3四半期の連結財務諸表に反映しております。
 しかしながら、当社は、調査報告書で判明した事実やこれらの報告を踏まえ、当社の全社的な内部統制の再評価を行い、以下の内部統制の不備を認識しております。
 
 (全社的な内部統制について)

① 中古車事業部において元役員対して事業遂行が一任された状態となっており、他の役員による実効的なチェックが機能しなかったこと。

② 中古車両の取得の決裁権限が担当取締役にあるとされていたものの、当該権限が決裁権限一覧表に明記されておらず、本件不正行為に係る中古車両取得の関連書類が元役員以外に回覧されなかったこと。

③ ①に関連し、中古車事業部において、経営者による内部統制が無効化されるという特殊な状況に関するリスク評価が不十分であったこと。特に、当社では本件不正行為のスキームを想定しておらず、車両買取契約書の名義人と実際の買取車両の名義人が異なる可能性を考えていなかったことから、内部監査におけるチェック項目として、車両の買取時に、実際の買取車両の名義人に係る車検証が添付されているということが挙げられていなかったこと。

④ 内部通報制度に関する従業員の認知度や信頼性が低く、当該制度の浸透度が低かったこと。

 
 当社は、これらの不備は財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。なお、上記事実は当連結会計年度末日後に発覚したため、当該不備を当連結会計年度末日までに是正することができませんでした。
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するために、特別調査委員会からの報告・提言も踏まえ、以下の再発防止策を講じてまいります。
 
 (再発防止策について)

① 当社では、今後、広範な業務執行を特定の役員に一任することはしないこととし、当社の取締役会においては、各取締役が忌憚なく意見を述べ質問することができるように議長が工夫をして取締役会の進行を行うこととする。

② 内部通報窓口として社外監査等委員の連絡先を加えることで、何らかの問題が生じた場合には従業員が社外監査等委員に直接内部通報をし、独立した立場にある社外監査等委員から取締役会等で問題提起をすることができるようにすることとする。

③ 全ての役員に対して、本件不正行為を踏まえたコンプライアンス研修を毎年実施することとする。また、全従業員に対して、全従業員が参加する社員大会において本件不正行為を踏まえたコンプライアンス研修を毎年実施することとする。

④ 中古車の買取時ないしは下取時において、各拠店ないしは中古車事業部において、実際の買取車両の車検証の写しを保管することを義務付けるとともに、その承認手続において車両買取契約者と実際の買取車両の名義人が完全に一致するか否かについて確認を行う。また、これを内部監査におけるチェック項目にも追加し、なりすましによる契約を防止することとする。

⑤ 全ての役員及び従業員が必携する社員手帳に内部通報制度及び「内部通報窓口」を掲載するとともに、全社員が参加する毎年の社員大会において内部通報制度を周知する時間を設け、その時に匿名での通報又は調査も可能であること等を説明することとする。

 

以上

付記事項

特記事項

監査法人 五十鈴監査法人 監査意見

財務諸表監査:-
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第14期(2022年4月1日~2023年3月31日)の訂正を表明。
その他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第13期(2021年4月1日~2022年3月31日)1473
 第12期(2020年4月1日~2021年3月31日)1474
 第11期(2019年4月1日~2020年3月31日)1475
 第10期(2018年4月1日~2019年3月31日)1476

1477~1478
企業名 リネットジャパングループ株式会社 市場 東証グロース
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断しました。
 

 
 当社は、2023年11月から実施されました当社のカンボジアにおける連結子会社であるCHAMROEUN MICROFINANCE PLC.(以下「チャムロン社」)の内部監査により、チャムロン社の特定支店において複数の架空融資が行われている疑いについて報告がありました。チャムロン社では本来存在しない架空融資残高が発生していた可能性があること、これらが不正な方法で行われていたことが判明しました。これを受けて、チャムロン社で2023年12月より公式に開始された内部調査に加え、2023年12月29日からは現地カンボジアにおける独立した外部調査を開始、更に2024年1月5日より、日本において外部且つ独立した有識者(弁護士、公認会計士等)による調査を開始し、それら調査を統合した日本における独立した有識者の総括により2024年3月25日に調査を完了しております。
 これら一連の調査の結果、チャムロン社の1支店(以下「PMR支店」)において、支店長を含めた支店ぐるみで、存在しない債務者、取引終了した元債権者、過去の融資謝絶先等の名義を虚偽で使用し、不正な架空融資案件を偽造し、融資手続を行っていたことが確認されました。また別の1支店(以下「SAG支店」)においても、複数の融資担当者により、不正架空融資案件を偽造し、融資手続を行っていたことが確認されました。なお、調査の結果、当該2支店以外で架空融資が行われた事実は確認されませんでした。
 
本件事案はいずれも、下記の点に原因があるものと認識しています。
 現金を多く取り扱う等の、業務の特質に起因する特異な環境(営業貸付金の貸付プロセスの不備)
 チャムロン社の統制の下では、融資実行時に必要とされる手続き(借入顧客は原則としてチャムロン社の各支店に直接来店し、本人確認を含めた必要手続きを行うこと)が原則とされているのに対し、本事案の太宗を占めるPMR支店では、当該支店の特性(例外的に広域地域を担当するため顧客の来店が困難な地域が多い)により、支店外において融資契約・融資実行が現金にて行われること(所謂、店外出納)が例外的にポリシーとして認められていたことにあります。
 店外出納については、厳格なチェックが内部統制に基づく手続きでは求められていたものの、実際にはPMR支店では支店長以下支店のほぼ全員が共謀して不正融資の実行を行っていたことから、融資実行時に統制として行われる適切な業務運営が為されなかったものであります。
 一方で、チャムロン社においては、融資業務に必要な社内規程である与信ポリシーはもとより、リスク管理規程、内部監査規程等、内部統制やコンプライアンスに関する種々の規程も整備され、また、カンボジア国立銀行(NBC)に認可された金融機関としてNBC規則(Prakas)により、専門性と独立性のある監査委員会の設置が義務づけられ、同委員会の下部組織としての監査部も設置・運営されておりました。そのほか、リスク管理委員会等の会議体も設置され、実際に運営されているなど、一定の規程や組織整備が行われてきたこと、今般の調査により、上記2支店以外の各拠点では、いずれの拠点においても同様の不正は発見されず、また、内部統制の不備の存在も特段発見されませんでした。
 従って、今般の不正につきましては、PMR支店における支店長以下支店ぐるみの特異な事案、及び派生的に発見したSAG支店の個人の不正という結論に至りました。
 
 以上の本件事案より確認された不備は、チャムロン社の営業貸付金プロセスに係る内部統制の不備であり、当社の財務報告に重要な影響を及ぼすことから、開示すべき重要な不備に該当するものと判断しました。
 また、上記事実の判明は当事業年度期末日以降となったため、当該開示すべき重要な不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を強く認識しており、調査を踏まえ、以下の通り、チャムロン社の再発防止策を設定・実行し、適切な内部統制の整備・運用を図ってまいります。
 
チャムロン社における融資実行・管理に関する手順・規定の刷新
a 融資担当者を含む採用時の適性確認強化(履歴・保証能力ほか)
b 融資実行時の本人確認、周辺確認、資産状況その他信用状況確認の強化
c 融資実行時、一定のサイクルにおける融資・審査書類の定期レビューの強化
d コールセンターの設置・拡大による融資実行時の第三者確認の強化
e 店外管理・顧客訪問におけるGPS座標記録その他記録の整備
f 全借入人のコンタクト情報、その他情報の定期レビューとアップデート
g 延滞顧客管理の強化(回収専門ユニットの創設、悪質債務者への警察介入の拡大)
h 他金融業者の利用について行動規範強化と従業員モニタリングの強化
i 融資担当者の担当地域見直し(広域担当の廃止・見直し)
j 内部通報制度の更なる拡充及び周知
 
 なお、当事業年度末日時点において開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、すべて財務諸表及び連結財務諸表に反映しております。
 

以上

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 PwC Japan有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第23期(2021年10月1日-2022年9月30日)1478

1479
企業名 株式会社テクノフレックス 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。したがって、当連結会計年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。

 
 当社連結子会社において、複数年にわたり外注先との間で架空の取引等が発生している可能性が判明しました。これをうけ、当社は2024年2月5日付で特別調査委員会(外部の独立した第三者である弁護士及び公認会計士を含む)を設置して調査を開始し、2024年3月26日に同委員会より調査報告書を受領しました。その結果、当該連結子会社において、得意先及び外注先との間で架空の取引に係る代金の受領及び支払がなされていた事実が判明しました。
 
 当該事実は、当社において、連結子会社に対する管理・監督が不十分だったことについて全社的な内部統制の不備があったこと、当該連結子会社においてコンプライアンス意識が欠如していることをはじめとした全社的な内部統制に不備があったこと、適切に作成・承認された証憑に基づき会計処理を行うことや、取引先等の状況及び取引内容に対するチェック機能の重要性を軽視している等の決算・財務報告プロセス、販売管理プロセス、工事管理プロセス及び購買管理プロセスに不備があったことによるものと判断いたしました。これらの内部統制の不備が財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
 上記事実は当連結会計年度末日後に発覚したため、当該不備を当連結会計年度末日までに是正することができませんでした。
 なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、全て連結財務諸表に反映しております。
 
 当社グループは、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するため、再発防止策を立案・実行し、当社グループにおける内部統制の適切な整備・運用を図ってまいります。

付記事項

付記すべき事項はありません。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 三優監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1480
企業名 株式会社FHTホールディングス 市場 東証グロース
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。したがって、当事業年度末日時点において当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。

 当社グループは、第30期の期末決算手続の過程で、新しい事業であるリユース事業において、一部の取引処理について会計監査人より指摘を受けました。これは、業務委託取引の一部の購買及び支払いプロセスにおける手順の見直しが必要であることを意味しています。その指摘を受けて、我々は内部統制のプロセスを見直し、改善に向けた取り組みを始めていました。しかしながら、当該問題の発見が会計年度後であったため、すぐに全てを完璧に是正することは難しく、本報告日までには対応を完了できませんでした。
 なお、会計監査人より指摘を受けた事項のうち修正が必要なものはすべて財務諸表及び連結財務諸表に反映しております。
 当社は、財務報告の正確さと透明性を確保するため、内部統制の強化とその効果的な運用を常に心掛けています。指摘された問題は、我々にとって重要な学びであり、今後はより迅速かつ効果的な改善措置を講じ、適切な内部統制を整備し運用していく方針であります。

付記事項

付記すべき事項はありません。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 監査法人アリア 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1481~1483
企業名 株式会社グッドスピード 市場 東証グロース
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすことになり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度の末日時点における当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしました。
 

 
 2023年8月31日に金融庁が当社の会計監査人に対して、金融庁の公益通報窓口に「当社が売上の先行計上の不正を行っている。」という通報があったことを伝えたことを契機に、売上計上時期の適切性について社内で検討した結果、専門的かつ客観的な調査が必要であるとの判断に至り、2023年10月6日に利害関係を有しない外部専門家4名から構成される第三者調査委員会を設置し、調査を行い、2024年1月4日に第三者調査委員会から調査報告書を受領いたしました。
 当該調査の結果、売上計上時期に関する不適切な会計処理が行われていた事が判明しました。このため、当社は過年度の決算を訂正し、2021年9月期及び2022年9月期の有価証券報告書、2021年9月期第1四半期から2023年9月期第3四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出することといたしました。
 また、第三者調査委員会からは上記の発生原因として、売上計上時期に関する不適切な会計処理が慢性化していた状況に鑑みると、一個人や一部署内の問題にとどまらず、営業偏重の企業風土や、行為者間に共通するコンプライアンス意識にかかる問題及び売上計上時期に関する不適切な会計処理を止めることのできなかった組織上・内部統制上の問題等の指摘を受けております。
 これらの事実は、当社グループの統制環境やリスクの評価と対応、統制活動やモニタリング体制等に不備があり、全社的な内部統制が機能しなかったことによるものと認識しております。また、全社的な財務報告プロセス及び業務プロセスにも不備があったと認識しております。
 当該内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 また、上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備が、当事業年度の末日までに是正されなかった理由は、当該重要な不備の判明が事業年度の末日以後になったためです。
 なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、全て財務諸表及び連結財務諸表に反映しております。
 当社グループは、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、第三者調査委員会からの指摘・提言も踏まえ、以下の改善策を講じて適正な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。
 
・役員の意識改革等
・役員の権限の適切な分配
・内部監査部門の組織体制の再整備等
・コンプライアンス意識の抜本的かつ全社的な改革
・インセンティブ報酬制度の見直し
・財務諸表及び客観的な納車確認のための仕組みの整備
・内部通報制度の周知徹底等
・営業偏重の企業風土からの脱却

付記事項

 評価結果に関する事項に記載された開示すべき重要な不備について、当事業年度末日後、内部統制報告書提出日までに、是正措置を実施しております。是正措置の内容は、2024年3月22日付け「関連当事者取引及びオプション販売に係る追加調査結果 並びに再発防止策に関するお知らせ」にて公表しており、その主な内容は、以下の通りとなります。
 
1.役員の意識改革と牽制機能の強化

・当社グループにおける売上の先行計上は、長年にわたり役員主導のもとに行われ、多数の役職員が関与ないし認識しており慢性化しておりました。また、業務執行取締役相互の監視・牽制機能も完全に無効・形骸化しておりました。

・業務執行取締役は株主から選任されている自覚を持ち、自らの役割・責任を再確認いたします。不適切な処理の主導や指示に従うことがないよう、外部専門家のアドバイスを受け構築する役員研修の受講を通じて、取締役としての役割・責任を理解し、自己研鑽を重ねてまいります。

・内部統制システムを適切に機能させ情報収集を行うため本部長以上及び内部監査部長、コンプライアンス部長が出席する執行役員会の開催を2024年2月より開始しております。毎週開催とし、執行役員会で各部門の課題を共有し忌憚のない協議を行うことにより、従来の営業偏重ではない、風通しがよく自由闊達な協議ができる企業風土を構築し、業務執行取締役及び執行役員が相互の監視・牽制を行う場として運営いたします。

・コンプライアンス強化を推進するため2024年2月より管理本部内にコンプライアンス部を新設し、再発防止策の計画作成及びその実行並びに各部門で導入する仕組みが有効に機能しているかの確認を行ってまいります。

2.監査等委員の監督強化

・前任の常勤監査等委員は、店舗における車両納品確認書の偽造について指摘しており、当該指摘が行われていることは現任の監査等委員も認識していましたが、指摘事項の是正状況について継続的に調査や確認を行わず、本来求められる監督機能を果たすことができませんでした。

・監査等委員会の監査方法と関与の在り方を再検討いたします。監査等委員会は、毎月の活動状況を取りまとめた月次監査報告書を作成し、重点的に取り組んだ事項や発見事項、改善点等につき、定例的に代表取締役社長と情報共有を行ってまいります。2024年2月より人員・体制を強化した内部監査部門を監査等委員会直下の兼任の補助使用人として活用し、本部や店舗の監査結果を共有し、よりきめ細かいチェック体制を構築いたします。

・監査等委員会は、監査実施報告書に基づき、年度ごとの重点監査項目と取締役の職務執行について報告・議論し、業務適正確保のためにコミュニケーションを強化し、内部監査部門の監査項目を見直して業務全体の改善を図ってまいります。

3.役員の権限の適切な配分

・当社の役員間において上司と部下の関係は、上司に絶対に従わなければならない営業偏重の社内風土になっていたことにより、売上の先行計上において他部署の協力及び関係各部署における不適切な事務手続きが行われておりました。

・取締役間の上司・部下、評価者・被評価者の関係を避け、相互の監督・監視を強化するため、取締役の業務分掌の見直しを行います。

・指名・報酬諮問委員会は、取締役の評価に用いる客観的で合理的な基準及び体制を整備いたします。

・取締役の就任後の評価には、業績や貢献度、相互の監視・牽制機能の遂行などを客観的かつ合理的に評価する基準を設け、指名・報酬諮問委員会が判定し、取締役会が評価を決定いたします。

4.内部監査部門の体制強化

・内部監査部門の体制強化 ・内部監査部門において、内部統制上の不備を発見した場合も営業部門からの干渉を受け報告しないなど、監視・牽制機能が有効に発揮されていなかったことから、内部統制システムを適切に構築することができませんでした。

・内部監査部門の独立性を確保し、監視・牽制機能が有効に働くような体制整備を目指してまいります。

・2024年2月より内部監査部門の人員を1名増員し、部長と課長の2名体制で内部監査を行い、監査機能を強化いたします。

・内部監査を組織的かつ実効性あるものとし、内部監査部門と監査等委員会の連携をより強化するため、実務については内部監査部門を監査等委員会の直下に置き、体制及び内部監査計画の見直しを行ってまいります。

5.コンプライアンス意識の改革

・売上の先行計上は、長年にわたり継続的に行われており、一部役職員は違法性ないし不正を認識しつつも、目標予算達成に必要な利益を確保するために不適切な対応が全社レベルで行われておりました。

・コーポレート・ガバナンスを回復するために、役職員がルール遵守の意識を持つ環境を構築いたします。具体的には幹部向けのコンプライアンス研修プログラムの設立、全従業員向けのコンプライアンス研修動画の提供、研修後の理解度テストなどを、継続的に行います。

・不適切な取引を防ぐため、監査等委員会、内部監査部門、管理本部が各種法令及び会社諸規程等の実行性と有効性を監修し、違反者への処分案をコンプライアンス委員会で決定し、取締役会で審議いたします。

6.インセンティブ報酬制度の見直し

・店長以下の営業社員は、月次の目標を達成した場合にインセンティブが付与されていました。

・営業成績に偏重したインセンティブ報酬制度からの脱却を前提とし、ルール遵守やサービス品質に焦点を移したルールへと見直しを行います。見直しを行ったルールはコンプライアンス委員会にて内容を監修し、取締役会にて審議いたします。また、見直しは継続的に実施してまいります。

7.売上計上に係る仕組みの整備

・売上計上は、車両納品確認書に記載の納車日に基づき経理処理担当が納車日を入力することで完結となります。しかし、販売担当者が車両納品確認書に実納車日と異なる日を納車日として記入しておりました。

・売上計上に係る書類偽造を防止し、偽造が発生した場合直ちに検出される仕組みとして、客観性を有するシステム的な確認方法を2024年3月下旬より導入いたしました。2024年4月より内部監査部門の監査項目の一つといたします。

8.内部通報制度の周知徹底

・当社グループでは、内部通報制度は既に導入されておりましたが、従業員等に内部通報制度の重要性と窓口の周知徹底を行うと同時に、周知時のアナウンス表記を改善し、利用を促進してまいります。

・2024年3月より当社から完全に独立した相談窓口(日本公益通報サービス株式会社)を新たに設置し、従業員等に積極的な周知を行ってまいります。

9.営業偏重の組織風土からの脱却

・売上先行計上において、営業部門の指示・判断に従わざるをえない、営業偏重の企業風土が醸成されておりました。また、高い予算数値により、営業部門へ過度なプレッシャーが掛かっておりました。

・経理部など管理部門や内部監査部の意見を尊重する組織風土の構築に取り組んでまいります。営業中心の風潮から転換し、執行役員会での協議を通じて議論を促進いたします。

・予算に対する過度なプレッシャーを軽減するため、予算編成プロセスを変更いたします。各部門からボトムアップで提出させた後、予算編成及び進捗予想は外部専門業者に委託し、客観的な適正性評価を受けた後、取締役会で審議いたします。

10.利益相反取引を含む関連当事者の監視

第三者調査委員会の調査報告書において、法令上必要な取締役会の決議を経ることなく、代表取締役社長が会社との利益相反取引を行っており、コンプライアンス意識が欠如していたと認められるとの指摘を受けております。

・代表取締役は、会社と個人との利益相反取引と決別し、原則今後一切の利益相反取引を行わないこととし、取引が発生する場合は取引実行前に正しく取締役会での承認がなければ実行しないルールの運用を行います。

・関連当事者等取引管理規程の改定により、主管部署を経営戦略部から経理部に変更し、主管部署は売上管理システムから会計システムへ取り込むために出力するファイルと関連当事者リストを突合し、会計システムに取り込む前に関連当事者取引の有無確認による調査の厳格化や報告・照会手続きの明確化を行います。

・監査等委員会は、監査の一環として実施中の取締役職務執行確認書(取締役の在職期間を通じて利益相反取引等の法令遵守を中心とした自己の確認書類)と関連当事者リストに記載された取引内容を突き合わせ、関連当事者取引及び利益相反取引が取締役会の承認を得ているかについて、事後確認を行います。

・取締役管理本部長、内部監査部、監査等委員会で、利益相反取引の取締役会への付議状況及び役員の利益相反取引の発生について、定期的に確認・監視を行う仕組みを導入いたします。

11.オプション費用の無断付帯

第三者調査委員会の調査報告書において、車両購入時にパーツ、用品等の追加装備品又は追加サービスにかかる費用である、オプション費用が無断付帯されているとの指摘を受けております。

・原因分析及び再発防止策については、本件発生の原因としましては高い予算設定をした事により過度なプレッシャーを感じさせてしまった目標設定プロセスと、システムの契約内容を変更できる権限を役職者以外にも保持させていた為に安易に変更できる環境であった事であります。

・再発防止策として、2024年2月に契約内容の変更権限を部長以上の役職者に限定し、個人の判断で変更できないようにいたしました。今後につきましては、3ヶ月に1度、部長以上のログインパスワードを強制的に変更しIDの流用防止を行います。また再発防止策の実効性を確認するために、システム課が主管部署となり2024年4月より3ヶ月に一度、不正なID使用が無いかPCログのシステムチェックを行うとともに、経営戦略部が主管部署となり、2024年3月より毎月、注文書とシステム入力内容の差異が無いか一定量継続して調査していきます。

12.経営責任の明確化

・2024年1月30日付け「取締役の辞任及び役員報酬の減額に関するお知らせ」で公表のとおり、経営責任の明確化を図るため、取締役3名が辞任いたしました。また、第三者調査委員会の調査報告書の提言内容を厳粛に受け止め、経営責任の明確化を図るため、代表取締役は売上先行計上を認識しておらず直接関与していないことから、月額報酬の50%を3ヶ月間減額することを指名・報酬諮問委員会の答申に基づき、取締役会にて決議いたしました。前記開示当時進めておりました関連当事者取引調査は完了しており、調査結果及び既に実施済の処分内容等を踏まえ社内で検討した結果、追加処分等はございませんでした。

13.再発防止委員会の設置

・上記それぞれの再発防止策が遅滞なく実行されること、監査等委員会監査及び内部監査並びに会計処理が適正に運用されていることをモニタリングするため、今般新たに、取締役管理本部長を委員長とし、委員として監査等委員、コンプライアンス部長、内部監査部長、経営戦略部部長の6名で構成した社内で「再発防止委員会」組織を設置いたします。また、コンサルティング会社などの助言を頂きながら進捗管理並びに再発防止に努めます。再発防止策の進捗は、適時開示してまいります。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 監査法人A&Aパートナーズ 監査意見

財務諸表監査:意見不表明
内部統制監査:意見不表明

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第20期(2021年10月1日-2022年9月30日)1482
 第19期(2010年10月1日-2021年9月30日)1483

1484
企業名 株式会社和心 市場 東証グロース
その内容

 上記の評価の結果、下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備について、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性があるため、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって当該事業年度末日(2023年12月31日)時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。

 当社グループでは、当事業年度の決算短信発表後の会計監査の過程で、決算短信の数値等に複数の誤りがあることが判明し、決算短信の訂正を行いました。これらの誤りを社内の決算・財務報告プロセスにおいて発見できなかったことについて、財務報告に与える影響が大きく重要性が高いと判断し、開示すべき重要な不備として認識いたしました。
 上記については、当該事業年度の決算短信発表後の監査法人の監査で発見されたものであるため、当該事業年度の末日までに是正が終了しておりません。なお、上記の開示すべき重要な不備に関連する内容については再検証を行い、その結果必要と認められた修正は、すべて財務諸表に反映しております。
 上記不備の主な要因は、決算・財務報告プロセスにおける財務諸表の作成に係る手続の理解や検討が十分でなかったこと等によるものであります。
 当社は、上記内部統制の重要な不備を速やかに是正するために、管理体制の更なる充実を図ると共に、決算・財務報告プロセスの検討項目や処理方針を明確化して、決算の正確性及び網羅性を引き続き改善する体制を構築してまいります。
 具体的には、監査法人との事前協議を含め、財務諸表の作成に係る方針を事前に検討するプロセスを明確化するように見直し、その運用を徹底すると共に、財務報告における内部統制の重要性を認識して、開示すべき重要な不備を是正してまいります。

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 監査法人アリア 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1485
企業名 株式会社アウトソーシング 市場 東証プライム
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 当社は、2021年12月期において、当社を含む連結グループにおいて資産の過大計上、収益の過大計上、費用の過小計上等の事実が判明したため、2021年12月末時点の財務報告に関する内部統制は有効ではなく、開示すべき重要な不備が存在すると評価いたしました。本件に関して、当社は、新たに招聘した社外取締役3名を含めた新経営体制のもと、全社一丸となって再発防止について議論し、改善措置に取り組み、当社及び国内子会社において、再発防止策の実行による企業風土改革・従業員のコンプライアンス意識の醸成・会計リテラシー向上について一定の成果が現れてきたものと考えておりました。
 また、2022年12月期において、在外子会社の現地経営者による利益相反となる関連当事者取引や自社利用ソフトウエア開発失敗の隠蔽等の問題が生じ、加えて、公的債権回収システムの不具合に起因する現金及び現金同等物と営業債務及びその他の債務の相殺漏れ等の事実が判明したため、2022年12月末時点の財務報告に関する内部統制は有効ではなく、開示すべき重要な不備が存在すると評価いたしました。本件に関して、当社は、当該事案発覚後、速やかに現地経営者の交代等を含む再発防止策を講じ、在外子会社に対する規程やルールの整備及び会計財務を中心としたモニタリング機能の拡充とグローバル内部通報制度の整備等により、当社グループの海外ガバナンスについて強化し、当該不備の是正を図りました。
 しかしながら、2023年6月に、当社の連結子会社である株式会社アウトソーシングテクノロジー(以下、OST)において内部通報があり、これを契機に、当社において初期的な調査を実施したところ、2020年12月期以降の雇用調整助成金の支給申請手続きの一部が適切に行われていなかった事実、及び2022年12月期以降の募集費に関する取引において承認プロセスに必要な契約書が作成されていないなどの事実が判明しました。このため、当社は、2023年8月1日に外部専門家による調査委員会(以下、外部調査委員会)を設置し、事実関係の調査等を進めてまいりました。
 外部調査委員会により判明した、不正受給に該当する可能性が高いと考えられる雇用調整助成金の申請の事実は、利益獲得に向けたプレッシャーを背景に、コンプライアンス意識の欠如、内部牽制の不在とそれを招いた組織風土等に起因するものと認識しております。また、人材募集媒体会社等との取引に関する疑義については、役務の提供の実体がない、あるいは請求金額が水増しされていたと認められる取引は確認されなかったものの、当社及びOSTにおける取締役会の軽視と管理部門の脆弱さ、辞任したOST前代表取締役の事業への関与、OSTにおける稟議手続や取引先選定手続の形骸化などの事象が確認され、2021年12月期における全社的な内部統制に関する開示すべき重要な不備が、当社及びOSTにおいて、なお存在していたものと認識しております。
 また、主に海外子会社に関するのれんの減損テストに対する監査の過程で、複数の資産グループに関して減損損失計上額の修正が生じました。この要因は、将来キャッシュフローの見積りにおける重要な仮定と実績との乖離要因の特定に関する情報収集等に時間を要したことによるものであり、会社として策定しているのれんの減損テストに関するガイドラインの理解不足及び適切な人材配置が不十分であったこと等の決算・財務報告プロセスの内部統制における不備が識別されました。このようなのれんの減損テストに関する決算・財務報告プロセスの内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 このような当社及び連結子会社で発生した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼしており、全社的な内部統制、決算・財務報告プロセスに関する内部統制の不備は、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 また、2022年1月14日に策定した再発防止策を踏襲しつつ、これをどのように徹底していくかを修正の主な内容とした以下の新たな再発防止策を2023年11月14日開催の取締役会にて決議し実行しておりますが、期末日までに改善のための十分な期間を確保することができなかったこと及び一部で上記事実の発生が当事業年度末日以降となったため、当該開示すべき重要な不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
 なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は全て財務諸表及び連結財務諸表に反映しております。
 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を十分認識しており、外部調査委員会から受けた再発防止策が形骸化している旨の指摘及び再発防止策に対する真摯な取組及びその理解・浸透の徹底、コンプライアンス意識の再徹底等の提言について重く受け止め、新たな再発防止策に関して、社外取締役をトップとしたグループガバナンス委員会を設置し再発防止策の検証と実行を担うこととするなど、再発防止策を徹底することのできるコーポレートガバナンス体制の充実・実効性向上及び企業風土の醸成・浸透に向け、一層の内部統制の再徹底を図ってまいります。
 
(再発防止策)
 1. 企業風土改革
  ① 各拠点における経営陣とのタウンホールミーティングの開催
  ② 従業員エンゲージメントプロジェクトの推進
  ③ 関係会社意識改革
  ④ グループ報「One Team」による経営陣コメントの定期発信
  ⑤ 従業員間のコミュニケーションの向上
 2. コンプライアンス意識の一層の醸成、再発防止策の徹底
  ① 再発防止策の理解・浸透の徹底
  ② コンプライアンス推進体制等
  ③ コンプライアンス教育
  ④ 重点コンプライアンス項目の特定と管理簿の検討
  ⑤ 経理部門によるモニタリングの実施
  ⑥ コンプライアンス意識調査の活用
 3. 経営体制の強化
 4. コーポレートガバナンス体制・組織体制の再構築
  ① 取締役会による監督機能の強化
  ② 稟議手続における実効的な牽制機能強化
  ③ 監査委員会による監査機能の強化
  ④ 管理体制理解のための社内セミナーの実施
 5. 内部統制部門の強化
  ① 管理部門の人材拡充・良質な人材の確保
  ② グローバルガバナンスの強化
  ③ 内部監査体制の充実
 6. 内部通報制度の見直し
 7. 会計処理に係る社内ルールや経理会計システムの見直し
 8. 実現可能な事業計画・予算の策定
 9. 取引先の限定

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 有限責任監査法人トーマツ 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

重要な手続きが実施できないと表明した企業

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