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2024年10月公表「内部統制報告書」記載内容集計表

投稿日時:2024年11月01日(金)

2024年10月1日以降、10月31日までに公表された内部統制報告書について、「有効である」という結論以外となる報告書を提出した企業及びその内容は次のようになっています。

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業
2
重要な手続が実施できないと表明した企業
0

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業

1574
企業名 株式会社広済堂ホールディングス 市場 東証プライム
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告の適正性に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 したがって、2024年3月31日現在における当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社子会社である東京博善株式会社(以下、「東京博善」という。)において、同社の葬祭収益セグメント(火葬事業以外の事業)が立ち上げた会員制団体に関し複数の取引先より入会審査手数料を収受した取引について、入会審査手数料契約を受け取る旨の契約(以下、「入会審査契約」)を締結し入会審査手数料としての性格に鑑み、2024年3月期に一時点の収益として売上高6億4百万円を計上いたしました。
 しかし一方で、入会審査契約を締結した取引先とは、東京博善が5年間にわたり通常に比して相当有利な条件で役務提供する旨の契約(以下、「役務提供契約」という)を入会審査契約とほぼ同時に締結しており、本来は役務提供期間である5年間にわたり収益を認識する必要がありました。
 役務提供契約の存在が全て明らかになったのは2025年3月期第1四半期決算期間中であり、本契約の締結日が2024年3月期の会計監査期間中であったことから、当該事実を事後判明事実とし、当社は本審査手数料に係る売上高を全額取り消すとともに、2024年3月期の有価証券報告書に係る訂正報告書の監査で指摘された複数の重要でない誤謬と合わせて修正し、2024年3月期の連結財務諸表及びその注記に反映することといたしました。
 また、当社の顧問弁護士及び社外監査役2名を委員とする社内調査委員会を設置し、本事後判明事実が起こった原因並びに当社前代表取締役社長(以下、「当社前社長」という。)及び当社経営幹部の関与について、事実と経緯の調査を進めてまいりました。
 当社は2024年8月27日に調査報告書を受領し、当社前社長は興亜監査法人により契約の結合が必要であるとの指摘を受けた時点で、契約日付が到来していない役務提供契約については締結しないように指示しており、役務提供契約の存在は認識しておらず、意図的に一部の役務提供契約の存在を隠した事実は認定されなかったとの報告を受けました。
 しかしながら当社は、役務提供契約が締結されていた事実全てが2024年3月期の会計監査期間中に興亜監査法人に対しては提示されず、結果として連結財務諸表において重要な虚偽表示がなされた点について、当社の財務報告に係る内部統制のうち、全社的な内部統制において以下の開示すべき重要な不備があったと判断いたしました。
 
(1)会計基準や会計監査制度に対する不十分な理解

 当社が実施した社内調査委員会の調査報告において、当社前社長は、興亜監査法人により契約の結合が必要であるとの指摘を受けた時点で、契約日付が到来していない役務提供契約については締結しないように当社経営幹部に指示し、監査報告時点では全ての役務提供契約の存在は認識しておらず、意図的に役務提供契約の一部の存在を隠した事実は認定されなかったと報告されていました。
 しかしながら当社前社長が指示した時点において、既に取引先とは役務提供契約が締結されておりました。当社の経営幹部は、取引先との関係を考えると前社長の指示どおりに破棄することが困難であると考え、破棄を実行することはなく前社長に対してもその旨を報告していませんでした。結果として当社前社長は、役務提供契約が締結された事実を知らずに、経営者確認書において、一部の役務提供契約が存在せず、かつ、今後も締結しない旨の表明を行いました。
 本取引に係るスキームは、主に当社前社長が発案・構築し取引条件の決定を行った上で、当社経営幹部が取引先との交渉や事務手続に関する対応をしておりました。当社前社長による事実誤認に加え、当社経営幹部が会計基準や経営者確認書に記載した意味を十分に理解していなかったため、本取引が財務報告に重要な影響を与えるリスクに対して十分な評価がなされず、会計監査人である興亜監査法人に対して、監査意見形成日までに、本取引に関しての十分かつ適切な監査証拠を提供することができませんでした。

 
(2)関係会社に係る稟議・決裁機能の形骸化

 入会審査契約及び役務提供契約は、当グループの連結財務諸表に与える影響が重要であるにも関わらず、当社前社長及び限られた経営幹部の間のみでスキーム・取引条件等が検討されており、かつ、東京博善社長の稟議承認のみで実行されていました。したがって当社(株式会社広済堂ホールディングス)の取締役会・監査役会には事前に情報が一切共有されていませんでした。その結果、当社取締役会及び監査役会による実効的なチェックが機能しませんでした。
 当社では金額が重要なものや、非経常的な取引については関連する規程に基づき、社内で稟議・決裁する仕組みが構築されています。しかしながら関係会社における重要な取引については関係会社の取締役のみの稟議・決裁が可能となっていました。この点についてスキームを構築・実行した当事者が東京博善の取締役を兼務していたため、実質的な承認が一切なされておりませんでした。
 また、関係会社管理規程は整備されていたものの、関係会社における取引に係る重要な情報が適切な管理者や当社の取締役会・監査役会に適時に伝達される仕組みが機能しておりませんでした。

 
 当社は、これらの内部統制の不備が財務報告に重要な影響を及ぼしており、当社の財務報告に係る内部統制について開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
 なお、上記の開示すべき重要な不備については、訂正事項の判明が当該事業年度の末日以降であったため、訂正の対象となる内部統制報告書の提出日においては、当該開示すべき重要な不備を把握することができず、訂正の対象となる内部統制報告書に記載することができませんでした。
 
 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を強く認識しており、以下の再発防止策を実行してまいります。
 
(1)教育研修を通じたコンプライアンス意識の徹底

 2025年3月期より会計リテラシーの向上のための最新の会計基準及び会計監査制度に対する研修を幹部社員に対して行い、以降も会計に係るリテラシーの向上を目的とした研修を毎年実施してまいります。また、コーポレートガバナンスの向上及びリスク管理の徹底強化をテーマとした研修を経営トップ及び経営陣に対して行います。これにより、適正な財務報告を実施するコンプライアンス意識を徹底してまいります。

 
(2)決裁手続の厳格化

 2024年8月1日付で当社及び子会社における決議決裁基準及び関係会社管理基準を改定しました。これにより、重要な取引が子会社のみの決裁で実行されることのないよう改めました。万が一、問題となる決裁が発見された場合には、発見者は直接または社内通報窓口を通じて社内の独立した監査組織である内部監査室又は監査役会に報告の上、適切に対応してまいります。

 
(3)モニタリング機能の強化

 子会社に対するモニタリング機能を強化のため、2024年8月1日付で新設した「CEO室」が、子会社における定められた金額以上の稟議申請のチェックを実施しています。万が一、問題となる稟議が発見された場合には、CEO室により差戻しを行い、必要に応じて内部監査室又は監査役会に報告の上、適切に対応してまいります。
 さらに、経営幹部が発案・構築する新規の取引においては、経常的な取引とは異なるリスクが存在する可能性が高いため、内部監査室と監査役会は、こうした非経常取引におけるリスクを想定した監査手続及び内部統制評価手続を整備し、運用してまいります。

 
(4)財務報告に係る体制(財務報告作成部門・経理部門)の再検討

 財務報告に必要なすべての情報が、会計処理の担当部署及び会計監査人に正確かつタイムリーに伝達される体制を整備します。特に、会計監査を担う経営幹部は、十分に会計監査に係るリテラシーを有する者を配置します。

以上

付記事項

特記事項

監査法人 興亜監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第60期(2023/4/1-2024/3/31)の訂正を表明。

1575
企業名 株式会社キャンドゥ 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告の適正性に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 したがって、2024年2月29日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、2024年2月期において、繰延税金資産の回収可能性を検討するために作成している一時差異のスケジューリング表の内容を見直した結果、一部算定誤りがあり、財務諸表及び連結財務諸表において繰延税金資産を過大に計上していたことが判明したため、2024年2月期における有価証券報告書の訂正報告書を提出いたしました。
 当該訂正に至った原因は次の通りです。税効果会計の適用については、従来外部専門家と連携して作業し、当社にてその結果を改めて検証するという内部統制を構築・運用しておりました。しかしながら、当社において税効果会計に関する業務手順書やマニュアルの詳細さ及び専門知識を有した要員が不足しておりました。そのため、適切な連携及び税効果会計の基準に沿った十分な検証ができず、内部統制が有効に運用されていなかったため誤りが生じたものであります。当該内部統制の不備が財務報告に重要な影響を及ぼしていることから、決算・財務報告プロセスにおける開示すべき重要な不備に該当するものと判断いたしました。
 上記開示すべき重要な不備については、当事業年度末以降に判明したため、当該開示すべき重要な不備を、事業年度末までに是正することができませんでした。なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、全て有価証券報告書の訂正報告書に係る財務諸表及び連結財務諸表に反映しております。
 当社は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正し、適切な内部統制を整備し運用するために、以下の取り組みを行います。

・会計処理に関して外部専門家を利用する場合の適切な情報提供を含むコミュニケーションの方法を業務手順書により明確にします。

・作業結果の検証方法について、個々の一時差異項目の取扱いを含む検証方法をマニュアルに追記する方針です。

・税効果会計に関する知見を持った要員の不足に関しては、継続的な専門的研修をはじめとする対応策を策定し実施致します。

以上

付記事項

特記事項

監査法人 有限責任監査法人トーマツ 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第30期(2023/3/1-2024/2/29)の訂正を表明。

重要な手続きが実施できないと表明した企業

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