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2023年10月公表「内部統制報告書」記載内容集計表

投稿日時:2023年11月01日(水)

 2023年10月1日以降、10月31日までに公表された内部統制報告書について、「有効である」という結論以外となる報告書を提出した企業及びその内容は次のようになっています。

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業
9
重要な手続が実施できないと表明した企業
0

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業

1438~1440
企業名 株式会社ダイレクトマーケティングミックス 市場 東証プライム
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備であると捉え、当事業年度末時点における当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社の連結子会社である株式会社マケレボにおいて、特定の取引先(以下「本件顧客」といいます。)との一部の取引(以下「本件取引」といいます。)に関連し、過年度決算において請求した報酬金額が過大となっていた可能性が判明したため、2023年7月18日に外部専門家(弁護士及び公認会計士)を含む特別調査委員会を設置し、調査を進め、2023年10月13日に特別調査委員会から調査報告書を受領いたしました。
 特別調査委員会により、本件取引に関する事実関係や、当社の連結子会社のうちコンタクトセンター業務の受託を主たる事業とする子会社各社(以下「対象子会社」といいます。)における類似する事案の有無について調査・検討が行われた結果、本件取引以外には類似の事案は認められないと判断されております。また、当社としても過年度における類似事案の有無の確認のため、2017年12月期以降の対象子会社の取引について一定の条件の下、契約ごとに、その内容、業務遂行状況や管理状況の点検を実施しました。この結果、過年度訂正を要するような事案は認められないとの判断に至りました。
 しかしながら、当該点検の完了には2か月かかっており、このような長期間にわたる検証を行わなければその判定が不可能となるような事態を招来したことそのものについて、改善すべき余地があったと判断しております。公正かつ透明な企業運営が特に期待される上場企業において、特別調査委員会からは、本件不適切行為を早期に発見することができなかったなどの指摘を受けております。
 当社は、調査報告書で判明した事実やこれらの指摘を踏まえ、当社の全社統制及び当社の業務プロセスに係る内部統制の再評価を行った結果、これらの疑義や事態を招いた背景には、本件顧客との取引についてのリスクの評価と対応における不備、適切な財務報告のための社内外への情報共有の不足といった情報と伝達における不備、管理部門及び内部監査等のモニタリングにおける不備、並びに契約条件及び契約書類等に関する管理の不足といった業務プロセスにおける不備があったものと認識しております。
 これらの不備は、当社の財務報告に潜在的に重要な影響を及ぼす可能性が高いものと考えられるため、当社は、これらの全社統制及び当社の業務プロセスに係る内部統制について、財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関しましては、当該事項の判明が当事業年度の末日後であったため、当事業年度の末日までに是正することができませんでした。
 
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するために、改善策を講じて適正な内部統制の整備及び運用を図ってまいる所存です。
 なお、特別調査委員会からの指摘・提言は以下の通りです。
 
1 契約遵守を含めたコンプライアンス意識の向上のための措置
(1)経営陣によるコンプライアンス優先方針の明確な表明
(2)役職員に対するコンプライアンス教育の実施
 
2 適切な業務実施のための措置
(1)証跡の適切な作成・保存等
(2)合意内容の明確化
(3)必要経費を適切に反映した合理的な報酬の合意
(4)契約の確認と契約の承認手続の充実
(5)ログインIDの適切な管理
 
3 人事評価制度の見直し
(1)コンプライアンスをより重視した人事評価制度設計及び運用
(2)営業成績の評価方法
 
4 内部統制上の見直し
(1)子会社の管理部門における営業部門チェック体制の整備
(2)各部門の自己評価を踏まえた内部監査室の監査の充実化
(3)コンプライアンスを明確にした内部通報制度の浸透
 

以上

付記事項

特記事項

監査法人 EY新日本有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:-
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第6期(2022年1月1日~2022年12月31日)の訂正を表明。
その他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第5期(2021年1月1日~2021年12月31日)1439
 第4期(2020年1月1日~2020年12月31日)1440

1441~1445
企業名 株式会社オリエンタルコンサルタンツホールディングス 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いものであり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
1.今回発生した事案の発見に至った経緯と特別調査委員会の立ち上げ

 当社は、2023年2月27日から行われた当社連結子会社である株式会社オリエンタルコンサルタンツ(以下、「OC」という。)に対する定期税務調査において、協力会社(下請業者)への委託費及び経費について、協力会社の役務提供を受けた案件ではなく、別の案件に計上している(以下、「原価付け替え」という。)との指摘を受け、同年4月27日からのOC社内調査、並びに、同年7月18日からの弁護士及び公認会計士等の外部専門家による原価付け替えの実態把握のための調査の結果、複数の拠点において原価付け替えが行われていたこと、また、売上の前倒し計上の疑義もあること、これらが過年度においても行われていた疑義があることが判明いたしました。
 そのため、当社は、特別調査委員会を設置して徹底した調査を行う必要があるものと判断し、当社と利害関係を有しない外部の有識者によって構成する特別調査委員会を同年8月4日に設置し、調査を開始いたしました。
 特別調査委員会による調査の結果、OCにおいて原価付け替え、売上の前倒し計上という不適切な会計処理が全拠点において、また、複数事業年度に亘って行われていたことを確認いたしました。また、OC以外の当社連結子会社においても、一部の案件について原価付け替えが行われていたことを確認いたしました。

 
2.OCにおける不適切な会計処理の発生原因
 2.1.動機

 原価付け替えを行う動機として、①案件ごとの目標原価率の達成を目的とした原価調整(平準化)、②部署または個人の出来高及び売上の確保・達成、③出来高が少ない部署の要員が他部署へのサポート要員となることの回避、④手戻り案件や仮件番の申請に関する社内手続きの回避があることを確認いたしました。
 また、売上の前倒し計上を行う動機として、業績目標達成に対するプレッシャーがあることを確認いたしました。
 それらの動機の原因は、事業本部が案件毎の目標原価率の達成におけるモニタリングを月次で実施している等の業績管理手法に起因していることを確認いたしました。

 
 2.2.機会

 原価付け替えおよび売上の前倒し計上を行うことができた機会として、①委託費および経費の支払いに関するチェック体制の不備、②上長の指示・黙認、③役務提供とは別の案件の件番や業務内容を記載した「請求書」の作成依頼に応じる協力会社の存在、④第2線(OC全社の経営・業務・財務等を管理している統括本部)および第3線(内部監査部門)の機能不全があることを確認いたしました。

 
 2.3.正当化理由

 原価付け替えの正当化理由として、①周囲の皆が行っているという意識、②上長の承認または指示によるものという意識、③原価付け替えによる会計上の影響はほぼ発生しないという意識(知識・意識の欠如)を確認いたしました。
 また、売上の前倒し計上を行う正当化理由として、①ほぼ完成している案件であるという意識(完成基準)、②会社や部署の業績目標を達成するためという意識、③会社または上長の意向・指示によるものであるという意識、④協力会社が全く何の作業も行っていないわけではないという意識であることを確認いたしました。

 
 2.4.真因

 以上の動機、機会、正当化理由の確認結果により、不適切な会計処理が行われていた原因は様々でありますが、不適切な会計処理を行ってはいけないという規範意識が浸透しておらず、安易に原価付け替えや売上の前倒し計上が行われていることとなり、真因は、適正な会計処理に対する規範意識の全社的な欠如であることを確認いたしました。
 具体的には、①社長からのメッセージとして事業の前提あるいは土台となるコンプライアンスの重要性に関する情報発信に不足があったこと、②事業本部からの通達においても、会計処理におけるコンプライアンスに関する意識喚起はほぼ皆無であったこと、③事業本部の月次原価モニタリングが現場には業績目標達成のプレッシャーとして捉えられてしまうような業績管理手法であったこと、④行動指針等に上場企業グループの中核企業の一員としての適正な財務報告(会計処理)に関する記述がなかったこと、⑤予算管理者に対して会計に関する教育が実施されていないこと、⑥OC経営陣の不適切な会計処理に対するリスク感度や上場会社グループとしての会計処理の重要性に対する認識が欠如していたこと、⑦当社の内部監査部門に十分なリソースが投入されておらず当社連結子会社に対して十分な支援ができていなかったことなどが、適正な会計処理に対する規範意識の全社的な欠如をもたらした問題点であります。
 また、委託費及び経費の支払いに関して、件名や件番を記載した「請求書」を入手する社内ルールは特段存在しておらず、不適切な委託費及び経費の支払い防止という観点の社内ルールが十分ではありませんでした。また、上述した適正な会計処理に対する規範意識の全社的な欠如もあり、技術部長の承認(ルール上は委託費のみ)や経理部門の確認・承認は原価付け替えや売上の前倒し計上の防止策として機能していませんでした。

 
3.開示すべき重要な不備

 2.OCにおける不適切な会計処理の発生原因にて確認した点に基づき、全社的な内部統制、及び業務プロセスの再評価を行った結果、下記の2点について不備があることを確認し、これらの不備は財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いものであり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 また、OC以外の当社連結子会社においては、一部の案件について原価付け替えが行われていることを確認しましたが、少額あるいは特殊な事情によるものであることから、財務報告に重要な影響を及ぼすものではないため、開示すべき重要な不備に該当しないと判断いたしました。
 なお、開示すべき重要な不備の識別が当事業年度末日以降となったため、当事業年度末日までに是正することができませんでした。さらには、調査結果を確認・精査した結果、不適切な会計処理が期間損益に与える影響は軽微であったことから、2018年9月期から2022年9月期の有価証券報告書、2018年9月期から2022年9月期の第1四半期から第3四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出しておりません。

 
 3.1.全社的な内部統制上の不備

 当社およびOC経営陣は、2019年2月の定期税務調査において、原価付け替えの指摘を受け、是正方針を定め、OC職員に対して周知し運用を行っておりましたが、その後も原価付け替えを行っている予算管理者が存在していたことから、その是正方針が十分、機能しておりませんでした。
 また、調査結果により、適切な会計処理に対する規範意識がOC内において欠如していることが明らかになりました。
 このため、当社及びOCにおける全社的な内部統制において、①社長からのメッセージとして事業の前提あるいは土台となるコンプライアンスの重要性に関する情報発信に不足があったこと、②事業本部からの通達においても、会計処理におけるコンプライアンスに関する意識喚起はほぼ皆無であったこと、③事業本部の月次原価モニタリングが現場には業績目標達成のプレッシャーとして捉えられてしまうような業績管理手法であったこと、④行動指針等に上場企業グループの中核企業の一員としての適正な財務報告(会計処理)に関する記述がなかったこと、⑤予算管理者に対して会計に関する教育が実施されていないこと、⑥OC経営陣の不適切な会計処理に対するリスク感度や上場会社グループとしての会計処理の重要性に対する認識が欠如していたこと、⑦当社の内部監査部門に十分なリソースが投入されておらず連結子会社に対して十分な支援ができていなかったこと等から、これらに関する内部統制の整備状況及び運用状況が有効ではありませんでした。

 
 3.2.業務プロセスにおける不備

 OCにおける発注購買プロセス(委託費発注・支払いの業務プロセス)において、委託費の発注段階では、技術部長または代行者は、委託申請書類(「見積書」、「協力者打合せ記録・照査チェックシート」)をもとに、「見積書」の委託内容と金額および業務件番との整合を確認し、発注を承認しておりましたが、役務の内容に基づき正しい件番で発注しているかの確認が技術部長または代行者にて十分に行われておらず、内部統制が適切に運用されておりませんでした。
 また、委託費の支払い段階では、予算管理者が協力会社からの成果品を確認し、技術部長または代行者は、予算管理者が成果品を確認していることを「成果品照査及び完了報告書」で確認したうえで、「請求書」の支払いを承認し、その後、経理部門にて支払先、金額等の確認を行っておりました。
 しかし、件名や件番を記載した「請求書」を入手する全社的な社内ルールがなく、現場に委ねられており、内部統制が適切に整備されておりませんでした。また、役務の内容に基づき正しい件番に費用計上されているかの確認が技術部長または代行者及び経理部門にて十分に行われておらず、内部統制が適切に運用されておりませんでした。
 発注購買プロセス(経費支払いの業務プロセス)においては、「請求書」をもとに支払申請者が経費精算システムで「支払要求書」(予算管理者が件番や業務内容の記載を支払申請者に指示)として作成し、予算管理者または代理者が「請求書」と「支払要求書」の内容(件番や業務内容、委託先、金額等)を確認したうえで、同システム上で承認を行い、その後、経理部門にて支払先、金額等の確認を行っておりましたが、支払申請者が役務の内容に基づき正しい件番を「支払要求書」に記載し費用計上しているかの確認が経理部門にて十分に行われておらず、内部統制が適切に運用されておりませんでした。
 さらに、委託費や経費の支払いにおいて、未作業分の費用を協力会社へ支払うことにより、進行基準で計算される売上の前倒し計上が行われていたことについて、委託費や経費の支払い計上ルールが整備されておりませんでした。

 
4.再発防止策

 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、今回の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備を是正するために、特別調査委員会からの提言を踏まえ、以下の再発防止策を講じて適正な内部統制の整備・運用を図ってまいります。

 
 4.1.OCの再発防止策
  4.1.1.経営陣の意識改革
   (1)上場企業グループの一員としての適正な財務報告(会計処理)に係る責任の再認識

 経営陣や職員は、現場の実態を理解したうえで、上場企業グループとして適正な会計処理のあり方やコンプライアンスの重要性を認識すること、今後同様の事案が再発した場合には、事業存続に関わるリスクがあることを十分に認識することを、再発防止の第一歩といたします。
 OCは、企業活動の目的や目標、考え方、心がけ等を明文化している「経営理念・経営姿勢・行動指針」を定め、役職員一人ひとりが理解し、日常活動の中で行動できるように教育・指導しておりました。しかし、その経営理念等に株主その他のステークホルダーに対して果たすべき適正な財務報告(会計処理)に係わる内容が十分に盛り込まれていなかったことを反省し、改めて「経営理念・経営姿勢・行動指針」に適正な会計処理のあり方とその重要性を反映し、役職員への理解浸透を図ります。検討期間としては2023年10月~12月を予定し、以降の運用実施を図ります。

 
   (2)経営陣と現場の認識ギャップの解消に向けて

 経営陣や事業本部が発する現場へのメッセージは、現場ではその目的や主旨が正しく理解されておらず、現場の実態を分かっていない上からの一方的な押しつけと受け止められる傾向にありました。経営陣は、現場の本音や実態を把握した上で、現場に対して適正な会計処理のために必要な方針・方法を明確にして共有いたします。検討期間としては2023年10月~12月を予定し、以降の運用実施を図ります。
 また、経営陣と現場の双方向のコミュニケーション等の充実と丁寧な説明により、経営陣が示す方針や方法について、その必要性や重要性をしっかりと示し、現場の納得度・理解度の向上を図ります。経営陣と現場の予算管理者の橋渡し役を担う支社長においては、経営陣からの指示等の目的や趣旨を理解し、部長やチームリーダーとともに現場に丁寧に落とし込むという意識を強く持って行動を開始いたします。
 現場の理解度・納得度の向上に向けては、適正な会計処理のあり方とコンプライアンスの重要性を共有するとともに、リスク管理のルールや仕組みについて共有し、継続的かつ実効的な勉強会等を実施いたします。検討期間としては2023年10月~12月を予定し、以降の運用実施を図ります。

 
   (3)健全な職業的懐疑心に基づくリスク管理の実行

 経営陣は、不適切な会計処理は行われていないという認識でありましたが、調査結果により不適切な会計処理が行われていることが確認されました。
 現場及び本部においては、リスク(予兆)の早期把握・対応に資するため、定期的に実施する支社振り返り会議等でリスク管理の仕組みを再構築いたします。
 また、会計処理等の問題を含む様々なリスク情報に関する相談・通報が経営陣に届くように、匿名による社員とのコミュニケーションツール(Oriconsul_Reed)の効果的な運用方法の改善を図るとともに、毎年実施している全社員を対象とした社員意向調査において、再発防止策の実践状況に対する意識調査を行い、日常の業務処理の中で感じているコンプライアンスに係わる問題点を把握できる仕組みを構築してまいります。検討期間としては2023年10月~11月を予定し、以降の運用実施を図ります。
 さらに、業務プロセスの有効性と経営戦略に則った事業パフォーマンス向上に資することを意図してトータルマネジメントシステム(TMS)を構築運用していますが、品質と環境、情報セキュリティを対象としたリスク管理でありますので、財務報告やコンプライアンスに関するリスク管理を含めて運用を実現できるように検討実施いたします。検討期間としては2023年10月~12月を予定し、以降の運用実施を図ります。

 
   (4)適切なリスク管理態勢の構築に向けたリソースの投入
    ① 支社における会計処理体制の強化

 現場の発注購買プロセス(委託費支払いの業務プロセス、及び経費支払いの業務プロセス)を適切に運用し、リスクに対して迅速に対応するため、支社における会計処理体制を強化いたします。検討期間としては2023年10月~11月を予定し、以降の運用実施を図ります。

    ② 本部における会計処理体制の強化

 統括本部財務経理室が担っている会計処理プロセスの問題点や課題を明らかにし、プロセスの改善と処理体制を強化いたします。検討期間としては2023年10月~11月を予定し、以降の運用実施を図ります。

    ③ 内部監査体制の強化

 当社が取り組む内部監査体制の再構築と連携し、適切なリスク管理体制を構築するため、内部監査体制を強化いたします。現場の意見等を傾聴し、不適切な会計処理行為等の発生を未然に防止することを目的とした本社組織を、2023年11月1日に設置する予定であります。

 
  4.1.2.現場に向けた再発防止策
   (1)経営陣の本気度が伝わるメッセージの発信

 現場に向けた再発防止策の第一歩として、社長より、今回の不祥事について会社としての危機感を率直に説明し、会計処理に関する規範意識の定着に向けて、しっかりと再発防止策に取り組む決意を10月末までに表明いたします。本部は組織風土の改革を含む再発防止策を、本気で実行しようとしていることが分かるような具体策を提示・実行・継続いたします。

 
   (2)組織風土の改善

 OCでは、本事案の発覚以前より、職場のエンゲージメント向上の一環として心理的安全性の確保に関する問題解決に取り組んでまいりました。経営陣は、今後も積極的に「失敗をおそれず、次に生かせる現場」の実現に取り組んでまいります。
 支社長や部長は、予算管理者等に対して、適正な会計処理のあり方やコンプライアンスの重要性を共有するとともに、業務管理の問題点・課題について早期に把握し、予算管理者等に対して心理的安全性を確保しつつ、寛容で変化を受け入れる組織風土を醸成するための改善策を検討し、実行してまいります。検討期間としては2023年10月~12月を予定し、以降の運用実施を図ります。

 
   (3)余裕のある職場づくり

 現場が感じる繁忙感等の軽減に向けた職場づくりを進めていくため、①原価管理プロセスの見直し、②業績目標設定方法の見直し、③業務分担の適正化、④システム整備による省力化の施策について、現場の本音と実態を把握した上で、改善策を検討いたします。検討期間としては2023年10月~2024年3月を予定し、改善策が具体化したものから順次、運用実施を図ります。

 
   (4)メリハリの効いた制度・ルールの策定

 再発防止策の策定にあたっては、現場の実態や考えを聞いたうえで、不正の機会に関連するチェック体制の整備や協力会社との取引の適正性確認の統制手続きに関する制度・仕組みを検討いたします。検討期間としては2023年10月~12月を予定し、以降の運用実施を図ります。
 また、制定した制度・仕組みについて、持続可能性のある手続きとするために、運用していく過程の中で、しっかり現場のニーズを踏まえて、実行・評価・改善のPDCAサイクルを廻し、手続きの合理化やシステムによる業務負担の軽減を図ってまいります。評価・改善の期間としては2024年4月~9月を予定し、以降の運用実施を図ります。

 
 4.1.3.業務プロセスの見直し

 発注購買プロセス(委託費発注・支払いの業務プロセス)において、現場の実態や考えを踏まえたうえで、チェック体制の整備や協力会社との取引の適正性確認といった手続きに関する制度・仕組みを検討して、委託費発注・支払い承認の手続きを見直します。
 発注購買プロセス(経費支払いの業務プロセス)において、「請求書」をもとに支払申請者が経費精算システムで「支払要求書」(予算管理者が件番や業務内容の記載を支払申請者に指示)として作成し、予算管理者または代理者が、「請求書」と「支払要求書」の内容(件番や業務内容、委託先、金額等)を確認したうえで、同システム上で承認を行い、その後、経理部門にて支払先、金額等の確認を行う統制手続きとしておりますが、本件についても、現場の実態や考えを踏まえたうえで、チェック体制の整備や協力会社との取引の適正性確認といった手続きに関する制度・仕組みを検討して、経費支払い承認の手続きを見直します。
 また、進行基準における委託費及び経費の計上ルールを整備し、業務プロセスの統制手続きに反映し、運用してまいります。
 検討期間としては2023年10月~12月を予定し、以降の運用実施を図ります。

 
 4.1.4.再発防止策の実施体制

 再発防止策は、各項に記載のスケジュールに沿って速やかに実行いたします。各再発防止策については、主管部署を定め、本部が実施状況についてモニタリングを行います。また、各再発防止策の詳細検討や導入・推進にあたっては、本部と支社・事業部が協議・調整を行い、再発防止策の実効性を確実に確保いたします。
 支社においては、現場の再発防止策の実施状況をチェックし、本部は、支社における再発防止策の運用状況をモニタリングいたします。また「TMSマネジメント委員会」が本部・支社の再発防止策の運用状況を検証し、重要なリスク管理に関する意思決定を行います。
 新設する内部監査組織はOCHD内部監査本部と連携し、本部や現場における再発防止策等の運用に関する内部監査を実施いたします。また、監査役監査においても運用状況について監査を実施いたします。
 さらに、必要に応じて顧問弁護士、公認会計士等の外部専門家の助言を得て再発防止策の実効性を確保してまいります。

 
 4.2.OC以外の当社連結子会社の再発防止策

 当社は、OCにおいて実施される再発防止策に準じて、OC以外の当社連結子会社においても再発防止策を検討いたします。検討期間としては2023年10月~2024年3月を予定し、以降の運用実施を図ります。

 
 4.3.当社の再発防止策

 当社は、OCを含む当社連結子会社に対する適切なガバナンス態勢を構築すべき立場にありながら、会計不正を含むリスク管理、コンプライアンス経営、及び内部監査・内部統制のモニタリング機能が不十分であったとの指摘を重く受け止めております。
 OCを含む当社連結子会社の役職員に対して、真摯な反省と再出発に向けた決意、及び今後の道筋を示したメッセージを発信し、実行、継続してまいります。
 リスク管理においては、社会情勢や業界動向、社内状況等を踏まえ、当社連結子会社におけるコンプライアンスリスクがどこに潜んでいるのか、リスクを見落としていないかなどを定期的に検証するといった能動的なリスク管理をより強化してまいります。
 また、OCを含む当社連結子会社の再発防止策の検討・実行を支援し、リスク管理態勢(スリーラインディフェンスにおける内部監査体制)を強化するため、内部監査及び内部統制を担当とする組織として、各本部から独立した「内部監査本部」を2023年11月1日の予定で新設し、当社連結子会社各社の内部監査機能と連携しながら、より効果的な制度・ルールの構築と運用に関与してまいります。「内部監査本部」は、当社及び当社連結子会社の再発防止策の実施状況を把握するとともに、必要に応じて外部リソースを活用し、より実効性のある具体策の実践を支援してまいります。

以上

付記事項

特記事項

監査法人 有限責任監査法人トーマツ 監査意見

財務諸表監査:-
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第17期(2021年10月1日~2022年9月30日)の訂正を表明。
その他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第16期(2020年10月1日~2021年9月30日)1442
 第15期(2019年10月1日~2020年9月30日)1443
 第14期(2018年10月1日~2019年9月30日)1444
 第13期(2017年10月1日~2018年9月30日)1445

1446
企業名 株式会社アルデプロ 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすことになり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、過去の特定の取引(以下「本件取引」といいます。)に関連して、外部の指摘により、貸付債権に係る貸倒引当金の計上、取引先の連結子会社該当性等に関する疑義等(以下「本件疑義」といいます。)が判明いたしました。当社は、本件疑義についての事実関係の調査、本件疑義に類似する調査の有無などについて、公正かつ透明性が担保された形で、当社とは利害関係がない外部の専門家によって構成される、社外調査委員会を設置のうえ、同委員会による調査を実施することを決議し、調査を進めてまいりました。
 2023年9月22日に社外調査委員会から調査報告書を受領し、類似事案の調査の結果、一つの信託受益権の売買取引が経済的実質を伴わないため、営業取引として扱うべきではなく、売上計上はできないとの指摘を受けました。
 当社は、報告内容の検討の結果、2023年7月期第3四半期財務諸表に含まれる誤謬を訂正することとし、2023年7月期第3四半期の四半期報告書の訂正報告書を2023年9月29日に提出いたしました。
 当社は、調査報告書で判明した事実やこれらの指摘を踏まえ、当社の全社統制及び当社の決算・財務報告プロセスに係る内部統制の再評価を行った結果、これらの疑義や事態を招いた背景には、財務報告に係る会計倫理や公正透明な取引への意識不足といった統制環境における不備、本件取引先及び利害関係者との取引や関係についてのリスク評価と対応における不備、内部監査等のモニタリングにおける不備及び会計基準等への理解不足や情報不足といった決算・財務報告プロセスにおける不備があったものと認識しております。
 これらの不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼしており、当社は、これらの全社統制及び当社の決算・財務報告プロセスに係る内部統制の一部について、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
 上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関しましては、当該事項の判明が当事業年度の期末日後であったため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、すべて連結財務諸表に反映しております。
 当社は、当社グループにおける財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、社外調査委員会の報告を踏まえ、外部専門家及び監査等委員を中心として実効性のある再発防止策を策定の上、速やかに内部統制の改善を図ってまいります。

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 霞友有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

重要な手続きが実施できないと表明した企業

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