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2022年2月公表「内部統制報告書」記載内容集計表

投稿日時:2022年03月01日(火)

 2022年2月1日以降、2月28日までに公表された内部統制報告書について、「有効である」という結論以外となる報告書を提出した企業及びその内容は次のようになっています。

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業
10
重要な手続が実施できないと表明した企業
0

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業

1177
企業名 株式会社日本M&Aセンターホールディングス 市場 東証1部
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。従って、当事業年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、当社取締役からの情報提供に基づき、管理担当取締役が調査を行ったところ、不適切な売上報告に基づく売上の早期計上が行われている可能性を認識したため、その事実の解明及び原因の究明を行うべく2021年12月20日開催の取締役会において、外部専門家を含む調査委員による調査を開始することを決定しました。
 調査委員会からの調査報告書によると、2019年3月期第1四半期から2022年3月期第2四半期までの間に売掛金計上の対象となったM&A取引の一部について、M&A取引における買い手と売り手の間で締結される株式譲渡契約書等の最終契約書の写し等の署名押印欄を不正操作することによって、署名押印が実際には完了していないにもかかわらず、完了したとの外観を作出し、社内売上報告が行われていたことが判明しました。当社は、当該社内売上報告に基づいて財務会計上の売上を計上しているため、結果として対象期間における売上及び対応する売上原価が早期計上されており、不適切な会計処理が行われていたことを認識しました。
 当社は、報告内容を検討した結果、早期計上された売上及び売上原価について、当初計上されていた期間での計上を取消し、実際に売上計上の要件を充足したと考えられる期間に再計上すること及び経常利益の変動に伴い変動する役員の業績連動報酬について修正することが適切であると判断しました。そこで、各期の財務諸表への影響を検討した上で、2021年3月期の有価証券報告書及び2021年3月期の第1四半期から2022年3月期の第2四半期までの各四半期報告書について決算訂正を行い、2022年2月14日に訂正報告書を提出しました。
 
 調査委員会により認定された不適切な会計処理が生じた原因として、営業部の従業員が四半期業績達成に対して強いコミットメントを求められることにより心理的プレッシャーを受けていたこと、上級管理職へのコンプライアンス教育及び財務的観点での内部統制に関する教育が不十分であったことによる規範意識の低下があったこと、多くの従業員が不適切な売上報告を認識していたにもかかわらず通報制度が機能しなかったこと、内部監査やコンプライアンス委員会等が売上報告に必要な最終契約書等の写しの署名押印欄の不正操作を予見・検出できなかったことといった、全社的な内部統制の不備が指摘されています。また、業務プロセスにおいても、売上報告に必要な売り手・買い手による最終契約書等の写しについて、当該最終契約書等の真正を確かめるための統制機能が存在していなかったこと、営業部門による売上報告の適時性を判断し、売上計上のための要件が充足されているかを判定する管理本部において、客観的な根拠による判断ではなく、案件担当者からの申告・事情聴取に基づく判断を行っていたことといった内部統制の不備が指摘されています。
 当社は、これらの全社的な内部統制及び業務プロセスに関する内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 なお、当該開示すべき重要な不備の特定は、当事業年度末日以降となったため、当該開示すべき重要な不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
 
 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、調査報告書の提言に従って、以下の再発防止策を実行し、内部統制の整備・運用を図ってまいります。
 

1.経営陣によるコンプライアンス遵守の経営理念の策定と経営方針の明確化

2.コンプライアンス所管部署及びチーフコンプライアンスオフィサー(CCO)の創設によるリスクマネジメントの強化

3.実効性のあるコンプライアンス研修・教育の実施

4.総合的な人事評価の採用及び四半期業績達成に関する経営管理手法の見直し

5.通報窓口の充実強化、営業部門のキーパーソンとの定期的な面談の実施

6.監査・監督部門の体制強化

7.本件不適切報告に係る責任の明確化と営業組織の見直し

8.売上報告及び売上計上に関する業務フローの再構築

9.契約文書等ドキュメント管理の徹底
 

以上

付記事項

特記事項

監査法人 有限責任監査法人トーマツ 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考
1178~1182
企業名 株式会社ジー・スリーホールディングス 市場 東証2部
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、2017年8月期に当社が販売した未稼働太陽光発電所の権利の売上について、その売上金額280百万円の計上の時期は、本来であれば2019年8月期に計上すべきものではないかとの外部からの指摘を受け、売上時期の適切性について社内で検討した結果、専門的かつ客観的な調査が必要であるとの判断に至り、2021年11月10日に利害関係を有しない外部専門家3名から構成される特別調査委員会を設置して、調査を進めておりました。
 2022年1月28日に特別調査委員会から調査報告書を受領した結果、連結の範囲並びに売上の計上(売上計上要件を満たさない売上)に関する不適切な会計処理、及び関連当事者の範囲について網羅的な把握ができていなかった等の事実が判明しました。
 このため、当社は過年度の決算を訂正し、2017年8月期から2020年8月期の有価証券報告書、2017年8月期第3四半期から2021年8月期第3四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出することにいたしました。
 特別調査委員会により認定された不適切な会計処理は、当社グループ全体における過度な業績追及の姿勢・認識を背景として、一部の役員への権限が集中したことによる案件のブラックボックス化、コーポレート・ガバナンスの機能不全、並びに内部統制システムの運用不備等により、信頼性のある財務報告を実現するための統制環境の構築が軽視され、広範囲にわたる全社的な内部統制の不備を引き起こした結果、生じたものと認識しております。また、関連当事者の範囲については、決算・財務報告プロセスにおいて、関連当事者を把握するための情報収集体制等に不備があったものと認識しております。
 当社は、従前の代表取締役の退任に伴い組織体制を刷新し経営管理体制を強化したことで、コーポレート・ガバナンスが改善しつつあるものの、このような財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 また、上記事実の特定は当事業年度末日以降となったため、当該開示すべき重要な不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
 なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、全て財務諸表及び連結財務諸表に反映しております。
 
 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を十分認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、以下の調査報告書の提言を踏まえ、再発防止策を早期に検討して実行し、内部統制の整備・運用を図ってまいります。
 
 1.コーポレート・ガバナンスの更なる改革
  (1)取締役会の実効性確保
  (2)監査等委員会の実効化
  (3)取締役会の実効性を高める取締役の選任
 2.業務提携先との関係整備
  (1)利益相反関係への対応
  (2)競業関係の整理
  (3)関連当事者に関する網羅的な情報の把握
  (4)ビジネスパートナーとの業務提携関係の具体化

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 赤坂有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第7期(平成28年9月1日-平成29年8月31日)1179
 第8期(平成29年9月1日-平成30年8月31日)1180
 第9期(平成30年9月1日-令和1年8月31日)1181
 第10期(令和1年9月1日-令和2年8月31日)1182

1183
企業名 サムティ株式会社 市場 東証1部
その内容

  下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備であると捉え、当事業年度末時点における当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
  連結子会社である合同会社アール・アンド・ケイについての企業結合に関する会計処理に関し、負ののれん相当額の算定金額の見積もり及び収益計上区分について誤りが判明しました。
 これにより、当社は2021年11月期に係る第1四半期報告書、第2四半期報告書及び第3四半期報告書に関して訂正報告書を提出いたしました。
 上記の誤りは、例外的な企業結合取引に係る会計処理等に関して、会計基準に照らして社内で詳細に検討する仕組みが十分でなかったことに起因しており、当社の決算・財務報告プロセスに係る内部統制において、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関しましては、当該事項の判明が当事業年度の末日後であったため、当事業年度の末日までに是正することができませんでした。
 なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な訂正事項は、有価証券報告書及び四半期報告書に反映しております。
 当社は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性を認識しており、今後例外的な企業結合取引等の検討に関する内部統制の整備・運用を一層強化し財務報告の信頼性を確保していく方針です。

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 EY新日本有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1184~1186
企業名 株式会社EduLab 市場 東証マザーズ
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制に関する事項は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。従って、当事業年度の末日時点の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、特定の顧客との間の一部取引(以下「本件取引」)において、一連の経緯や価格の妥当性を踏まえた経済合理性について、2021年8月2日付の当社取締役会において、特別調査委員会の設置を決議し、調査を進めてまいりましたが、調査の過程において、有限責任 あずさ監査法人(以下「あずさ監査法人」)から、本件取引とは関連性のない、当社連結子会社と当社関連会社との間の一部取引について、売上の計上が実態を伴うものであるかについて懸念が検出されたため、調査対象範囲を拡大し、併せて調査体制を拡充の上、調査を継続してまいりました。
 当社は、調査の過程で、過年度の連結範囲の決定について疑義が生じたため連結の範囲を変更するとともに、調査対象となっていた取引並びにそれらに類似した一部取引について、本件取引については所要の引当金を計上し、資産の取得とともに引当金を取り崩す処理を行うとともに、一部資産を費用化し、追加で調査対象となった取引等について売上の取消を行うなどの適切な会計処理が必要と判断しました。さらに、2021年10月15日、特別調査委員会から受領した、当該時点までの暫定的な調査結果の概要をまとめた中間報告書の結果を反映し、過年度の決算を訂正し、同日、2016年9月期から2020年9月期までの有価証券届出書及び有価証券報告書、ならびに2018年9月期第3四半期報告書から2021年9月期第2四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出しました。また、あずさ監査法人から、当社グループとその業務提携先等との間の一部の取引に関し、売上高の実在性及び期間帰属の適切性についても調査を行う必要があるという指摘を受け、特別調査委員会による調査を継続することとなりました。
 当社は、2021年10月16日以降、特別調査委員会の調査と並行して、業務提携先等に対する過年度の売上取引の会計処理についての自主点検を実施してまいりました。また、2022年1月以降、当社は、かかる自主点検の客観性を高めるため、当社社外監査役の監督の下、当社と利害関係を有しない弁護士及び会計士からなる外部専門家の支援を得て自主点検を実施しました。この過程で、会計処理の訂正内容及び原因究明について、特定の取引先から受託した多数のシステム開発に関する受託案件についてのソフトウェア資産計上の妥当性や収益の期間帰属の妥当性を確認するために、専門的かつ客観的な調査が必要であると判断した取引に関して、当社は、2021年12月24日付で特別調査委員会に追加で調査を委嘱することを決議し、調査を継続してまいりました。
 当社は、2022年2月25日、特別調査委員会から最終報告書を受領しました。当該報告書の内容を踏まえ、業務提携先等との取引のうち、納品前に売上計上していた取引等を適切な時期に売上計上するとともに、一時点で売上計上していた取引を繰り延べて一定期間で按分計上する等の会計処理の訂正を行いました。加えて、自主点検を行う過程でも、外部専門家の意見も踏まえながら、改めて個々の取引内容を精査した結果、特定の取引先に対してライセンスを付与することを目的に開発するソフトウェアに係る収益について、一時点の売上計上を取り消し一定期間にわたって売上を繰延計上するなど、より実態に合致するよう売上計上方法等の見直しを行いました。
 これに伴い当社は、過年度の決算を再訂正し、その結果、2016年9月期から2020年9月期までの有価証券届出書及び有価証券報告書、ならびに2018年9月期第3四半期から2021年9月期第3四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出することといたしました。
 今般、当社グループにおいて信頼性のある財務報告を実現するための内部統制が有効に機能しなかった原因は以下のとおりと考えております。
 
● 予算達成に向けた意識が強かった一方で、適切な会計処理及び開示に対する意識が全社的に不十分であったこと
● 取締役会で審議することの重要性に対する意識が十分ではなかったこと
● 取締役会による監督機能などガバナンスに問題があったこと
● 社内牽制機能に不足があったこと
● 顧客との取引(含む資産取引)における価格の妥当性や、関係会社向けのライセンス価格の適正性の検証体制が不十分であったこと
● 社内規程等を遵守する意識及び規程違反のモニタリング体制に問題があったこと
● 内部管理部門の管理や内部監査部門の監査が十分ではなかったこと
 
 当社は、これら内部統制の不備が財務報告に重要な影響を及ぼしており、全社的な内部統制及び全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスならびに業務プロセスに関する内部統制について開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
 上記の開示すべき重要な不備については、訂正事項の判明が当連結会計年度の末日以降であったため、当連結会計年度の末日までに是正することができませんでした。
 なお、本書の提出日までに判明している上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、全ての財務諸表及び連結財務諸表に反映しております。
 また、当社は、本件取引に関連して、東京証券取引所に対して2022年1月25日付で「改善報告書」を提出しております。
 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、以下のような再発防止策を中心に内部統制の整備・運用を図るとともに、本件を機に当社グループにおける内部管理体制等の強化に努めてまいります。
 
(1)ガバナンス体制の強化
① 取締役会による監督機能強化
② 稟議の承認フローの見直しとモニタリング強化
③ 内部通報制度の周知徹底
④ 社内規程の周知徹底
(2)取締役会の構造改革
① 社外取締役の充実
② 指名・報酬委員会設置
(3)経営責任の明確化
(4)当社グループ役職員における会計処理に対する理解の醸成
(5)コンプライアンス意識の徹底
① 当社グループ役職員に対するコンプライアンス研修の充実
② 階層別の意識向上・醸成の機会設定
(6)管理・監査体制の強化
① 管理・監査部門のスタッフ増強
② 内部監査体制の強化
③ 監査役、内部監査、会計監査人の連携強化

付記事項

付記すべき事項はありません。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 有限責任あずさ監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第5期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)1185
 第6期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)1186

重要な手続きが実施できないと表明した企業

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