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2021年8月公表「内部統制報告書」記載内容集計表

投稿日時:2021年09月01日(水)

 2021年8月1日以降、8月31日までに公表された内部統制報告書について、「有効である」という結論以外となる報告書を提出した企業及びその内容は次のようになっています。

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業
5
重要な手続が実施できないと表明した企業
0

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業

1133~1137
企業名 ラサ商事株式会社 市場 東証1部
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、2021年3月19日に連結子会社である旭テック株式会社(以下「旭テック」)にて工事部の担当者が、赤字工事の発覚を免れるために工事番号を付け替えることにより、売上及び売上原価を先送りするなど、不適切な会計処理をしていた疑いがあることを認知しました。
  そこで、2021年4月9日付の当社取締役会において、より厳格な調査を行うとともに、調査の客観性及び信頼性を高めるため外部専門家が主体的・主導的に調査を行う社内調査委員会の設置を決議し、事実の解明及び原因の究明に着手しました。
  2021年8月17日、社内調査委員会から調査報告書を受領し、上記売上及び売上原価の先送りが行われていたことに加え、その他にも不適切な会計処理があったことの報告を受けました。
  当社は、報告内容を検討した結果、過年度の決算を訂正し、2017年3月期から2020年3月期の有価証券報告書並びに2019年3月期第2四半期から2021年3月期第3四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出しました。
  社内調査委員会により認定された不適切な会計処理が生じた原因は、以下のとおり、旭テックの内部統制が信頼性ある財務報告を実現するための十分な牽制機能を果たしていなかったことによるものと考えております。

・旭テックは、年俸制を選択した工事担当者に対しては、特殊な業績連動型の給与制度を採用していたため、一部の工事担当者は目標達成に対して強いプレッシャーにさらされていた。そのため、不適切な方法を用いてでも目標を達成するというインセンティブが生じた。研修等を通じたコンプライアンス意識の醸成も十分でなかったことから、社内において適切な財務報告を行うという視点や意識が欠け、上記事実を未然に防止、早期に発見することが出来なかった。また、注文書が発行されない特殊な慣例取引であることも相俟って、業務プロセスに関する内部統制も十分に機能せず不適切な会計処理がなされていた。
・旭テックは、管理部門を軽視する傾向にあり、工事担当者から経理担当者へ工事内容に関する十分な情報提供がなされていなかった。そのため、経理担当者は工事内容を詳細に知りえず、本来の牽制機能を十分に発揮することができなかった。

  また、当社が親会社として、旭テックにおける不適切な会計処理を防止できなかったことについては、以下のような原因があったものと考えております。

・当社は、子会社等に対し、役員派遣や内部監査室による内部監査、管理本部による指導等を通じ、統制を図ろうとしたが、従前のやり方に委ねる部分も多く、モニタリングをはじめとしたグループ内部統制を十分に機能させることができなかった。
・当社は、子会社等に対し、規範意識や会計リテラシーを理解して行動するための研修等を通じたコンプライアンス意識の醸成・保持に関する指導が不十分であった。

  当社は、これらの内部統制の不備が財務報告に重要な影響を及ぼしており、当社及び旭テックの全社的な内部統制及び旭テックの業務プロセスに関する内部統制について開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 
上記の開示すべき重要な不備については当事業年度末日後に認識したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することはできませんでした。なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、全て連結財務諸表に反映しています。
 
当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、社内調査委員会の指摘・提言を踏まえ、以下のとおり、実効性のある再発防止策を策定の上、適正な内部統制の改善を図ってまいります。
  再発防止策(基本方針)
  1.牽制機能を果たし得る組織への転換
  2.当社によるグループ内部統制機能の強化
  3.コンプライアンス意識の涵養及び研修等を通じた指導
  4.内部統制を強化するための施策

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 八重洲監査法人 監査意見

財務諸表監査:限定付適正
内部統制監査:適正

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第115期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)1134
 第116期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)1135
 第117期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)1136
 第118期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)1137

重要な手続きが実施できないと表明した企業

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