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2021年6月公表「内部統制報告書」記載内容集計表

投稿日時:2021年07月01日(木)

 2021年6月1日以降、6月30日までに公表された内部統制報告書について、「有効である」という結論以外となる報告書を提出した企業及びその内容は次のようになっています。

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業
26
重要な手続が実施できないと表明した企業
0

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業

1102~1105
企業名 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ 市場 東証JASDAQスタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制に関する事項は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において当社並びに当社連結子会社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、2021年3月期に関する決算作業及び会計監査の最終過程において、2017年3月に子会社化したドイツのHarmonic Drive SE(以下、HDSE)の企業結合に係る過年度の会計処理に誤りがあることを認識いたしました。当該誤謬は、2017年3月期に投資ファンドとの共同買収により持分法適用会社であったHDSEを子会社化した際に暫定的な会計処理として認識した”のれん”について、2018年3月期に確定した”無形固定資産”と”のれん”に配分した際の会計処理に起因するものです。本来であれば無形固定資産への配分にあたり、共同買収者であるファンドに係る非支配株主持分を認識すべきところが未認識となっていたことにより、”のれん”と”非支配株主持分”が過少計上となっておりました。また、これに伴い、”のれん”に係る償却費の計上が過少となっていたことから、損益に与える影響もあることが判明いたしました。
 本件は、投資ファンドとの共同買収による企業結合時における暫定的な会計処理及びその確定処理という当社にとってこれまで処理したことのなかった非定型的な取引に関連し、非支配株主持分関連の手順の整備が必ずしも十分でなかったことが原因であり、財務報告に重要な影響を及ぼしていることから、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 なお、上記につきましては、当該誤謬の判明が当該事業年度の末日以降であったため、当該事業年度の末日までに是正することができませんでしたが、当該不備に起因する必要な修正事項は2021年3月期の連結財務諸表に反映しております。
 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を強く認識しており、本誤謬に関する問題点を踏まえ、決算上の重要な検討事項に関する業務手順を定めた書面の整備・運用の徹底等のプロセスを整備していく方針です。

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 PwCあらた有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第30期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)1103
 第31期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)1104
 第32期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)1105

1106
企業名 株式会社アーレスティ 市場 東証1部
その内容

 上記の評価の結果、下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備について、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性があるため、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日(2021年3月31日)時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社の米国連結子会社であるアーレスティウイルミントンCORP.において、決算・財務報告プロセスにおける、各決算処理の承認手続及び網羅性を確認する手続きの整備・運用が不十分であったことなどに起因した、棚卸資産の評価漏れ、固定資産の表示科目誤り、貸借対照表科目の流動固定分類誤りを含む相当数の誤りが、監査人の監査の過程で判明いたしました。これらの誤りを社内の決算・財務報告プロセスにおいて発見できなかったことについて、財務報告に与える影響が大きく重要性が高いと判断し、開示すべき重要な不備として認識いたしました。
 上記については、当事業年度の末日後の決算作業中に発見されたものであるため、当事業年度の末日までに是正が完了しておりません。なお、上記の開示すべき重要な不備に関連する取引については再検証を行い、その結果必要と認められた修正は、重要性の乏しいものを除き、すべて連結財務諸表に反映しております。
 上記不備の主な発生原因は、経理担当マネージャーの退職を含む経理担当人員の大幅な変更等により業務の引継ぎ及び教育が不十分であった点や適切な業務手順・決算マニュアル等が十分に運用されていなかった点にあると認識しております。
 当社は、上記内部統制の重要な不備を速やかに是正するため、リスクを網羅的に把握して業務手順・決算マニュアル等を適時に更新するとともに、各プロセス担当者・経理担当者が当該手順・マニュアル等を十分に理解し業務としての浸透を図るべく本社主導での研修を実施し、業務及び決算に係る統制が十分に機能する体制を早急に整備します。また、内部統制の運用に係る実効性を確保するため、人員体制の充実を図るとともに業務分担を明確化して仕訳の承認統制を強化することで仕訳の正確性を維持向上し、現地マネジメントや本社経理部門が定期的に実施する財務数値の増減分析・推移分析における分析基準値を下げることでより分析精度を高めます。また、これらの対応が十分に効果を発揮するまでの期間、本社経理部門から人的支援を含む決算体制のサポートを行います。

付記事項

付記すべき事項はありません。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 有限責任監査法人トーマツ 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1107
企業名 JBCCホールディングス株式会社 市場 東証1部
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日現在において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしました。
 

 
 当社は、2021年3月期決算の作業過程において、買掛金計上に一部誤謬があり、買掛金残高の精査を行った結果、連結子会社であるJBCC株式会社のクラウドビジネスの会計処理において、見積原価から実際原価への洗い替えの一部が正しく行われていなかったため売上原価が過少に計上されていることが判明しました。当該誤謬は、関連する組織間でのコミュニケーション不足による見積原価から実際原価への洗い替え数値に対する検討やモニタリング体制が不十分であったことに起因するものであり、関連する決算・財務報告プロセスに係る内部統制の整備の不備と判断いたしました。
 
 上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備は、当事業年度末日以降に発見されたため、当事業年度末日までに是正できませんでした。
 なお、上記開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は連結財務諸表に反映しており、当事業年度の連結財務諸表に与える影響はありません。
 
 当社は、財務報告に係る内部統制の整備について、その重要性を再認識し、今後は以下の対応策をはじめとする是正措置について整備・運用を行い、適切な内部統制の強化及び徹底を図り、継続的に内部統制を強化していく方針です。
(対応策)
 ①経理財務主導による報告数値の妥当性の検証
 ②システムによる監視プログラムや検証レポートの整備による検証の強化
 ③新規ビジネス開発でのシステム設計の段階からの経理財務の参画

付記事項

付記すべき事項はありません。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 PwCあらた有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1108
企業名 ネットワンシステムズ株式会社 市場 東証1部
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。したがって、当事業年度末日時点において、当社及び連結子会社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。
 

 
 当社は、前事業年度末日時点において、商流取引に関するルールの形骸化等、受発注から検収に至る業務プロセスに係る内部統制が不正リスクを考慮して運用することができていなかったこと、並びに、業務プロセスに係る内部統制の運用状況に影響を及ぼす全社的な内部統制についても、リスク管理の推進態勢や経営者・管理者によるコンプライアンス活動等が不十分であったことは、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。当該開示すべき重要な不備を是正するため、当事業年度において以下の是正措置を整備し、概ね運用を開始しました。
 ア 商流取引に関する架空取引リスクを排除するための営業取引の基本方針の見直し
 イ リスク管理体制の強化
 (ア)CRO(Chief Risk Officer)の役割及びリスク管理の責任部門の明確化
 (イ)部門ごとの重要リスクの識別・評価
 (ウ)内部監査の強化
 ウ 業務プロセスに係る内部統制の強化
 (ア)営業部門の権限の見直し
 (イ)購買部門の独立及び購買プロセスに係る内部統制の見直し
 (ウ)人事ローテーションの実施による業務の属人化の防止
 エ コンプライアンス活動の見直し
 (ア)内部通報制度の運用見直し
 (イ)コンプライアンス教育を通じた経営層や幹部職を含む全社員のコンプライアンス意識の強化
 (ウ)従業員相互の信頼感を醸成し協調性を重視する企業風土の形成
 
 しかしながら、当事業年度においても、外部機関から従業員不正の指摘があり、有価証券報告書及び四半期報告書の訂正報告書を提出することになりました。本不正行為の背景として、短期的な業績向上に注力するために個人の成果主義に依拠した経営体制であったことを背景とした企業風土、一連の過去の不正取引において内部からの積極的な発見を推奨する体制が不十分であったこと、経営陣が現場の状況を十分に把握できていなかったことなどがあると認識しており、前事業年度に識別した全社的な内部統制の不備が十分に是正されていないものと判断しました。また、受発注から検収に至る業務プロセスに係る内部統制についても、情報サービス産業における会計環境の特質を考慮して内部統制を構築・運用することに課題が残っており、前事業年度に識別した業務プロセスに係る内部統制の不備の一部が是正されていないものと判断しました。
 
 事業年度の末日までに是正されなかった理由は、是正措置の運用開始が当下半期からとなったこと、2021年3月に外部調査委員会からガバナンス・企業文化に関する提言を受領したことなどから当該事業年度末日まで時間がなく、また、ITに係る業務処理統制の導入が翌事業年度からとなったためであります。
 一方、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性は認識しており、当社としても前事業年度の再発防止策に加えて2021年3月に下記の追加の再発防止策を宣言しております。翌事業年度においては、適切な内部統制を整備・運用する方針であります。
 (1)ガバナンスの改革と推進
 (2)リスク管理体制の強化
 (3)業務執行(第1ライン・第2ライン)に係る体制及び社内体制の強化
 (4)内部監査体制の抜本的な見直し
 (5)従業員の声を集める仕組み
 (6)組織文化の改革・形成
 (7)会計リテラシー教育及び過去の不祥事からの学び・啓蒙
 (8)モニタリング体制の継続
 
 なお、当事業年度末日時点において開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、社内調査によって特定され、全て財務諸表及び連結財務諸表に反映しております。

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 有限責任監査法人トーマツ 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1109~1113
企業名 北陸瓦斯株式会社 市場 東証2部
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備であると捉え、当事業年度末日時点における当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は過去の事業譲受けにおいて企業結合に係るのれんを認識し、連結財務諸表等に計上しておりますが、このたび、2021年3月期決算の作業過程におきまして、そののれんに係る税効果の会計処理等に誤りが判明しました。
 
 これにより、当社は過年度の決算を訂正するとともに、2016年3月期から2020年3月期の有価証券報告書及び2019年3月期第1四半期から2021年3月期第3四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出いたしました。
 
 上記の誤りは、事業譲受けに係る会計処理に関して、当社の確認が十分でなかったことに起因しており、当社の決算・財務報告プロセスに関連する内部統制において、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 
 上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備につきましては、当該事項の判明が当事業年度の末日後であったため、当事業年度の末日までに是正することができませんでした。なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な訂正事項は、有価証券報告書及び四半期報告書に反映しております。
 
 当社は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性を認識しており、決算・財務報告プロセスにおいて、事業譲受けに係る会計処理の手続の整備・運用を行い、財務報告の信頼性を確保していく方針であります。

付記事項

「3 評価結果に関する事項」に記載した開示すべき重要な不備を是正するために、当事業年度の末日後、事業譲受けに係る会計処理に関してのチェックリストを整備いたしました。内部統制報告書提出日までに是正後の内部統制を評価した結果、内部統制報告書提出日において、上記に係る内部統制の整備状況については有効であると判断いたしました。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 EY新日本有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第166期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)1110
 第167期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)1111
 第168期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)1112
 第169期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)1113

1114
企業名 鉱研工業株式会社 市場 東証JASDAQスタンダード
その内容

 上記評価の結果、下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社の財務諸表及び連結財務諸表作成の過程において、当社の監査人より当事業年度の財務報告に修正が必要となる重要な事項について指摘を受けました。具体的には、当事業年度の課税所得の調整計算及び繰延税金資産の算出過程において一部金額の誤りが検出され、これらに起因する法人税等及び繰延税金資産の過大計上が判明いたしました。
 これらの誤りが当社の内部統制により検出されなかったのは、決算・財務報告プロセスの一部に内部統制の不備が存在していたことが原因であり、開示すべき重要な不備に該当するものと判断いたしました。
 上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備が、事業年度の末日までに是正されなかった理由は、上記の誤りを当事業年度末日後に認識したためであります。
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために精査手続の厳格化、経理部門の専門知識の強化等再発防止策を講じ、内部統制体制の強化を図ってまいります。
 なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は適正に反映しており、当事業年度の財務諸表及び連結財務諸表に与える影響はありません。

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 EY新日本有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1115
企業名 株式会社ひらまつ 市場 東証1部
その内容

 上記の評価の結果、2021年1月12日付の訂正内部統制報告書にて開示した2020年3月31日時点における開示すべき重要な不備については、当事業年度末日現在において依然として開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 
 当社は2020年12月25日に緊急対策本部を設置し、関連当事者取引に関する不正な財務報告の再発防止策の策定及び内部統制体制の再構築を検討いたしました。当該再発防止策を着実に実行しガバナンス体制及び内部統制の強化に努めてまいりましたが、当事業年度末日までに十分な期間がなく、下記のとおり開示すべき重要な不備の是正を2021年3月31日までに完了することができませんでした。
 

(1) 当社の当時の経営者と当社創業者との特殊な関係から当社と株式会社ひらまつ総合研究所又はその関係者との関連当事者取引についてコンプライアンス意識が歪められ取締役会及びガバナンス委員会による統制が十分に機能していない不備に対する下記の是正が2021年3月31日までに完了できませんでした。

 

● 取締役会の構成員の過半数を社外取締役とし取締役会による監督機能を強化すること。

● ガバナンス委員会について、①委員長を独立社外取締役とし、②構成員を独立社外取締役及び代表取締役社長兼CEOとし、③独立社外監査役及び社外有識者をオブザーバー参加させることによりガバナンス委員会による監督機能を強化すること。

(2) 固定資産の減損の兆候判定において使用する各店舗の業績に対する、取締役会によるモニタリングが十分ではない不備に対する下記の是正が2021年3月31日までに完了できませんでした。

 

● 取締役会による効果的なモニタリングに資するよう、各店舗の概況その他の分析を明記した資料を取締役会に提出すること。

● 各店舗に係る人件費等の重要な費用について直近3期分の比較分析結果を取締役会で説明し審議すること。

● 上記の審議が実施されていることを事後的に確認できるよう、審議の状況を記載した取締役会議事録を作成すること。

 
 当社は、これらの開示すべき重要な不備を是正するために引き続き再発防止策を着実に実行し、ガバナンス体制及び内部統制の一層の強化を図ることにより、お客様、株主様等、ステークホルダーの皆様の信頼回復に全力で取り組んでまいります。

付記事項

 ガバナンス委員会規程第8条を受けて、2021年4月23日の取締役会で取締役会構成及び選任基準が決議・承認され、2021年5月28日の取締役会において、新任独立社外取締役候補者1名の推薦が決議・承認されました。なお、新任独立社外取締役は、2021年6月28日開催の当社第39期定時株主総会の決議を経て、同日就任しました。
 
 2021年6月28日の第39期定時株主総会後に開催されたガバナンス委員会にて、独立社外取締役がガバナンス委員会委員長に選任され、同日就任しました。
 
 2021年6月28日開催の取締役会より、各店舗に係る人件費等の重要な費用について直近3期分を比較分析し、分析結果を説明し審議しております。
 
 上記の運用を確実に実施し続けることにより、開示すべき重要な不備を解消してまいります。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 EY新日本有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1116
企業名 サクサホールディングス株式会社 市場 東証1部
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、2020年10月7日に特別調査委員会より調査報告書を受領し、同日付「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」で不適切な会計処理等の問題に関して公表し、当該疑念以外に経理部門による不適切な決算調整、売上のスルー取引、超過開発受託費用の販売目的ソフトウェアへの振替、長期滞留品の減損、中国における贈賄の疑義、売上前倒し計上の疑義、保守サービス契約の収益認識、子会社における不適切な会計処理等を含む多種多様の不適切な会計処理を行っていたことが判明いたしました。また、調査の過程において、ソフトウェア開発における会計処理等の誤謬が判明いたしました。
 
 これに伴い当社は、過去に提出済みの有価証券報告書等に記載されております連結財務諸表および財務諸表ならびに四半期連結財務諸表等で対象となる部分について訂正し、2020年10月12日に2016年3月期から2019年3月期までの有価証券報告書および2018年3月期第2四半期から2020年3月期第3四半期までの四半期報告書に係る訂正報告書を、2020年3月期の有価証券報告書および2021年3月期第1四半期の四半期報告書をそれぞれ提出いたしました。
 特別調査委員会により認定された不適切な会計処理は、長年にわたり当社の経営陣が経営数値を過剰に意識し、その過剰な意識に基づいて行われた不適切な言動の蓄積により、経営数値は作り出すもの・作り出されるものというような誤った考えが醸成され、企画部門および経理部門の役職員に伝播することにより、信頼性のある財務報告を実現するための統制環境の構築が軽視され、広範囲にわたる全社的な内部統制の不備を引き起こした結果、生じたものと認識しております。
 特に経理部門および開発部門による不適切な決算調整や開発費用の販売目的ソフトウェアへの振替が行われていたことは、適正な財務報告に関する意識の欠如やソフトウェアの振替処理に係る明確なルールの欠如等により、ソフトウェア関連プロセスにおけるソフトウェアの振替処理に関する内部統制の整備・運用状況に不備が生じていたことが原因と考えております。
 また、売上のスルー取引、売上前倒し計上が行われていたことは、当該取引に関与していた部門における売上計上に関する会計基準に対する認識の欠如や収益認識に係る明確なルールの欠如等により、販売プロセスにおける収益認識に関する内部統制の整備・運用状況に不備が生じていたことが原因と考えております。
 このような財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼしており、全社的な内部統制および業務プロセスに関する内部統制の不備は開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 なお、当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、調査報告書の提言に従った以下の再発防止策を実行し、内部統制の整備・運用を図ってまいりました。
 
1.経営陣の刷新およびガバナンス体制の再構築(整備完了・運用完了)

 当社および当社連結子会社の役員のスキル、能力、今回の不正関与を踏まえた体制の見直し、組織改正について協議を行い、2020年11月4日付「役員の異動に関するお知らせ」、11月12日付「組織改正および人事異動に関するお知らせ」をそれぞれ公表し、連結子会社は2020年11月30日付、当社は2020年12月4日付で経営陣を刷新しております。2020年12月4日に開催された臨時株主総会にて常勤取締役と社外取締役を同数化し、常勤取締役のみの賛成では可決できない体制することで社外取締役による経営に対する牽制機能を強化しました。また、この牽制体制を実効化させるため、当社グループ間における役員兼務を原則禁止し、取締役会の付議事項の規定化や2020年10月12日に設置したタスクフォースにおいて2020年12月に追加した情報共有機能による決議・報告事項についての事前の議論などすることで取締役会での議論が活発に行う体制を構築し、運用しております。
 上記の結果、再発防止策の整備および運用について、当事業年度の末日までに評価が完了しました。

 
2.コンプライアンス意識向上・企業風土改革(整備一部未了・運用一部未了)

 新たな「ビジョン」、「行動指針」および「行動規範」を制定し、カードやハンドブックを当社および連結子会社全ての役職員へ配布して周知を行うとともに、率直にモノが言える環境を整備するために当社グループ全社員を対象とした当社取締役によるワークアウト(対話)を当社および一部の連結子会社に対して実施しました。また、行動規範の個人業績目標への落とし込む仕組みの検討を進めました。
 さらに、コンプライアンス意識を向上させるため、2020年12月に設置したグループ内部統制室により、連結子会社による内部統制システムの自主点検等に対するモニタリング、当社および連結子会社の役職員を対象としてコンプライアンス研修を実施しました。
 上記の結果、再発防止策の整備について当事業年度の末日までに十分な期間がなく、一部の評価を完了しませんでした。また、運用についても、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、一部の評価が完了しませんでした。

 
3.全社的な従業員へのコンプライアンスおよび会計教育(整備完了・運用一部未了)

 「2.コンプライアンス意識向上・企業風土改革」にて記載したコンプライアンス研修のほか、不正や誤謬の再発防止を目的に、当社グループの経理部門に属する役職者を対象とした会計倫理教育、不適切な会計処理の理解を目的とした研修、経理に関するグループ共通会計処理の理解を目的として経理規程の改訂等および教育を実施いたしました。
 上記の結果、再発防止策の整備については当事業年度の末日までに評価が完了しました。しかし、運用については、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、一部の評価が完了しませんでした。

 
4.グループ経営体制の強化(整備完了・運用未了)

 2021年3月1日付で「グループ子会社管理規程」を制定し、当社連結子会社の自主運営、主体的な予算計画の策定・進捗管理、グループ内取引の取引基準、グループ経営会議の定期開催、企画部による定期的な当社連結子会社の業績評価の実施等を規定化しました。また、同規程に基づき予算の策定作業を開始しております。
 上記の結果、再発防止策の整備については当事業年度の末日までに評価が完了しました。しかし、運用については、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、評価が完了しませんでした。

 
5.管理部門の適正化(整備完了・運用完了)

 2020年12月4日付で専任の財務戦略管掌取締役を外部から登用するとともに、公認会計士などの外部専門家と契約を締結し支援を受け業務の運用を開始しており、円滑な業務運営体制を構築し適正化を図りました。なお、今後も一部の外部専門家の活用については継続して運用していく予定です。
 上記の結果、再発防止策の整備および運用について、当時事業年度の末日までに評価が完了しました。

 
6.人事ローテーションの実施(整備未了・運用未了)

 人事ローテーションガイドラインの検討を進めました。
 上記の結果、再発防止策の整備および運用について、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、評価が完了しませんでした。

 
7.内部監査の強化(整備一部未了・運用未了)

 取締役の恣意的な介入を排除するため、監査室を代表取締役社長の直轄とし、2020年12月10日付で「内部監査規程」を改訂し発見事項と報告ルールを明文化しました。今後、同ルールに基づき監査報告を開始いたします。また、監査体制を強化するため、監査室長人事を監査役会同意事項とするとともに、要員の一部増強やスキルアップ、監査役および会計監査人との連携強化を進めました。
 上記の結果、再発防止策の整備について、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、一部の評価が完了しませんでした。また、運用についても、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、評価が完了しませんでした。

 
8.内部通報制度の強化(整備完了、運用完了)

 通報者保護を目的として、2020年12月29日付で「ヘルプライン規程」を改訂し、新たな社外窓口について規定することに加え、通報先、匿名通報への対応等通報しやすい仕組みとするとともに、顧問弁護士以外の外部通報窓口を設置し、社内文書や行動指針ハンドブックへの記載、社内イントラネットへの掲載などで周知し、内部通報制度の強化による通報機能の拡充を行いました。
 上記の結果、再発防止策の整備および運用について、当事業年度の末日までに評価が完了しました。

 
9.決算・財務報告プロセスおよび業務プロセス改革(整備一部未了、運用一部未了)

 決算・財務報告プロセスにおいては、連結子会社1社において不適切な決算調整や開発費用の販売目的ソフトウェアへの振替に対応するため、「開発費管理規程」等の開発費の管理方法の規定化を行い、その中でソフトウェア資産計上ポリシーを制定しました。また、従前は主にソフトウェアの振替処理の手続を決算財務報告プロセスの一部として評価していましたが、ソフトウェアの開発の開始から計上・償却に至る一連の関連業務を業務プロセスと位置付けて評価することとし、上記ルールに基づく運用を開始しました。
 上記の結果、再発防止策の整備および運用について、当事業年度の末日までに評価が完了しました。
 業務プロセスにおいては、売上のスルー取引、売上前倒し計上を防止するため、「収益認識に関する要領」を制定し、業務プロセスのルールの見直しや手続の周知・導入を進めました。
 しかし、上記スルー取引や売上前倒し計上に対応した具体的なルールの設定や手続の周知・導入が十分に進まず、再発防止策の整備および運用について、当事業年度の末日までに評価が完了しませんでした。

 
  上記のとおり、「2.コンプライアンス意識向上・企業風土改革」、「3.全社的な従業員へのコンプライアンスおよび会計教育」、「4.グループ経営体制の強化」、「6.人事ローテーションの実施」、「7.内部監査の強化」、「9.決算・財務報告プロセスおよび業務プロセス改革」に記載の一部の再発防止策については、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、再発防止策の実行が完了しませんでした。

付記事項

 「3 評価結果に関する事項」に記載した、開示すべき重要な不備を是正するための再発防止策について、当事業年度の末日後から内部統制報告書提出日までに、以下の措置を実施しました。この結果、再発防止策の整備状況は概ね目途がついてきたものの、運用状況については引き続き確認を行ってまいります。
 
 2.コンプライアンス意識向上・企業風土改革
   行動規範の個人業績へ落とし込む仕組みとして「人事評価基準」等の評価制度を改訂しました。
 
 4.グループ経営体制の強化
   2021年3月1日付で制定した「グループ子会社管理規程」に従い予算の策定を行いました。
 
 6.人事ローテーションの実施
   2021年4月1日付で「人事ローテーションガイドライン」を制定しました。
 
 7.内部監査の強化

 2021年4月に監査要員を追加採用し、要員増強が完了しました。また、2021年5月13日付で「内部監査運用規則」を改訂し、要員のスキルアップについての方針を明文化するなどの対応を行いました。

 
 9.決算・財務報告プロセスおよび業務プロセス改革

 業務プロセスにおいては、売上のスルー取引、売上前倒し計上に対応するため、「収益認識に関する要領」を改訂し、収益認識に係る明確なルールを定めました。さらに、一部の連結子会社について、規程に基づきスルー取引における受注時の承認や事後の報告の仕組みを整備しました。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 EY新日本有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1117
企業名 ユニデンホールディングス株式会社 市場 東証1部
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断致しました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社グループの前連結会計年度(2020年3月期)の連結決算は、米国販売子会社Uniden America Corporation(以下「UAC」)及び豪州販売子会社Uniden Australia Proprietary Limited(以下「UAUS」)での不適切な売上等の会計処理の発覚で、第三者機関として専門性の高い会計士事務所及び法律事務所による詳細な調査を受けたことや、当社及びUACでは、契約監査法人の変更もあり、大幅な決算遅延し2020年9月30日に漸く決算が確定しましたが、前連結会計年度の監査結果は、2019年3月期のUACの未払Chargebackの処理について限定事項となる限定付適正意見という厳しい結果となり、当社の財務報告に関する内部統制は有効に機能しておらず、開示すべき重要な不備があると評価しました。
 当連結会計年度(2021年3月期)においては、これらを受け、2020年10月から経営体制の再構築、内部統制の改善・再構築にグループ挙げて取り組んでまいりました。
 具体的には、2020年9月に西川健之が当社社長に就任して以降、会計不祥事を引き起こした旧体制からの脱却を図るため、経営体制の見直しも含む役員構成の一新や企業風土の刷新など、新生ユニデンを誓い、あるべき姿を目標に精進してまいりました。これらの一連の活動の結果、2021年5月17日には、新経営陣のもと、新ユニデンとして生まれ変わったことを対外的にも宣言し、旧体制からの決別と脱却を図りました。今後は、この新ユニデン宣言のもと、更なる、改革に取り組んでまいります。
 また、問題となったUACでは新基幹システムの導入を図るなど、これら子会社での業務フローの見直しを進め、業務記記述書並びにリスク・コントロール・マトリックスの作成も並行して実施し、内部統制の改善に取り組んでまいりました。
 しかし、2021年3月末までに、これら海外子会社の業務処理を全て改善するには至らず、UAC及びUAUSにおける決算監査の過程で、売上プロセスや決算財務プロセスなどについての内部統制の不備を現地監査人から指摘を受けるなど、問題の生じていたUAC及びUAUSにおいて、内部統制の不備が残る結果となってしまいました。
 このため、当社の2021年3月末時点の財務報告に関する内部統制は依然として有効ではなく、開示すべき重要な不備が存在すると評価致しました。
 これらについて、期末までに是正を図ることができなかった理由は、不備の改善対応が2020年10月からとなってしまったことやコロナウイルス感染症拡大防止対策下での業務を余儀なくされたこと、UACではテキサス州での寒波も突発的に発生し、業務を一時停止せざるを得ない状況も発生するなど時間的・物理的の制約を受けた結果、あるべき統制の運用の徹底や十分な是正期間を確保できずに期末を迎えてしまったことが大きな原因であると評価しております。
 当社グループは、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、現在進行している2022年3月期におきましても、継続して、これら残存する不備の是正に向けた活動を進めており、更なる内部統制の改善、統制強化に向けた活動を継続して図ってまいります。
 なお、上記の開示すべき重要な不備に関連する必要な修正事項は、全て連結財務諸表に反映しております。2021年3月期決算は、監査法人との協議・指導に従い適切な会計処理に努めた結果、2021年3月期の連結決算の会社法監査意見は無限定適正意見となっており、指摘された内部統制の不備について、決算に与える影響はございません。

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 監査法人アリア 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1118
企業名 小倉クラッチ株式会社 市場 東証JASDAQスタンダード
その内容

 当社は、2020年12月16日付で訂正した内部統制報告書において、前事業年度末日である2020年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断し、開示すべき重要な不備を是正すべく改善策を実行してまいりました。これらのうち全社的な内部統制及び決算・財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備の改善策の一部については、運用期間を十分に確保できなかったことから、当該改善策が十分に運用できていることについて確認できていません。
 
 よって、下記Ⅱ.に記載した、当社の全社的な内部統制及び決算・財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。したがって、当事業年度末時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断しました。
 

 
Ⅰ.実施した内部管理体制の改善策
 当社は、中国子会社である小倉離合機(東莞)有限公司(以下、「OCD」)及び小倉離合機(長興)有限公司(以下、「OCC」)における期末棚卸資産の過大計上の可能性を、また米国子会社Ogura Industrial Corporation(以下、「OIC」)の銀行口座からの不審な送金に対し、元従業員による横領の可能性を認識したため、2020年10月5日、特別調査委員会を設置し、調査を実施しました。
 2020年12月16日に特別調査委員会からの報告書を受領し、中国子会社2社の棚卸資産の過大計上に関しては、2014年12月末以降、商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品が過大に計上されていたこと、また、OICの銀行口座からの不審な送金に関しては、2018年6月以降、虚偽の費目で複数回にわたり元従業員の口座に不正に送金されていたことの報告を受けました。
 当社は、過大計上となっていた棚卸資産の修正を行うとともに、不正な送金についても修正処理を行うため、2016年3月期から2020年3月期の有価証券報告書、及び2018年3月期の第3四半期から2021年3月期の第1四半期までの四半期報告書についての決算訂正を行い、2020年12月16日に訂正報告書を提出致しました。
 
 当社は、棚卸資産の過大計上については、OCD及びOCCにおける会計システムへの理解不足や、実地棚卸の重要性に対する理解不足、また、不正な送金については、OICにおける経営陣の送金方法に対する理解不足、送金権限の不適切な設定が直接的な原因であると認識しております。
 また、その背景には、それら各在外子会社における不明確な責任体制や内部統制に関する意識不足、ひいては当社における在外子会社の管理体制や上場会社としての適正な情報開示への意識が必ずしも十分でなかった点も認識しております。
 
 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの内部統制の不備を是正するため、特別調査委員会からの提言を踏まえて、以下の改善策を講じ、適切な内部統制を整備・運用すべく取り組んでまいりました。
 
1.当社管理部門における在外子会社の管理体制の強化

・全子会社に対する、四半期ごとにリスク情報収集を目的としたアンケートを実施及び対応検討、在外子会社との定期的なWEB会議開催等

2.OCD及びOCCにおける責任体制と役割の明確化

・当社からの出向者に対するオンラインによる研修及び人事評価の見直し、当社からの出向者と現地従業員のコミュニケーション不足解消のための意見交換会の開催等

3.OCD及びOCCにおける会計システムの適切な運用に向けた仕組みの構築

・会計システム責任者の任命

・外部のシステムコンサルタント及び会計専門家の活用

4.OCD及びOCCにおける実地棚卸の精度の向上

・棚卸実施規程の見直し、実地棚卸に関する教育研修の実施、実地棚卸後の振り返りミーティング実施等

5.OICにおける送金業務プロセスの見直し

・送金手続の見直しと送金データの事後チェックの実施

6.OIC経営陣に対する教育

・OIC経営陣に対するリスク管理及びコンプライアンス教育の実施

7.内部監査の強化

・OCD・OCC・OIC に対する年1回、その他の子会社に対する3年毎の内部監査実施、監査役と内部監査室の連携によるリスク情報の把握

8.適正かつ迅速な情報開示のための取り組み

・経営陣及び管理職、その他関連部署に対する教育研修の実施、常務会の設定等

9.その他の追加的な対応

・内部通報制度の見直しと周知徹底、当社経営陣と社外役員との定期的な意見交換の実施

 
Ⅱ.2021年3月期の状況
 当社は、2021年1月14日以降、識別した財務報告に係る重要な不備を是正するため、上記Ⅰ.の改善策の整備、運用を開始し、その結果、OCD・OCCの実地棚卸プロセスやOICの出金プロセス等については、是正を確認できました。しかしながら、一部の改善策については、運用期間を十分に確保できなかったことから、当該改善策が十分に運用できていることについて、当事業年度末時点では確認できていません。
 
 当事業年度末時点では、当社の全社的な内部統制の不備について、子会社モニタリング意識、危機管理意識、リスク情報の迅速な伝達、闊達な情報伝達風土の醸成等、改善は進んでいるものの、「各在外子会社における不明確な責任体制」、「不十分な在外子会社管理体制」、「当社による在外子会社のサポート・監視の不足」、「重大なリスク情報を迅速に報告しにくい企業風土」、「社内で監視する意識と内部監査の脆弱性」の改善策については、運用状況を確認するための十分な期間が確保できませんでした。
  また、当社の決算・財務報告に関わる内部統制の不備についても、財務部門従業員の適切な財務報告に関する意識について、外部講師による財務リスクの教育を実施する等により改善は進んだものの、「当社財務部門における危機管理能力の不足」、「上場会社としての適正な情報開示」の改善策については、全社的な内部統制同様、運用状況を確認するための十分な期間が確保できませんでした。
 
 なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する連結財務諸表における必要な修正事項は、適正に修正しております。
 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、残存する内部統制の重要な不備の是正に向け、当社財務部門のリスクマネジメント・危機管理能力強化、リスク情報の迅速な伝達等、当社による在外子会社管理体制の強化及び適正かつ迅速な情報開示のための取り組みを進めてまいります。

付記事項

該当なし。

特記事項

該当なし。

監査法人 有限責任あずさ監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1119
企業名 中小企業ホールディングス株式会社 市場 東証2部
その内容

 上記の評価の結果、下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備について、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性があるため、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。したがって、当連結会計年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。
 

 
 当連結会計年度において、120,000千円の広告費の支出に関する2021年2月10日付け取締役会の開催に際し、監査役に対し招集通知が発せられないまま決議がなされていました。当該事項は意思決定プロセスに関する取締役会の運営に重要な不備があり十分な管理がなされていなかったと評価いたします。
 上記につきましては、当該事項の判明が当連結会計年度末日以降であったため、当連結会計年度の末日までに是正することができませんでした。
 当社グループは、財務報告に係る内部統制の整備および運用の重要性を強く認識しており、開示すべき重要な不備を是正するため、再発防止策の検討及び作成により適正な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。

付記事項

(財務報告に係る内部統制の有効性の評価に重要な影響を及ぼす可能性のある後発事象)

(1)当社は、2021年4月21日開催の臨時株主総会において、黒田高史、松井浩文、岩崎智彦、海東時男の4名の取締役が解任され、岡本武之、前田修、齋藤雅彦、星野和也の4名が取締役に選任されました。
 これにより、翌期以降の当社の財務報告に係る内部統制の有効性の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)当社は、2021年4月20日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるクレア株式会社の全株式を譲渡することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し株式譲渡を実行いたしました。
 これにより、翌期以降の当社の財務報告に係る内部統制の有効性の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)当社は、2021年5月20日開催の取締役会において、子会社V BLOCK販売株式会社を設立することを決議しました。
 これにより、翌期以降の当社の財務報告に係る内部統制の有効性の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。
特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 柴田公認会計士事務所、大瀧公認会計士事務所 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
1120
企業名 昭和ホールディングス株式会社 市場 東証2部
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしました。
 

 
 当社グループの重要な連結子会社であるGroup Lease PCL.(以下「GL」という。)において、有価証券報告書経理の状況追加情報に関する注記(連結子会社Group Lease Holdings PTE. LTD. が保有する貸付債権等について)に記載の事象が発生しております。
 GLは、その子会社Group Lease Holdings PTE.LTD.(以下「GLH」という。)を通じ、中小企業及び戦略的ビジネスパートナーへの 貸付(以下「GLH融資取引」という。)を行っております。 GLは、キプロス及びシンガポールの借主に対するGLH融資取引について、2017年10月16日及び同月19 日に、タイ証券取引委員会(以下「タイSEC」という。)からGL元役員の不正行為や利息収入の過大計上、関連する決算の訂正などの指摘を受けました。また、タイSECは、タイ法務省特別捜査局(以下「タイDSI」という。)に対し調査を進めるよう、申し立てを行い、現在、タイDSIによる調査が行われております。
 当社グループでは、タイSECの指摘の事実関係等について調査をするため、当社の連結子会社である株式会社ウェッジホールディングスにおいて第三者委員会を設置しGLH融資取引を調査しました。また、GLでは、新たに、キプロス及びシンガポール借主へのGLH融資取引に対して独立した監査法人による特別監査を実施しておりますが、現時点においてもタイSECの指摘の根拠を特定することはできておりません。
 当社では、第三者委員会の調査結果等も踏まえ、今後、タイ捜査当局による捜査並びに指導により会計的な影響の及ぶ可能性等を考慮し、前々々連結会計年度に、タイSEC指摘のGLH融資取引に関連する貸付金債権全額(営業貸付金及び未収利息)に対して保守的な観点から貸倒引当金を設定し、営業貸付金元本相当については特別損失に貸倒引当金繰入額を計上し、未収利息相当については、売上高から減額する処理を行い、それ以降の売上高計上は取り止めております。
 また、2018年7月31日に、GLではタイSECの決算訂正命令に対応して比較情報としての2016年12月末決算を含む2017年12月末決算を訂正しました。当該GLの過年度決算の訂正は、タイSECの決算訂正命令に対応したものですが、訂正原因となる誤謬が特定されていないこと等を考慮し、当社としましては、GLの訂正処理は当社の決算処理には反映させず、従前の会計処理を踏襲することといたしました。
 これらの会計処理及び開示に関して、連結財務諸表に対する会計監査人の監査意見は、限定付適正意見となりました。
 
 上記のとおり、当社の財務報告に係る内部統制は、過去の決算の訂正を含むタイSECの指摘に対して、問題となっている海外連結子会社GLHの特定の融資取引に対するタイSECの指摘の根拠を特定することができていない状況となっており、連結財務諸表に対する会計監査人の監査意見では当該事象は監査範囲の制約としての限定事項となりました。
 さらに、当連結会計年度の連結財務諸表監査においては、連結財務諸表の(追加情報)に関する注記(JTRUST ASIA PTE.LTD.等との係争について)に記載のシンガポール共和国での損害賠償請求訴訟の判決に関連して、当社の重要な構成単位であるGLの連結財務情報について、GL会計監査人の監査が期限内に終了せず、当社の会計監査人の連結財務諸表に対する監査意見は、意見不表明となりました。
 このため、これらに関連して、親会社としての海外子会社管理・情報収集管理体制や決算財務プロセスには不備があると評価せざるを得ない状態となっており、これらは開示すべき重要な不備に該当すると判断致しました。
 
 当社グループではタイSEC指摘のGLH融資取引の問題に対しては、GL役員の見直し等を含む管理体制の強化等を図り、各種の調査も実施しておりますものの、タイ捜査当局の調査手続中でありその情報源を入手することが困難な状況であることもあり、タイSECの指摘の根拠を特定するに至っておらず、当事業年度の末日までに不備の是正を図ることができておりません。
 さらに、当連結会計年度の連結財務諸表監査において会計監査人の監査意見が意見不表明となった事由は、GL会計監査人への監査協力を進めておりますが、現時点におきましても問題は解消しておりません。
 当社は、これらの問題を厳粛に受け止め、速やかに事態の収拾ができるよう最善を務めると共に、適切な対応を進めて参ります。
 また、当社は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性を認識しており、より適切な内部統制を整備し運用してまいる所存であります。

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 監査法人アリア 監査意見

財務諸表監査:意見不表明
内部統制監査:意見不表明

備考
1121~1124
企業名 アジア開発キャピタル株式会社 市場 東証2部
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断した。したがって、当事業年度末日において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断した。
 

 
 2021年 4月 9日付「第三者委員会の設置に関するお知らせ」、同 4月 16日付「第三者委員会の委員の選任に関するお知らせ」及び同 4月 28日付「第三者委員会の解散及び特別調査委員会の設置に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、当社子会社である株式会社トレードセブンが行った過去の取引及び同取引にかかる会計処理を中心として、事実関係解明、原因分析及び改善方針の策定に向け、外部専門家による特別調査委員会を設置し、調査を進めてまいりました。 2021年 6月 21日、特別調査委員会より調査報告書を受領いたしました。
 
 当社は、特別調査委員会の2021年6月22日付け調査報告書を受領し、同報告書に記載された調査結果から、2017年11月以降、納品実体のない取引が繰り返し行われていたことを認識するに至ったため、不正行為に関連した売上高、売上原価を取り消し処理するとともに、第98期第3四半期から第101期第3四半期までの有価証券報告書及び四半期報告書の訂正報告書を提出することになりました。
この問題を受け、親会社である当社の子会社管理やモニタリングに不備があったと認識しており、また、不正に関連した決算財務プロセスにも、不備があったと評価致しました。
このため、当社の2021年3月末時点の財務報告に関する内部統制は有効ではなく、開示すべき重要な不備が存在すると評価致しました。
事業年度の末日までに是正されなかった理由は、本不正行為が当該事業年度末日後に発覚したためであります。
 
 当社は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性は十分認識しており、特別調査委員会の調査結果・再発防止に向けた以下の提言を真摯に受け止め、この提言を踏まえ再発防止策を早期に策定し、適切な内部統制を整備・運用する方針であります。
 
 1 経営者リテラシーの向上
  (1)会社事業上のリスク及び役員の職責に対する認識の徹底
  (2)一般的会計不正事例に関する知識の補充
 2 内部統制体制の再構築
  (1)社内における内部統制体制の構築
  (2)取締役会の監督機能の向上
  (3)監査体制の整備
  (4)情報及び権限集中の排除

付記事項

付記すべき事項はありません。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 監査法人アリア 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第98期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)1122
 第99期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)1123
 第100期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)1124

1125
企業名 五洋インテックス株式会社 市場 東証JASDAQスタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。従って、2021年3月31日現在における当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 決算・財務報告プロセスにおいて、決算処理の内容に係る相互チェック及びその承認手続の整備・運用が不十分で あったことにより、2020年4月まで賃借していた土地に関する差入保証金に係る会計処理、在庫管理用装置に係る会計処理及び債権譲渡契約に係る会計処理に誤りが発生しておりました。これらの誤りを社内の決算・財務報告プロセスにおいて発見できなかったことについて、財務報告に与える影響が大きく、重要性が高いと判断し、開示すべき重要な不備として認識いたしました。
 上記については、当事業年度の末日後の決算作業中に発見されたものであるため、当事業年度の末日において是正 が完了しておりません。なお、上記の開示すべき重要な不備に関連する取引については再検証を行い、その結果必要 と認められた修正は、すべて財務諸表及び連結財務諸表に反映しているとともに、2021年3月期第1四半期から第3四半期の決算についても適切な訂正を行い、2021年6月30日に訂正報告書を提出いたしました。
上記の不備は管理部門の人材不足が主な原因であり、取引の発生から会計処理に至るまでに必要となる詳細かつ正確な情報がタイムリーに収集伝達されなかったことに加え、業務処理能力の不足により契約内容を正確に把握して会計処理を実施することができませんでした。また多方面からのチェック・モニタリング体制が機能せず、上場会社としての適正な情報開示を担保する体制を確保することができませんでした。
 上記内部統制の重要な不備を速やかに是正し、内部統制の運用に係る実効性を確保するため管理部門の人材の増員強化(経理責任者、法務責任者)及び、リスクを網羅的に把握して財務・経理マニュアル等を適時に更新、実行し、起票された仕訳の正確性に対して相互チェックが十分に機能する経理体制を整備します。
 
 管理部門の強化が急務と認識し再発防止策として以下を取り組んでまいります。
 (1) 管理部門の人員の質量両面の強化
 (2) 業務ローテーションを通じて人材の育成強化
 (3) 規程、マニュアルの整備及び運用の徹底とモニタリングの実施
 (4) 会計処理に対する統制活動の強化と運用の徹底
 (5) 外部専門機関との連携強化

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 フロンティア監査法人 監査意見

財務諸表監査:意見不表明
内部統制監査:意見不表明

備考

2021年7月26日(月)上場廃止

1126
企業名 第一商品株式会社 市場 東証JASDAQスタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。従って、令和3年3月31日現在における当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

 
 当社は、平成26年3月期から平成30年3月期の決算に係る会計処理において、回収不能な長期貸付金(12億円)の回収を装った不正経理および当該回収に関連した不可解な取引並びに使途不明金発生の可能性があるとの指摘を主務官庁より受け、調査の必要性があると判断し、令和2年3月10日、当社と利害関係を有しない外部の専門家から構成される第三者委員会を設置し、専門的かつ客観的な調査を進めて参りました。
 令和2年4月30日に第三者委員会から調査報告書を受領し、平成27年3月令和元年10月にかけて役務提供の実態を伴わない広告宣伝費名目で当社より支出された資金(約18億円)が、破産更生債権(長期貸付金、12億円)の回収に偽装され還流していたこと、また、当該資金の残額(約6億円)は顧客の資金である顧客からの預り証拠金口座に入金されていたが、それに先立ち、顧客からの預り証拠金が当社の固定化営業債権(委託者未収入金)の回収偽装のために流用されていたことが判明し、当該入金はその補填のためであったとの報告を受けました。
 当社は、報告内容を検討の結果、役務提供の実態がない広告宣伝費の取消し、顧客からの預り証拠金を用いた固定化営業債権(委託者未収入金)の回収偽装の取消し及び前述の広告宣伝費名目で支出された資金を用いた破産更生債権(長期貸付金)の回収偽装と預り証拠金の補填処理の取消しを行うため、平成27年3月から平成31年3月期の有価証券報告書、並びに平成30年3月期の第1四半期から令和2年3月期の第3四半期までの四半期報告書についての決算訂正を行い、令和2年5月1日に訂正報告書を提出いたしました。
 
 当社といたしましては、第三者委員会から報告された調査結果に基づき、第三者委員会の調査と並行して進めていた内部調査の結果を踏まえて、令和2年5月1日付で組織改革等を含む改善報告書を発表いたしました。本件の原因は、当社経営陣のコンプライアンス意識の欠如と、内部統制およびコーポレート・ガバナンスの機能不全等、全社的な内部統制が必ずしも十分に機能していなかったことにあると認識しております。
 
 当社は第三者委員会からの指摘を踏まえ、これらの内部統制の不備が、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、第三者委員会の指摘・提言を踏まえ、コーポレート・ガバナンス体制の強化、内部管理体制の強化、監査役による経営監視の強化、経理及び会計処理のチェック体制の強化を再発防止の改善措置とし、実効性のある内部統制を図ってまいりました。
 
 しかしながら、当事業年度末日までに十分な期間を確保することができなかったことから、上記の再発防止のための改善措置は実行中であり、開示すべき重要な不備について当事業年度末日までに完全には是正を完了することはできませんでした。
 
 加えて更に実効性のある再発防止が行えるよう、引き続き内部統制の改善を図ってまいります。

付記事項

付記すべき事項はありません。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 監査法人アリア 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
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企業名 シャープ株式会社 市場 東証1部
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。したがって、当事業年度の末日時点の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。
 

 
 当社は、当社の連結子会社であるカンタツ社に対する内部監査により、注文がないまま売上が計上されていること、通常売上計上が許されない状況で売上が計上されていることを把握しました。そこで、2020年12月25日付の当社取締役会において、案件の複雑性等から外部専門家が主体的・主導的に調査を行う調査委員会の設置を決議し、事実の解明及び原因の究明に着手しました。
 当社は、2021年3月12日、調査委員会から調査報告書を受領し、過年度の決算を訂正し、2019年3月期及び2020年3月期の有価証券報告書並びに2019年3月期第2四半期から2021年3月期第2四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出しました。
 当社は、調査委員会により認定された不適切な会計処理が生じた原因としては、以下のとおり、カンタツ社において信頼性ある財務報告を実現するための内部統制が無効化されたことにより生じたものと考えております。

・カンタツ社経営幹部が、カンタツ社が当社へ報告していた売上・利益等に関する経営計画について、それを達成すること(達成しているように見せかけること)を優先して、適切な会計処理、特に収益認識に関するルールを知らずにあるいは意図的にこれを軽視・無視したこと

・カンタツ社経営幹部の指示またはこれらに対する忖度により、カンタツ社従業員の間にも経営幹部と同様の意識が醸成され、不正ではないかとの疑問を持った者も具体的な行動(例えば、カンタツ社の監査役に対する相談や内部通報の利用等)がなされなかったこと

・カンタツ社において、取引の実行に関する適切な手続が無視され(与信申請、契約書締結、売上計上、仕訳承認のプロセス等)、十分な相互牽制が働かず、実体のない取引あるいは売上計上要件を満たさない取引について売上を計上する等、不適切な会計処理が実行されたこと

・売掛金の滞留が生じている取引について、取引条件や回収遅延の状況、経緯や原因等について取締役会へ報告がなされていない等、取締役会の機能が形骸化したこと

・会計処理その他業務に関する不適切な処理に関して、カンタツ社やその子会社の内部通報制度の周知徹底が不十分で、その利用がなされなかったこと

 
 また、当社が親会社として、カンタツ社における不適切な会計処理を防止できなかったことについては、以下のような原因があったものと考えております。

・当社グループの行動規範及び公正妥当な会計基準やこれに基づく当社グループのルールについて、役職員に対する徹底が不十分であったこと

・子会社を管理する体制や子会社の経営状況をモニタリングする体制が不十分であったこと

・当社グループの内部通報制度等の周知徹底が不十分であり、カンタツ社の従業員から通報がなされなかったこと

 
 当社は、これらの内部統制の不備が財務報告に重要な影響を及ぼしており、全社的な内部統制及び全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセス並びに業務プロセスに関する内部統制について開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
 上記の財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備が、当事業年度の末日までに是正されなかった理由は、調査委員会から調査報告書の受理した2021年3月12日から事業年度の末日までに、再発防止策を整備し運用する期間を十分確保できないと判断したためです。
 なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、全て財務諸表及び連結財務諸表に反映しています。
 
 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、以下のとおり、開示すべき重要な不備を是正するための再発防止策を実行して内部統制の整備・運用を図るとともに、本件を機に当社グループにおける内部統制の充実を図ってまいります。
 
 1 当社グループ役職員に対するコンプライアンス意識の徹底(内部通報制度の周知、徹底を含む)
 2 当社グループ役職員に対する会計処理に対する理解の醸成
 3 カンタツ社における業務プロセスの見直し・徹底による適切な権限分配と牽制関係の構築・運用
 4 カンタツ社における監査役、本社部門等への通報の奨励、内部通報制度の周知徹底

 5 当社管理部門・監査部門による管理(滞留債権等のモニタリングを含む)・監督・監査の強化(そのための人材確保)及び当社が子会社を管理する体制の見直し

付記事項

 「3 評価結果に関する事項」に記載した、開示すべき重要な不備を是正するための再発防止策について、当事業年度の末日から内部統制報告書提出日までに、以下の措置を実施しました。
 
 ・ 当社グループ役職員に対するコンプライアンス意識の徹底(内部通報制度の周知、徹底を含む)

 シャープ行動規範に基づくコンプライアンスの学習を毎年実施しておりますが、カンタツ社の全役職員に対して再実施しました。

 ・ 当社グループ役職員に対する会計処理に対する理解の醸成

 CEOメッセージにて当社グループ役職員に対して今回の事案の説明、業績達成・赤字回避以上に適切な財務報告が重要であること、二度と同じ過ちを繰り返さないようにしていくこと等を発信しました。

 ・ カンタツ社における監査役、本社部門等への通報の奨励、内部通報制度の周知徹底

 カンタツ社を含む当社グループ役職員に対し、内部通報制度の啓蒙を意図したアンケートを実施しました。

・当社管理部門・監査部門による管理(滞留債権等のモニタリングを含む)・監督・監査の強化(そのための人材確保)及び当社が子会社を管理する体制の見直し

 子会社の管掌体制を見直し、商品・デバイス事業の子会社の経営を管理する経営管理部門について、事業に直接関与せず、かつ、経営管理の知見を有する部門を経営管理部門に設定し直し、管掌体制を強化しました。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 PwCあらた有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

重要な手続きが実施できないと表明した企業

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