下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
記
当社は、当社創業者である元代表取締役社長が設立し運営する株式会社ひらまつ総合研究所(以下「ひらまつ総研」といいます。)等との間の取引に関し、外部調査委員会に委嘱し調査を行って参りました。その結果、2つの店舗の譲渡(以下「本件譲渡」といいます。)に関連して、ひらまつ総研との間で取締役会の承認なく2つの業務委託契約(以下「本件業務委託契約」といいます。)を締結しており、本件業務委託契約には、ひらまつ総研に業務委託報酬の名目で本件譲渡の対価の支払原資を供与して資金を還流させる目的があったことに加え、本件譲渡の代金を将来的に条件付きで280百万円減額する旨の覚書(以下「本件覚書」といいます。)を取締役会の承認なく締結していたことが判明いたしました。また、本件業務委託契約及び本件覚書を当社の会計監査人に秘匿して財務諸表を作成していたことも判明いたしました。
当社は、上記の資金還流目的に照らして、本件譲渡は対価性の観点から実質のない譲渡であり、会計上正当な売却取引があったとは認められないことに加え、当時の経営者が本件業務委託契約及び本件覚書の存在を会計監査人に秘匿して財務諸表を作成した経緯等を勘案すると、本件譲渡を売却取引処理した点において経営者による不正な財務報告があったと認識しております。当社としては、本件譲渡取引については売却取引として会計処理することは適切ではないと判断し、当社の固定資産として貸借対照表上に計上したうえで必要に応じて減損処理を行うことといたしました。
また、会計監査人から固定資産の減損の兆候判定において使用する各店舗の損益の算定にあたって実施されている店舗間の費用の振替に関する質問を受けて社内調査を実施した結果、2店舗において人件費の不正な振替が行われており、店舗に係る固定資産の減損を回避していることが判明いたしました。そのため、当該店舗の固定資産の減損損失の計上とその後の減価償却費の計上等の一連の会計処理を訂正することといたしました。
上記の本件譲渡に関しては、当社の当時の経営者と当社創業者との特殊な関係から当社とひらまつ総研又はその関係者との関連当事者間取引についてコンプライアンス意識が歪められ取締役会及びガバナンス委員会による統制が十分に機能していない不備が生じており、当社とひらまつ総研又は創業者との関連当事者間取引については、結果として内部統制が有効に機能しておりませんでした。また、固定資産の減損の兆候判定に関しては、取締役会による各店舗の業績に関するモニタリングが十分ではない不備が生じており内部統制が有効に機能しておりませんでした。
以上のことから、当社はひらまつ総研又は創業者との関連当事者間取引及び店舗間の損益振替処理については、結果として内部統制が有効に機能しておらず、当該不備は開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
上記につきましては、訂正事項の判明が当事業年度末日以降であったため、当事業年度の末日までに是正することができませんでした。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を十分認識しており、外部調査委員会からのガバナンスの見直しに係る提言を真摯に受け止め、開示すべき重要な不備を是正するため、2020年12月25日に、緊急対策本部を設置の上、①本件に係る責任の所在の明確化及び適切な処分並びに関係者の責任追及の検討、並びに、②関連当事者間取引に関する具体的な再発防止策の検討及び作成により適正な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。
以上
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