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2012年9月公表「内部統制報告書」記載内容集計

投稿日時:2012年10月01日(月)

2012年9月1日以降、9月30日までに公表された内部統制報告書について、「有効である」という結論以外となる報告書を提出した企業及びその内容は次のようになっています。

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業
6
重要な手続が実施できないと表明した企業
0

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業

215
企業名 リアルコム株式会社 市場 マザーズ
その内容

 上記評価手続きの結果、下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。したがって、当連結会計年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。
 

 
1.当社の決算・財務報告プロセスに係る内部統制について、次の通り不備が認められました。
   期中の株式交換実施により、連結決算の処理につき期中に実施した株式交換に伴う会計処理について「企業結合に関する会計基準」の取得の会計処理に誤りがあり、第2四半期報告書及び第3四半期報告書において訂正を行いました。これは企業再編等の非定型的事案における会計処理の誤謬を防止及び発見するチェック体制が十分に機能していなかったことによるものであります。平成24年8月23日に各訂正四半期報告書を提出しており、現時点では訂正が完了しております。
   これらの不備が事業年度末までに是正されなかった理由は、事業年度末近くで発見されたものであり、是正する時間的猶予がなかったためであります。
2.期中の株式交換により取得した当社連結子会社であるWWB株式会社において、全社的な内部統制、業務プロセスに係る内部統制に以下のとおり不備が認められました。
 ① 全社的な内部統制については、規程類の整備を行い、当該連結子会社の役職員に対して周知したものの、徹底するには至らず、結果、モニタリング及び承認プロセスが有効に機能したと評価することができない事象が見受けられました。
  重要な影響を及ぼす事項は以下のとおりです。
  (ⅰ) 連結子会社WWB株式会社において、メガソーラー事業の開発・運営を目的とする合弁会社の設立にあたって、当社及び同社の取締役会への事前報告及び承認手続きを経ずに当該合弁会社の設立が行われていたことが判明しました。また、当該合弁会社は関係会社に該当しますが、関係会社設立に際して必要とされる事業計画の作成・検討、合弁パートナーとの株主間契約の協議・検討、また、役員候補等の関連当事者の信用調査を行っていませんでした。当該取引については、手続きに瑕疵があったことから、合弁解消を進めた結果、現時点では出資金を全額回収するとともに役員の兼任を解消しております。
  (ⅱ) 関連当事者間取引として、2,500千円と金額的重要性が低い取引ではありますが、会社との利益相反取引に係る取締役会の承認決議を経ずに貸付が行われていました。当該貸付に関しては、手続きに瑕疵があったことから、全額返済を要請し、現時点では残高はありません。
 ② 業務プロセスに係る内部統制については、販売プロセス・購買プロセスにおいて適正な収益及び費用計上に必要な証憑書類の入手が徹底されておらず、また受注・発注に必要な契約内容の検討及び承認手続の運用も不十分となっておりました。また、棚卸管理プロセスについても在庫受払いの管理が適切に行われていませんでした。
 
  これらの不備が事業年度末までに是正されなかった理由は、株式交換が期中に行われたため内部統制の構築、整備が遅れたこと及び当該取引実施後に発見ないし取締役会に報告されたため是正する余地がなったこと、また、新規に立ち上げた事業におけるビジネス及び経理の知識・経験を有した者を当該手続きに従事させることができなかったためであります。

 
 なお、監査人より指摘された複数の誤謬や会計処理の遅延は、最終的にはいずれも適切に処理しており、連結財務諸表及び財務諸表に及ぼす影響はありません。  
 
 内部統制の整備及び運用の重要性は認識しており、当社グループとして、全社統制、業務プロセス、決算・財務報告プロセスにおいて、統制環境の改善、体制の強化、周知徹底を行ってまいります。

付記事項

付記すべき事項はありません。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 霞が関監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
216
企業名 株式会社ゲートウェイホールディングス 市場 JASDAQグロース
その内容

 下記に記載した全社的な内部統制に関する不備事項は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。従いまして、当事業年度末日において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。
 

 コンプライアンス規程、内外通報規程等が構想段階で不存在であること、社内情報共有が途上であること、マニュアル的な経営等、全社的なガバナンスに関する内部統制が不十分な所があります。よって、当社は内部統制の6つの基本的要素の部分たる、「統制環境」における、①業務の遂行に関して基準となる行動基準が明確になっており、組織的に周知徹底されているか、②特定の職務に要求される知識と技能を持った人材を確保し、維持しているか、の2点が満足に運営されていない蓋然性が高いと考えられます。具体的には、各種規程(例えば上記のガバナンス規程等)の更新、新規制定が行われておらず、財務報告に係わる経営者の指示が適時、適格に、管理者及び担当者に伝達できていなかったこと、また付随する必要投資・教育が不完全であったことが考えられます。また、社内イントラネットの実装が遅延することによって、当該内部統制目的の構成員の共有、各種情報管理のナレッジ共有が満足になされなかったことが大きな要因であります。また、「リスク評価と対応」においても、①財務報告の信頼性を保つための目標が設定されているか、②財務報告に係る内部統制目標の達成を阻害するリスクを把握し、識別したリスクを評価して、適切な対応がとられているか、の2点も上記と同様であります。具体的には、各種規程はあるものの、現状に準じた最新のものに更新されておらず、現状に合わせた文書化がされていない。組織的な識別したリスク評価を正しく分析する活動は行われておらず、当事者のみの状況となっている。また、もう一方の内部統制の基本的要素たる、「モニタリング」においても、①日常的なモニタリングが、企業の業務活動に適切に組み込まれているか、②企業の内外から伝達された内部統制に関する重要な情報は適切に検討され、必要な是正措置が取られているか、③独立部署による監視・評価機能が設置され、十分な人員が配置されているか、の3点も上記と同様であります。具体的には、PDCAサイクルのC(検証)のモニタリングが、日々刻々と変化する案件内容に結果的にキャッチアップできず、決裁権限の社長への集中、また情報共有が稚拙になることで構成メンバーの度重なる入れ替えを誘因し、監視評価機能を行う十分な部署、人員配置も行われなかったものと思われます。
 以上から、内部統制の基本的要素たる、「統制環境・リスク評価と対応・モニタリング」に不備があることから、全社的な内部統制には、開示すべき重要な不備があると判断しました。
当事業年度末日までにこれらの不備が是正されなかった理由として、当社及び関係会社において、担当役員及び経理担当者の著しい変化がおきたことにより、当事業年度末日までに十分な引継ぎと是正にあたる準備ができなかったことによるものであります。
一方、当社は財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性は認識していますが、その前提として、全社的な内部統制項目の重要性の認識に一部欠けているところが不備という形で散見されました。しかしながら、当社及び連結子会社において、経理担当者を始めとした管理部門の人材不足から、当該是正措置の推進が困難な状況がございます。
 このような状況を改善するために、当社は、平成24年6月期に債務超過を脱して、当社の財務基盤を整備することにより、当社及び連結子会社の管理部門に対し、是正措置に必要な資本投下を行なうことができる体制の確立を目指しております。以下は内部統制の抜本的強化を意図した施策であります。
① コンプライアンス規程の刷新
② 業務連絡会議規程の新規制定
③ 内部通報規程の新規制定
④ 当社グループイントラネットの情報共有のためのインフラ投資(実装は平成25年6月期)
の4つを基本柱にすえた運用を行ってまいります。

付記事項

該当する事項はありません。

特記事項

該当する事項はありません。

監査法人 東京中央監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
217 ~ 220
企業名 沖電気工業株式会社 市場 東証1部
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。従って、当事業年度末日時点において、当社並びに連結子会社及び持分法適用会社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。
 

 
 平成24年7月、プリンタ事業を展開している当社連結子会社の株式会社沖データより、海外連結子会社であるOKI SYSTEMS IBERICA,S.A.U(所在国:スペイン、以下「OSIB」)において不適切な会計処理が行われていた可能性がある旨の連絡が当社にありました。現地にて実態究明を進めてきましたが、その調査過程で不適切な会計処理の疑いが生じたため、その実態調査のため、平成24年7月25日付けで社内調査委員会を設置しました。
 また、平成24年8月7日付けで外部有識者による調査委員会(以下、「外部調査委員会」)を設置し、客観的かつ徹底した全容解明および再発防止策の検討等に鋭意取り組んできました。
 外部調査委員会の調査報告書により、OSIBにおいて、プリンタ及び消耗品事業における不適切な会計処理、テレビ販売活動における債務未計上及び売掛金過少計上、同一売掛金を利用したファクタリングと手形割引による重複ファイナンスなどの不適切な会計処理が行われていたことが明らかになりました。
 これにより当社は、当該不適切会計処理の決算への影響額を調査し、過年度の決算を訂正するとともに、平成20年3月期から平成24年3月期までの有価証券報告書、半期報告書、四半期報告書について訂正報告書を提出しました。
 これらの事実は、当社において、子会社に対しての管理体制が不十分だったこと、関係会社等の会計データを含む経営管理指標のモニタリング体制が不十分だったこと、業務のリスク識別及びその評価に不十分な点があったことなどの不備があり、内部統制が機能しなかったことによるものです。
 以上のことから当社の全社的な内部統制、全社的な観点で評価する決算・財務報告プロセスに関する内部統制、業務プロセスに関する内部統制に開示すべき重要な不備があったため、不適切な会計処理が行われかつその発見に遅れを生じさせたものと認識しています。
 なお、開示すべき重要な不備については、本訂正報告書提出時点において是正が完了していません。
 当社では、本件についての全容解明を続ける中で、既に以下観点での再発防止策の検討を進めています。また、今回の外部調査委員会の提言を真摯に受け止め、平成24年9月11日付けで代表取締役社長を委員長とする再発防止委員会を設置し、抜本的な再発防止策を早急に検討することとし、財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備の是正に着手していきます。
 
(1)コンプライアンス意識の徹底
(2)子会社管理体制の見直し
(3)関係会社に関する監査およびモニタリング体制の強化
(4)事業およびリスク特性に適合した内部統制の再構築
(5)人事制度の見直し

以上

付記事項

特記事項

監査法人 新日本有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第88期(平成23年4月1日~平成24年3月31日)の訂正を表明。
その他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第87期(平成22年4月1日~平成23年3月31日)218
 第86期(平成21年4月1日~平成22年3月31日)219
 第85期(平成20年4月1日~平成21年3月31日)220

重要な手続きが実施できないと表明した企業

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