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2026年9月公表「内部統制報告書」記載内容集計表

投稿日時:2026年10月01日(木)

 2026年9月1日以降、9月30日までに公表された内部統制報告書について、「有効である」という結論以外となる報告書を提出した企業及びその内容は次のようになっています。

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業
23
重要な手続が実施できないと表明した企業
0

開示すべき重要な不備が存在すると表明した企業

№ 1827~1831
企業名 株式会社ハマイ 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告の適正性に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 したがって、当事業年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
 

記

 
 当社は、棚卸資産の評価額に誤謬があることが判明したため、過年度の決算を修正するとともに、2021年12月期から2025年12月期までの有価証券報告書、2023年12月期第3四半期の四半期報告書及び2024年12月期第1四半期報告書、並びに2024年12月期から2025年12月期までの半期報告書について訂正報告書を提出いたしました。
 訂正に至った原因は、棚卸資産の評価について大きな棚卸資産グループ単位での回転期間を基準として滞留在庫の評価を検討していたことから、個別に滞留している棚卸品目を抽出せず棚卸資産評価損を不要と判断していたことです。決算・財務報告プロセスにおいて、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠していることを十分に検証できていなかった点や、会計処理を適切に判断するために適切な専門知識を有する人材を必要十分な程度に配置できていなかった点が当社の全社的な決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備にあたると評価しております。
 2026年12月期における一時会計監査人の就任に際して判明したため、訂正の対象となる内部統制報告書の提出日においては、当該開示すべき重要な不備を把握することができず、訂正の対象となる内部統制報告書に開示すべき重要な不備を識別することができませんでした。
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を強く認識しており、引き続き良質な人材の確保や専門知識の拡充を図るとともに、決算財務・報告プロセスの棚卸資産の評価に関する経理業務の内部統制の整備・運用を改善し、以下の対応を進めてまいります。
・棚卸資産の評価に関するものを始めとして、経理規程及びチェックリストにおいて、対象となる会計処理の複雑性や特殊性を十分に踏まえたものとなるように記載の見直しを行う。
・専門能力の継続的な向上を図り、決算作業において予断を持たず深度ある検証と確認を行う。
 

以上

付記事項

-

特記事項

-

監査法人 清流監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第94期(2025/1/1-2025/12/31)の訂正を表明。
その他に以下の会計年度において同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第93期(2024/1/1-2024/12/31)1828
 第92期(2023/1/1-2023/12/31)1829
 第91期(2022/1/1-2022/12/31)1830
 第90期(2021/1/1-2021/12/31)1831

№ 1832
企業名 株式会社トーシンホールディングス 市場 東証スタンダード
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当連結会計年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。
 

記

 
 当社は昨年、下記の当社子会社の移動体通信事業における第一事案及び第二事案などに係る過年度決算の訂正を行い、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき、元経営者である創業者の倫理観・誠実性の欠如などからガバナンスが機能不全に陥り、長期間にわたり複数の不適切会計が行われた結果、投資者の投資判断に深刻な影響を与える虚偽と認められる開示が行われ、また、投資者が適切な投資判断を行うにあたっての前提となる有価証券報告書等の財務諸表等に添付される監査報告書等の監査意見等が意見不表明等となったものであり、内部管理体制等について改善の必要性が高いと判断されたため、2025年11月22日付で、株式会社東京証券取引所により、特別注意銘柄に指定されました。
 
第一事案:当社子会社である株式会社トーシンモバイル(以下、「TSM」といいます。)においてキャッシュ・バック費用について現金主義による会計処理を行っていたところ、キャッシュ・バック費用の支払繰り延べによる未払金額の増加によって、あるべき発生主義による会計処理と実際の会計処理の乖離が発生していた事実が判明した事案
 
第二事案:TSMにおける代理店精算において、財務報告用資料と実際の代理店精算用資料の2種類が存在し、かつ財務報告用資料において代理店向けの端末販売等の売上高が過大計上となっていた結果として帳簿上未回収となっている売掛金が存在している事実が判明した事案
 
 当社は、これらの不祥事について、決算・内部統制・ガバナンス等を専門的及び客観的な見地から検証し、過年度有価証券報告書等に関する問題の有無等を明確にするために、2026年1月に社内検証委員会を発足し、2026年5月1日に社内検証委員会の検証結果を公表しました。さらに、当社はこれらの会計不祥事に起因する一連の混乱に終止符を打ち、当社グループのガバナンス体制を改善するとともに、金融機関に対する有利子負債の返済計画を新たに策定するなどの施策を通じて当社の経営体制と財務状態を安定化させるため、再建計画を策定し上場を維持しながら会社更生法に基づく更生手続により事業再生を図ることとし、2026年5月8日開催の取締役会において、東京地方裁判所に対し会社更生手続開始の申立てを行うことを決議し、同日、その申立てを行い、会社更生手続開始決定を受けております。
 これらの状況を経て、当社は、2026年5月1日に公表された検証結果報告書を踏まえ、2025年4月期の連結貸借対照表項目を検証の結果、前々連結会計年度(2025年4月期)の決算訂正を2026年7月に行いました。
 また、当社は、特別注意銘柄の指定解除に向け、内部管理体制等の改善を目的として、会社更生手続開始決定後の状況も踏まえ、改善計画・状況報告書(以下「改善計画書」といいます。)を作成し、2026年5月26日付で株式会社東京証券取引所へ提出いたしました。当社は、改善計画書に基づき、以下の改善措置(実施済みのものを含む。)を実行してまいります。
 
① 創業者の退任等による抜本的な経営体制の変革
A.第一事案を受けた創業者の社長辞任及び権限縮小
B.第二事案を受けた創業者の退任による抜本的な経営体制の変革、及び、DIP型更生手続の開始による抜本的な経営改
  革路線の存続
C.不適切な会計処理に関与した取締役の退任
D.定時株主総会(2025年7月開催)による新任の社外取締役・社外監査役の選任
E.仮監査役の申立て(2026年3月)による新任の社外監査役(財務経理の専門家)の追加選任
F.不適切行為に及んだ取締役の退任
② 取締役会のガバナンス機能の強化
A.役員選解任基準の策定等
B.取締役会決議事項の明確化等による取締役会の権限・監督機能の強化
C.支配株主等との取引の審査厳格化、及び、「グループ関連当事者取引管理規程」の整備
D.社外取締役・社外監査役への経営資料の事前共有による活性化
E.AI 議事録作成ツールの導入による議論状況の明確化及び透明性向上
F.取締役及び取締役会の実効性評価
G.リスク・コンプライアンス委員会の設置
③ 監査役会のガバナンス機能の強化
A.社外監査役の増強
B.三様監査の充実
C.日本監査役協会への加入及び監査役監査の機能強化
D.監査役監査の実効性のある運用
④ 内部監査機能の強化
A.内部監査部門の独立性の確保
B.内部監査事項の拡充
C.内部監査室の体制強化
⑤ 管理部門の強化及び業務プロセスの改善
A.新たな管理部長(財務経理担当)の選任
B.人員の補強
C.各部署における必要なスキルの整理及び適正な人員配置
D.規程類及び複雑な業務のマニュアルの整備を通じた業務プロセスの明確化及び簡素化
E.グループ全体の経理規程の策定及び業務の標準化・自動化の促進
F.適切な職務分掌、牽制機能が働く業務プロセスの整備
G.キャッシュ・バック施策決定のポリシー等の策定及び書面化
H.役員の経費処理手続の規定化
⑥ 業務運営等のモニタリング強化
A.業務プロセスのチェック機能の強化
B.私用デバイスの禁止
C.改善状況のフォローアップ
⑦ 組織風土及びコンプライアンス意識の改善
A.コンプライアンス研修の実施
B.コンプライアンスメッセージの定期発信
C.行動指針(トーシンホールディングス行動指針)の再確認及び周知
D.全従業員を対象としたコンプライアンス・サーベイの実施
E.人事評価への反映
F.社内コミュニケーションの充実
⑧ 内部通報制度の活性化
A.複数の内部通報窓口の整備
B.通報者保護の明示
C.内部通報制度の周知
 
 これらの状況から、当社は、当連結会計年度末時点では、当社グループの内部管理体制は依然として改善途上にあり、財務報告に係る内部統制も改善途上にあったことから、全社的な内部統制や第一事案や第二事案に関連した業務プロセスには不備があったと判断致しました。また、社内検証委員会での過年度決算の検証の結果、当連結会計年度末後に決算訂正も生じたことから、決算・財務報告プロセスにも不備があったと判断致しました。
 これらの不備の財務報告に与える重要性に鑑み、当社では、2026年5月8日時点の財務報告に関する内部統制は、有効ではなく、開示すべき重要な不備が存在すると評価いたしました。当社グループは、内部管理体制の改善に努め、引き続き、必要な是正を図ってまいります。
 上記不備につきましては、第一事案及び第二事案判明や社内検証委員会の検証結果判明から当連結会計年度末日までの時間的制約から、上記改善措置に係る一部の内部統制に関しては、当連結会計年度末日までに整備または運用されていないことや会社更生手続開始決定を受け既に策定した再発防止策を再検討・見直しする必要があったことから、内部統制の不備を是正することができませんでした。
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するため、ガバナンス及び内部管理体制の抜本的な見直しと強化を経営の最重要課題として進めるとともに、新経営体制において再発防止策を着実に実行し、その進捗状況の適切な開示を通じて、信頼回復に全力を尽くしてまいります。

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

 当社は、2026年5月8日に東京地方裁判所に対し会社更生手続開始の申立てを行い(東京地方裁判所令和8年(ミ)第4号)、同日、同裁判所より会社更生手続開始決定がされ、当社の代表取締役(当時)である石田雅文及び申立代理人である弁護士粟田口太郎が管財人に選任されました。また、同日、同裁判所により調査命令が発令され、弁護士永沢徹が調査委員に選任されました。なお、会社更生手続の申立てをしたのは、当社のみであり、当社の子会社は会社更生手続開始の申立てをしておらず、その予定もありません。
会社更生法の下では、裁判所が選任した管財人に会社の事業経営権及び会社財産の管理処分権が専属するものとされております。したがって、当社は裁判所による監督と調査委員による調査の下で、管財人体制により再建を図り、内部管理体制の改善をはじめとする諸課題に対処してまいります。

監査法人 監査法人アリア 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
№ 1833
企業名 オーミケンシ株式会社 市場 東証スタンダード
その内容

 2026年3月16日に当社グループの情報ネットワークが第三者からのサイバー攻撃を受けて、基幹システムの停止及びファイルサーバー上のデータの一部を暗号化されたことにより、システム障害が発生しました。システム障害発生後、被害拡大を防止するため、当社は、直ちに当社グループの社内ネットワークがつながっているサーバーの停止と社内外のネットワークの遮断を実施いたしました。その結果、グループネットワーク内で運用している当社財務会計システム、販売・購買・管理といった主要な基幹システムを含む全ての社内システム、データが保存されているファイルサーバー、バックアップサーバーへのアクセスができなくなりました。
 当社は、サイバー攻撃の被害を受けた直後から、事態の緊急性と経営全般に係る内容であることから、直ちに対策チームを設置し、本件インシデントの原因究明等について、外部専門家に依頼して調査を実施し、侵入経路や影響範囲を特定するとともに、その助言に基づいて二次被害の抑止策の実施及び被害を受けた情報システムや業務関連データの復旧に注力していくこととしました。
 ただし、経理関連データへのアクセス障害、代替的な業務プロセスの構築、システム復旧等の対応が必要となり決算手続に遅延が生じ、結果として法定期限までに有価証券報告書を提出できない状況となりました。
 
 サイバー攻撃を受け、システム障害が発生した原因について、外部専門家の協力のもと調査を実施した結果、情報セキュリティに関する重要性は認識して対応は行っていたものの、サイバー攻撃に関するシステム上の対応が十分ではなかったことが判明いたしました。
 サイバーセキュリティに関するリスクの評価が不十分であったことから、第三者によるシステムへの不正アクセスを許して被害を受けるとともに、回復までに一定の時間を要し、法定期限までに有価証券報告書が提出できない状況が生じたという事態を踏まえて、サイバー攻撃による被害を受けた2026年3月16日において、当社の全社統制及びITに係る全般統制について、開示すべき重要な不備があると判断しました。
 開示すべき重要な不備は2026年3月16日に発覚したため、期末まで約2週間の期間しかなく、是正策の実施と評価を完了することができませんでした。
このため、2026年3月末時点の当社グループの財務報告に関する内部統制は、開示すべき重要な不備があるため有効ではないと判断しております。

付記事項

 「3評価結果に関する事項」に記載した開示すべき重要な不備を改善するために、復旧作業と並行して、復旧作業での課題や外部専門家の協力のもとで実施した原因究明を踏まえて、再発防止策の検討と実施について、全社を挙げて迅速に取り組んでまいりました。
 そして、サイバーセキュリティの技術的な課題への対応と開示すべき重要な不備の是正のために、人、ハード、体制の観点で必要な措置を実施しております。
 これらの体制の下で、識別されたシステム上の技術的な課題について、異なる防御層を重ねて、セキュリティを強化する多層防御と監視体制の構築等の対応を行っております。
 以上のとおり、当事業年度末日後内部統制報告書提出日までに、評価結果に関する事項に記載された開示すべき重要な不備を是正するための施策は既に整備され、運用を開始しておりますが、引き続き、施策の着実な運用とサイバーセキュリティ対応の高度化に取り組んでまいります。
 
 業務関連システムについては、早期復旧が困難な状況であったため、日々の受発注業務、入出荷業務及び請求業務については、Excel等を用いた代替運用により対応いたしました。
 ファイルサーバー上のデータについては、クラウド上に保管していたバックアップデータを活用し、システム障害発生の翌日2026年3月17日より優先度の高い業務から順次復旧を進めてまいりました。
 また、業務関連システムについては、既存システムの復旧が困難であると判断し、2026年4月より後継システムの選定および導入に向けた検討を開始し、後継システムを決定のうえ導入プロジェクトを立ち上げ進めております。

特記事項

特記すべき事項はありません。

監査法人 監査法人和宏事務所 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考
№ 1834~1838
企業名 イリソ電子工業株式会社 市場 東証プライム
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告の適正性に重要な影響を及ぼすものであり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 したがって、当社代表取締役社長鈴木仁は、2026年3月31日現在における当社グループの財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしました。
 

記

 
 当社は、海外子会社において労務紛争対応に関連した不適切な金銭交付の疑義が生じたことから、2026年2月18日に、外部の弁護士及び公認会計士を委員とする調査委員会を設置し、調査を進めておりましたが、当該調査委員会によるデジタル・フォレンジック調査の過程で、会計処理及び品質検査等に関するコンプライアンス上の問題の存在を疑わせる事象が新たに認識されたため、当社は、2026年4月27日に、調査範囲を拡大し、独立した調査を実施する目的で第三者委員会を設置し、調査を進めてまいりました。
 当社は、2026年9月28日に第三者委員会から調査報告書を受領し、当社の海外子会社における不適切な支出、当社における品質管理及び品質保証上の問題、海外子会社における仮決算時の未確定決算数値の使用、海外子会社における売上の前倒し計上等の事実が判明しました。
 また、第三者委員会による調査及び当社による追加的な自主点検の結果、当社グループにおける固定資産の除却及び減損、棚卸資産の評価並びに当社の連結決算処理等に関する複数の会計処理の誤謬が判明しました。
 これらを踏まえ、当社は、海外子会社における不適切な支出及び売上の前倒し計上、並びに当社グループにおけるその他の会計処理の誤謬等について、関連する会計処理を過年度に遡って訂正する必要があると判断しました。また、訂正の原因となった事象を連結財務諸表に反映した結果として影響を受ける事項、過年度において重要性が無いため訂正を行っていなかった事項の訂正も併せて行い、2022年3月期から2025年3月期までの有価証券報告書、2024年3月期第2四半期及び第3四半期の四半期報告書並びに2025年3月期及び2026年3月期の半期報告書について、訂正報告書を提出しました。
 当社は、第三者委員会による調査及び当社による追加的な自主点検の結果を踏まえ、財務報告に係る内部統制の再評価を実施しました。その結果、当社及び一部の海外子会社における全社的な内部統制及び決算・財務報告プロセス、並びに、一部の海外子会社における販売業務プロセスに以下の不備が存在していたと判断しました。
 
(1)統制環境に関する不備

当社では、コンプライアンス及び財務報告の信頼性を経営上の最優先事項として明確に位置付け、役職員の行動に定着させるための取組みが十分ではありませんでした。
 また、経営陣において、コンプライアンス及び財務報告に影響を及ぼすリスクを適切に認識し、判断し、対応するために必要な知識及び能力を継続的に確保し、評価する仕組みが十分ではありませんでした。役員の選任及び評価においても、誠実性、コンプライアンス意識、リスク管理能力及び独立した判断力を十分に担保する仕組みが整備されておりませんでした。
 さらに、取締役会及び監査等委員会において、重要な意思決定、財務報告に影響を及ぼすリスク及び内部統制上の問題に対する監督が十分に行われておりませんでした。
 このような状況の下、法令、社内規程及び顧客との約束事項等の遵守よりも、目先の課題解決、事業運営又は業績達成を優先する判断が行われる余地が生じておりました。また、役職員が問題や懸念事項を率直に提起し、これを組織として適時に共有及び是正する企業風土も十分に形成されておりませんでした。

 
(2)リスクの評価と対応に関する不備

当社では、海外拠点における贈賄リスクその他のコンプライアンス・リスク及び財務報告に影響を及ぼすリスクについて、グループ横断的に識別し、その重要性及び発生可能性を評価した上で、適切な対応方針を決定する仕組みが十分ではありませんでした。
 特に、外国公務員等に対する贈賄リスクについて、当該リスクが高い国、地域、取引形態及び委託先等を踏まえた具体的なリスク評価が実施されておらず、贈賄防止のための規程、審査、承認及び継続的なモニタリング等の対応も十分ではありませんでした。
 また、重要な支出、通常の取引条件と異なる取引及びその他会計上の判断を要する取引について、財務報告への影響を含むリスクを適切に評価し、法務部門、経理部門その他の専門部署を関与させる仕組みが十分ではありませんでした。

 
(3)モニタリングに関する不備

当社では、グループ全体のリスクに応じた内部監査計画の策定及び海外子会社に対する内部監査の実施に必要な人員及び専門性が十分に確保されておらず、海外子会社に対する内部監査の頻度及び範囲が十分ではありませんでした。
 また、内部監査において不正又は不適切な行為の兆候を把握した場合に、その内容を経営陣及び監査等委員会へ適時適切に報告し、必要な是正措置及びフォローアップにつなげる仕組みが十分に機能しておりませんでした。

 
(4)海外子会社の管理体制及び情報と伝達に関する不備

当社では、海外子会社に役員及び駐在員を派遣していたものの、本社管理部門が海外子会社の業務運営、コンプライアンス及び財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を把握し、必要な指導及び支援を行う体制が十分ではありませんでした。
 また、本社管理部門と海外子会社との間で、報告すべき事項、報告先、報告期限及びエスカレーションの基準が十分に明確化されておらず、海外子会社における重要な問題及びリスクが、本社に適時適切に報告されない状況がありました。
 さらに、グローバルな内部通報制度は導入されていたものの、その周知及び運用が十分ではなく、海外子会社における問題を本社が早期に把握し、必要な是正措置につなげるための情報伝達経路として十分に機能しておりませんでした。
 これらの結果、海外子会社における不適切な実務又は慣行、決算体制上の問題及び会計処理上の課題について、本社による適時適切な指導、支援及び是正が行われておりませんでした。また、海外子会社における決算作業及び現地監査人による監査の遅延等、財務報告に影響を及ぼす事項について、当社の会計監査人を含む関係者への共有も十分ではありませんでした。

 
(5)決算・財務報告プロセスに関する不備

当社及び一部の海外子会社では、仮決算手続、固定資産の除却及び減損、棚卸資産の評価並びに連結決算に関する会計処理方針、業務手順及び確認手続の整備及び運用が十分ではありませんでした。
 海外子会社の仮決算手続については、連結決算日における債権債務の確定及び経過勘定の調整等が適時適切に行われておらず、現地監査人による監査の完了状況及び指摘事項についても、本社経理部門による確認及びフォローアップが十分ではありませんでした。
 固定資産については、遊休資産の判定、建設仮勘定から固定資産への振替、外部保管資産を含む実地棚卸並びに除却及び減損の要否を確認する手続の整備及び運用が十分ではありませんでした。
 棚卸資産については、滞留品、処分見込品及び売価が原価を下回る在庫等の評価に関する方針及び算定手続が十分に明確化されておらず、評価額の算定及び確認に関する手続の整備及び運用が適切に行われておりませんでした。
 連結決算については、グループ会社間の債権債務及び取引高の照合差異の原因分析、子会社の会計方針及び会計処理の確認、現地監査人による指摘事項の把握並びに必要な連結修正仕訳の検討及び確認に関する手続の整備及び運用が十分ではありませんでした。
 また、これらの決算・財務報告業務を適切に実施及び確認するために必要な人員及び専門性が十分に確保されておりませんでした。

 
(6)販売業務プロセスに関する不備

一部の海外子会社において、売上計上に先立ち、実際の出荷日及び顧客への引渡状況を確認する手続並びに在庫の移動記録と売上計上との整合性を照合する手続が十分に整備又は運用されておりませんでした。また、システム上の出荷情報と実際の物流業者への出荷指示が異なる場合に、当該差異を防止又は発見する統制も十分ではありませんでした。加えて、通常の取引条件と異なる取引や例外的な事象が発生した場合に、それらを識別し、関係部門へ報告・相談するための基準及び手続が十分に明確化されておりませんでした。
 
 当社は、上記の不備が当社及び複数の海外子会社に存在し、複数の財務報告項目に影響していること、過年度の財務諸表及び連結財務諸表の訂正を要する不適切な売上の前倒し計上、並びに複数の会計処理誤りを防止又は適時に発見できなかったことを踏まえ、これらの不備は財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いと判断しました。
 以上から、これらの不備は開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
 当該開示すべき重要な不備については、当事業年度末日後に判明したため、当事業年度末日である2026年3月31日までに是正することができませんでした。
 なお、当該開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、財務諸表及び連結財務諸表に反映しております。

 
 当社は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性を認識しており、当該開示すべき重要な不備を是正し、適切な内部統制を整備及び運用するため、主として以下の取組みを実施します。
 
(再発防止策)

・コンプライアンスを最優先とする方針を経営理念、経営方針及び企業行動憲章等に明記するとともに、経営トップから財務報告の重要性も含め役職員に対して継続的に発信します。

・役員の選任基準及び評価制度に、誠実性、コンプライアンス意識、リスク管理能力及び独立した判断力に関する要件を明確に組み込み、役員の適格性を継続的に評価する仕組みを整備します。

・取締役会による意思決定及び業務執行の監督並びに監査等委員会による監査・監督の実効性向上を図るため、意思決定プロセスに係る統制、牽制及びモニタリング体制を強化します。

・海外拠点ごとの事業内容、展開地域及び取引形態等を踏まえ、贈収賄、財務報告、品質、輸出入・通関その他の重要なコンプライアンス・リスクを対象とするグループ横断的なリスク評価を実施し、その結果に応じた具体的な対応を行います。

・海外子会社から本社への報告事項、報告先、報告期限及びエスカレーション基準を明確化するとともに、本社管理部門による指導、支援及びモニタリングを強化します。

・内部通報制度及び通報窓口を役職員に周知するとともに、監査等委員会への通報窓口を設置し、内部通報制度の実効性を高めます。

・内部監査に必要な専門人材を確保し、各拠点のリスクに応じて内部監査計画及び重点監査項目を見直すとともに、識別した問題について改善が完了するまで継続的にフォローアップします。

・固定資産の実地棚卸、除却及び減損、棚卸資産評価、収益認識、グループ会社間取引並びに連結決算について、会計処理方針、業務手順、判断基準及びチェックリストを再整備し、グループ各社に周知します。

・本社経理部門が海外子会社の決算進捗、主要な会計処理、現地監査人による監査結果及び指摘事項を適時に把握し、必要な指導、支援及びレビューを行う体制を整備します。

・収益認識に関する実務上の判断基準を明確化するとともに、売上計上に先立ち、実際の出荷日、顧客への引渡状況及び在庫の移動記録を確認する手続を整備し、関係者に対する教育を実施します。

付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 有限責任監査法人トーマツ 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第59期(2024/4/1-2025/3/31)1835
 第58期(2023/4/1-2024/3/31)1836
 第57期(2022/4/1-2023/3/31)1837
 第56期(2021/4/1-2022/3/31)1838

№ 1839~1843
企業名 ナブテスコ株式会社 市場 東証プライム
その内容

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。
 

記

 
 当社の2026年12月期第2四半期の決算手続きにおいて、当社の一部の持分法適用関連会社の財務数値に関し、本来は当該持分法適用関連会社の子会社等を含む連結純資産額の変動に基づき算定すべきところ、単体純資産額の変動に基づき算定していたことにより、当社の連結損益計算書における「持分法による投資利益」及び連結財政状態計算書における「持分法で会計処理されている投資」等の金額が、過年度から継続して過少に計上されていたことが判明しました。
 IFRS会計基準の導入以前においては、当該持分法適用関連会社の子会社等の金額的重要性が低かったこと及び当該持分法適用関連会社が非上場会社であり連結財務諸表を作成していなかったことから、当該持分法適用関連会社単体の純資産額の変動をもって当社の連結決算に反映する取扱いとしておりました。しかしながら、その後も前年度の処理を踏襲し、持分法適用関連会社の子会社等を継続的に識別・把握する統制が有効に機能しておりませんでした。その結果、当該子会社等を含む連結純資産額の変動に関する情報の収集及び確認が実施されず、当該持分法適用関連会社の子会社等に係る純資産額の変動情報を当社の連結財務諸表へ適切に反映できておりませんでした。したがって、当該状況を内部統制の整備及び運用上の不備として識別しました。
 
 当該不備による影響額の重要性を勘案した結果、当該不備は当社の財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断したため、財務報告に係る内部統制の評価結果を訂正するに至りました。
 当社は、連結損益計算書における「持分法による投資利益」の額および関連する決算数値の修正のため、過年度の決算を訂正するとともに、過年度に遡って内部統制報告書の訂正報告書を提出することといたしました。
 当該不備は当事業年度末日以後に判明したため、当事業年度末日までに是正することができませんでした。
 なお、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、全て有価証券報告書の訂正報告書に反映しております。
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正し適切な内部統制を整備及び運用するために、関係部署において以下の取り組みを行います。
 
 ・持分法を適切に適用するために必要な知識を再確認する。

・持分法適用関連会社の子会社等を継続的に識別・把握すると共に連結純資産の変動を把握するため、報告様式を見直し持分法適用に十分な情報を収集する。

 ・網羅的な情報入手と検討結果の確認チェック体制を整備する。

付記事項

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特記事項

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監査法人 有限責任 あずさ監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:-

備考

訂正内部統制報告書にて、第23期(2025/1/1-2025/12/31)の訂正を表明。
その他に以下の会計年度において同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第22期(2024/1/1-2024/12/31)1840
 第21期(2023/1/1-2023/12/31)1841
 第20期(2022/1/1-2022/12/31)1842
 第19期(2021/1/1-2021/12/31)1843

№ 1844
企業名 ニデック株式会社 市場 東証プライム
その内容

 当社は、2025年9月26日に提出した前連結会計年度の内部統制報告書において財務報告に係る内部統制に開示すべき重要な不備がある旨の開示を行っております。これについて前連結会計年度の内部統制報告書に記載した各再発防止策を実施してまいりましたが、下記のとおり、一部の開示すべき重要な不備が当連結会計年度においても是正されていない状況であること、また、当連結会計年度においても新たに財務報告に係る内部統制に開示すべき重要な不備を識別していることから、財務報告に係る内部統制の評価を実施した範囲において、当連結会計年度末日時点における当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断しました。
 なお、下記(コーポレート・ガバナンスに関する当社の是正状況について)に記載のとおり、当社は、不適切な会計処理等に関与した役職員の適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置が行われているものの、その一部が完了しておらず、全社的な内部統制に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性があり、当社及びグループ会社の全社的な内部統制に及ぼす影響を評価することができなかったことから、当連結会計年度における財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できないと判断しました。
 

記

 
 当社は、当社及びグループ会社の一部の経営陣の関与又は認識の下で行われた資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整等、連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理の疑義を認識したため、2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会の設置を決議し、第三者委員会から2026年2月27日に調査報告書、同年4月17日に調査報告書追補を受領しました。その結果、過年度を含め、当社グループの多岐にわたる拠点で多数の会計不正(以下、調査報告書及び調査報告書追補で明らかになった事実を「本事案」といいます。)が判明しました。判明した会計不正の主な内容は以下のとおりであり、その内容は多岐にわたっていました。

・将来の使用見込み及び販売見込みが極めて低く資産性がない原材料及び製品等について資産性が認められると偽ることによる棚卸資産評価損の計上回避

・固定資産の減損テストの前提となる売上計画の中に実現確度が低い案件を含めることによる減損損失の計上回避

・転用困難な固定資産についての虚偽の説明による減損損失の計上回避

・製品の開発中止に伴う契約損失引当金の未計上

・不良債権に係る貸倒引当金の未計上

・棚卸資産の実地棚卸結果を偽ることによる棚卸資産の過大計上

・固定資産に計上することが適切ではない人件費を付随費用として資産計上し減価償却を通じて費用化することによる費用計上時期の先延ばし

・将来の経済的便益の獲得に寄与しないと判断されていた品質改善費用や研究開発費用の意図的な資産計上

・未出荷販売としての実態を伴わない売上の先行計上

 
 また、当社は前連結会計年度に、当社の連結子会社で家電・車載事業統括本部家電産業事業本部下のNIDEC FIR INTERNATIONAL S.R.L.(イタリア所在。以下、「FIR社」といいます。)に関する貿易取引上の問題を認識したことを受けて、FIR社以外における貿易コンプライアンス上の類似問題(以下、「貿易コンプライアンス問題」といいます。)の有無等について外部専門家に委嘱して調査を行ったところ、当社グループの対米輸出において原産地国表示の誤りが発見されました。
 当社は、本事案に関する第三者委員会による調査及び第三者委員会の管理・監督の下で会計処理の適切性を調査する自己点検により判明した事実、貿易コンプライアンス問題に関する外部専門家による調査及び外部専門家の支援のもとで実施した社内調査により判明した事実とその原因分析に関する報告等を踏まえ、財務報告に係る内部統制の再評価を行った結果、当社及び連結子会社の全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)と全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備を識別し、これらの不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。また、全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)と全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備の影響が重要かつ広範であることから、業務プロセスに係る内部統制が有効に機能する基盤を欠いていた状況であり、評価対象とした全ての業務プロセスについても不備を識別し、いずれも財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いため、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
 なお、前連結会計年度に識別したFIR社の貿易取引上の問題に関する開示すべき重要な不備(当社の全社的な内部統制(情報と伝達)及び経理決算プロセスに係る内部統制)については、再発防止策を実施してはいるものの、当連結会計年度において新たに全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)及び全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制に開示すべき重要な不備を識別したことから、開示すべき重要な不備の是正には至っていないものと評価しております。前連結会計年度に識別した開示すべき重要な不備に対する再発防止策の実施状況は、「4付記事項」に記載しております。
 下記「Ⅰ.開示すべき重要な不備の内容」に記載した本事案及び貿易コンプライアンス問題に関する不備は、2025年9月3日に設置を決議した本事案に関する第三者委員会による調査(2026年2月27日付調査報告書及び同年4月17日付調査報告書追補)、第三者委員会の管理・監督の下で会計処理の適切性を調査する自己点検、並びに貿易コンプライアンス問題に関する外部専門家による調査及び外部専門家の支援のもとで実施した社内調査により判明しました。
 このため、これらの開示すべき重要な不備の一部は当連結会計年度末日までに判明していたものの、当該不備の判明から当連結会計年度末日までに是正するための時間的猶予がなかったこと、また一部は当連結会計年度末日後に判明したことから、当連結会計年度の末日までに是正することができませんでした。さらに、前連結会計年度に識別したFIR社の貿易取引上の問題に関する開示すべき重要な不備については、再発防止策を実施してはいるものの、当連結会計年度において新たに全社的な内部統制及び全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制に開示すべき重要な不備を識別したことから、開示すべき重要な不備の是正には至っていないものと評価しております。これらの開示すべき重要な不備に起因する現時点で認識している必要な修正は、連結財務諸表に反映しております。
 しかし、連結財務諸表注記(コーポレート・ガバナンスに関する当社の是正状況について)に記載のとおり、連結財務諸表注記43.追加情報(不適切な会計処理等について)「(1)第三者委員会による調査について」及び「(3)その他の社内調査等について」に記載している不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部を特定し、適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置を進めているものの、その一部は完了しておらず、また、後任者についても財務報告に係る責任を引き継いだうえでその職責を適切に遂行していることが十分に確認できていないことから、未発見の虚偽表示が連結財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性がありますが、その影響を反映させる場合における連結財務諸表項目及び金額並びに注記が明らかでないため連結財務諸表には反映しておりません。
 
 (コーポレート・ガバナンスに関する当社の是正状況について)
 連結財務諸表注記43.追加情報(不適切な会計処理等について)「(1)第三者委員会による調査について」に記載しているとおり、当社は、2025年9月3日に第三者委員会を設置し、第三者委員会より2026年2月27日に調査報告書を受領し、同年4月17日に最終報告としての調査報告書(追補)を受領しました。調査報告書においては、当社及びグループ会社の多岐にわたる拠点で経営者の関与又は認識のもとにおいて、売上の早期計上、引当金の過少計上、棚卸資産の過大計上や固定資産の減損回避およびコストの資産計上といった不適切な会計処理が行われた旨が記載されております。さらに調査報告書では、当社及びグループ会社の経営者又は経理担当者が、会計監査人の同意を得るために、会計監査人に対して、不正確又は誤解を招く情報を提供したり、関連文書を隠蔽したり、改ざんされた記録を提供したりしていたことが確認されております。なお、第三者委員会が特定した事実に基づく不適切な会計処理等は、連結財務諸表において修正しております。
 また、同注記「(2)品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査について」に記載しているとおり、当社は、品質管理に関する不適切行為の疑義に係る調査を完了し、複数の生産拠点において試験・検査記録の偽造、不適合材料の無許可使用が識別されております。さらに、同注記「(3)その他の社内調査等について」に記載しているとおり、当社は、貿易取引及び関税に係る諸問題等の調査を完了し、輸入取引に関する関税の過少申告等が識別されております。なお、これらの関連する費用、負債及び注記は、連結財務諸表において修正しております。
 しかしながら、当社及びグループ会社において、同注記(1)ないし(3)に記載している不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部を特定し、適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置を進めているものの、その一部は完了しておりません。その結果、不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部は、現時点においてもなお、当社及びグループ会社の財務報告プロセスにおいて責任ある立場を担っております。
 当社は、当社及びグループ会社において、不適切な会計処理等に関与した役職員の適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置が行われているものの、その一部が完了しておらず、また、後任者についても財務報告に係る責任を引き継いだうえでその職責を適切に遂行していることが十分に確認できていないため、全社的な内部統制に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性があり、当社及びグループ会社の全社的な内部統制に及ぼす影響を評価することができなかったことから、当連結会計年度における財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できないと判断しました。
 
Ⅰ.開示すべき重要な不備の内容
 本事案及び貿易コンプライアンス問題に関して、開示すべき重要な不備として以下を認識しております。
 
<本事案に関して識別された開示すべき重要な不備>
(全社的な内部統制)
 ・統制環境、リスクの評価と対応、情報と伝達
 当社においては、当社の創業者である元グローバルグループ代表(2025年12月19日付にて辞任。以下、「元代表」といいます。)に、車載事業本部、小型モータ事業本部及び機械事業本部、並びに国内グループ会社に関する権限が集中していました。制度上も国内グループ会社における執行役員人事の最終決定権や報酬決定権、稟議決裁権限を有しており、当社の役職員は元代表の判断に依存し、その意向を優先する傾向にあり、異なる意見を述べにくく、牽制が十分に機能しない状況が生じていました。
 元代表はこれらの権限に基づいて、当社グループの経営幹部に非現実的で達成困難な利益目標達成に向けたプレッシャーをかけていました。元代表は株価や株式時価総額の水準を維持・向上することを過度に重視しており、その結果、当社グループでは、過度な株価至上主義の下で、各事業の実力を踏まえた利益目標ではなく、投資家目線での業績水準を基準とした非現実的で達成困難な利益目標が設定されていました。このような利益目標について、当社の一部の経営陣による過度な業績管理を通じて達成が求められる状況にあり、例えば、利益目標が未達となる可能性がある場合には、一日に数回にわたり進捗管理や目標数値達成に向けた確認が行われていました。また、決算期末日後であっても、利益の速報値が未達である場合には、決算締切りまでに数値を積み上げる指示がなされていました。さらに、利益目標が未達となった場合には過度に厳しい指導が行われていました。このような状況の下で、負の遺産と呼ばれる資産性にリスクのある資産の費用及び損失処理についても、一定の利益水準の確保やその後のV字回復が前提となっていたため、抜本的な対策を講じることができず、負の遺産が適切に処理されない状況が継続しました。
 また、制度面においても、営業利益に対する目標達成割合に偏重した事業の業績評価制度や、特に当社執行役員を対象とした、運用上業績を重視し行動面の軽視につながる人事評価制度により、コンプライアンスよりも短期的な利益を最優先し、利益目標の未達を許容しない企業風土が醸成され、当社グループの多岐にわたる拠点において、利益目標の達成を目的とした多数の会計不正が発生するに至りました。
 さらに、重要なリスク情報の取締役会への報告義務が一部を除いて明確に定められていなかったことから、取締役会及び監査等委員会に対して重要なリスク情報や事業計画の進捗状況が十分に報告されていませんでした。その結果、取締役会及び監査等委員会は重要なリスクを適切に識別・評価できず、また、必要な対応を行うことができなかったため、監督・牽制機能が十分に発揮されていませんでした。加えて、社外取締役についても、学識経験者や行政出身者が中心となっており、執行側に対し多角的な視点からリスクの確認・指摘を行えるような構成とは必ずしもなっておらず、このような状況を早期に把握し是正するための監督機能が十分に機能していませんでした。
 
・統制活動
 当社グループでは、多くの事業本部及び国内グループ会社のCFOやその傘下である経理部門が業績達成の責任を負っており、事業部門から独立した立場を保持しておらず、強い業績プレッシャーに晒されていました。このような状況の下で、経理部門と事業部門が連携して、利益目標の達成を目的として会計不正に関与しており、本来、事業部門から独立した第2線としての経理部門の牽制機能は、有効に機能していませんでした。
 
・モニタリング
 経営管理監査部は、当社グループにおいて会計不正が頻発する根本原因が当社の一部の経営陣からの過度な業績プレッシャーにあることを認識していましたが、調査範囲を拡大するような深掘り調査を実施するなどの根本原因に踏み込んだ対応を行っていませんでした。このため、第3線としての経営管理監査部のモニタリング機能は、十分に機能していませんでした。
 
(全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制)
 当社のグループ会計方針であるNidec global Accounting Policy(以下、「NIAP」といいます。)は、国際会計基準に準拠したルールや定義に加え、一部の会計処理にかかる指針や例外処理を規定しています。
 しかし、NIAPにおいて、事業特性を踏まえた具体的な判断基準の記載が十分でないことから、運用上、NIAPの拡大解釈や逸脱した解釈がされる余地がありました。具体的には、NIAPの記載のみでは一義的な判断が困難な場合、選択した会計処理方針について経理部門の承認を得るための申請の仕組みがありましたが、当該申請が常態化し、NIAPの運用が形骸化していました。その結果、経理部門は事業部門の意向に沿う形で、NIAPの拡大解釈や逸脱した解釈に基づく会計処理を許容し、会計不正が行われていました。
 
(業務プロセスに係る内部統制)
 上記の状況において識別された、全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)と全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備により、既存の業務プロセスに係る内部統制は無効化され、当社グループの多岐にわたる事業拠点や業務プロセスで発生した多数の会計不正を未然に防止することができませんでした。
 
<貿易コンプライアンス問題に関して識別された開示すべき重要な不備>
(全社的な内部統制)
 貿易コンプライアンス問題について外部専門家に委嘱して調査を行ったところ、当社グループの対米輸出において原産地国表示の誤りが発見されました。このため、当社の各拠点からの対米輸出(2021年3月期から2026年3月期まで)に係る主要な輸入拠点の全取引を対象に統計的サンプリング調査を実施した結果、米国への輸入申告における関税分類、原産地国、通商優遇協定に基づく特恵適用及び輸入価格に関し、一部に誤りがあることが判明しました。この誤りは、関係者の貿易知識やコンプライアンス意識が十分でなかったこと(当社の全社的な内部統制:統制環境)に加え、当社グループにおいて貿易業務の標準化が十分でなかったこと(当社の全社的な内部統制:統制活動)が原因として挙げられます。
 
 また、前連結会計年度において、FIR社の貿易取引上の問題に関して、以下の開示すべき重要な不備を識別していました。
 
<FIR社の貿易取引上の問題に関して識別された開示すべき重要な不備>
 FIR社の問題については、問題認識後に適時に連結財務諸表に反映できなかった親会社としての当社に主な原因があったものと認識し、以下の開示すべき重要な不備を識別しています。
(全社的な内部統制)
 法令違反の可能性が疑われる行為に関する情報の共有を受けた当社の役職員が、その情報について定められたルートに従って当社経営陣に対する報告を行わなかったことから、重要なリスク情報について社内で必要な協議や検討対応が行われず、早期是正の機会を失ったこと(当社の全社的な内部統制:情報と伝達)が原因として挙げられます。
(経理決算プロセスに係る内部統制)
 当社が連結決算に反映させるべき重要なリスク情報を網羅的に収集する内部統制が適切に整備されていなかったこと(当社の経理決算プロセスに係る内部統制)が原因として挙げられます。
 
Ⅱ.再発防止策の内容
 当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、当社グループにおいて、以下の再発防止策を速やかに策定、実行することで財務報告の信頼性を確保していきます。
 
<本事案に関して識別された開示すべき重要な不備に関する再発防止策>
 全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)と全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制が、各業務プロセスを含む当社グループ全体の内部統制を有効に機能させるための基盤となることを踏まえ、以下の再発防止策を策定しております。
 (全社的な内部統制(統制環境)に係る内部統制の不備に対する再発防止策)
 (1)企業風土の変革、コンプライアンス教育の充実
  ①企業風土の変革
   ・企業風土改革を推進する新組織の設立による従業員からの意見収集
   ・階層別企業風土研修の実施
   ・社員との対話機会の創出
   ・経営層による行動変革
   ・社員による行動変革
   ・当社各部門・グループ会社・グローバル各社での改善活動
   ・施策の実施状況の透明性確保
  ②コンプライアンス教育の充実
   ・入社時・定期研修におけるコンプライアンス教育の充実
   ・グループ全体へのコンプライアンス教育の徹底と本事案の継続的な周知
  ③責任の明確化
   ・役員責任調査委員会の設置
   ・執行役員より下の階層の職員及び当社グループ会社役職員に対する必要な処分の実施
   ・第三者委員会の調査報告書等を受けての人事対応
 
 (2)人事関連制度の見直し
  ①人事評価制度の見直し
   ・業績以外の目標設定と評価の徹底
   ・制度理解向上施策の実施
  ②役員報酬評価基準の見直しと報酬決定プロセスの実効性強化
   ・役員報酬評価基準の見直し
   ・報酬決定プロセスの実効性向上のための対応策実施
  ③執行役員指名の基準見直しと実効性の強化
   ・千人基準の見直し及び解任基準の策定
   ・執行役員選任プロセスの実効性向上のための対応策実施
 
 (3)事業計画策定・管理方法の見直し
  ①中期経営計画・事業計画策定プロセスの再整備
   ・中期経営計画・事業計画策定ルールの再定義及び明文化
   ・中期経営計画・事業計画検討体制(チーム制)の構築
   ・中期経営計画・事業計画策定プロセスの強化
  ②予実管理プロセスの適正化
   ・予実管理における業績管理値の変更
   ・実績分析及び対策の検討、次期計画精度向上のための対応策実施
  ③事業評価基準の見直し
   ・計数項目の見直し
   ・評価項目の追加
 
 (全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応及び情報と伝達)に係る内部統制の不備に対する再発防止策)
 (4)取締役会及び監査等委員会の実効性向上
   ・業績目標の妥当性に対する取締役会の監督の実効性向上のための対応策実施
   ・重要リスク情報共有体制の整備と監督機能の強化
   ・監査等委員会の実効性向上のための対応策実施
   ・取締役会の専門性の多様化による監督機能の強化
   ・社外取締役のサポート体制の拡充
 
 (全社的な内部統制(統制活動)に係る内部統制の不備に対する再発防止策)
 (5)経理機能の事業部門からの独立性の確保
   ・経理機能の独立性の確保
   ・経理リソースの確保
   ・経理に関する意識改革・教育
   ・経理ガバナンスの強化
 
 (全社的な内部統制(モニタリング)に係る内部統制の不備に対する再発防止策)
 (6)内部監査体制の強化
   ・監査等委員会との連携による独立性の強化
   ・内部監査の対象法人の拡大と監査品質向上のための対応策実施
 
(全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備に対する再発防止策)
 (7)会計方針の明確化と運用の適正化
   ・NIAPの見直し及び例外申請の廃止
   ・NIAPの周知徹底
   ・NIAPの準拠性宣誓の仕組みの導入
   ・事業本部・国内グループ会社に対するレビュー
 
<貿易コンプライアンス問題に関して識別された開示すべき重要な不備に関する再発防止策>
 (全社的な内部統制(統制環境)に係る内部統制の不備に対する再発防止策)
 (1)教育研修の実施
   ・貿易コンプライアンスに関する研修の実施
   ・コンプライアンスの重要性についての継続的な発信
 
 (全社的な内部統制(統制活動)に係る内部統制の不備に対する再発防止策)
 (2)SOP(標準業務手順書)の策定・展開
   ・「関税対応マニュアル」及び「関税対応ハンドブック」の策定・展開
   ・SOP(標準業務手順書)の策定・展開
 
<FIR社の貿易取引上の問題に関して識別された開示すべき重要な不備に関する再発防止策>
 (全社的な内部統制(情報と伝達)及び経理決算プロセスに係る内部統制の不備に対する再発防止策)
 (1)コンプライアンス最優先の意識/企業風土の醸成
   ・当社取締役会から当社グループ内に対する明確なメッセージの発信
   ・人事処分を通じたコンプライアンスを最優先にした対応の必要性の周知徹底
   ・法務・コンプライアンス部門の機能強化・権限強化
 (2)組織・体制の強化
   ・貿易コンプライアンス体制の強化
   ・グローバルコンプライアンス体制の強化
 (3)手順・規程・仕組みの改善
   ・当社グループのレポーティングラインの改善
   ・当社グループ法務・コンプライアンス部門間の情報共有
   ・内部統制の適切な整備

付記事項

 当社は、前連結会計年度及び当連結会計年度において開示すべき重要な不備を識別しております。開示すべき重要な不備を是正するために以下の再発防止策を実行しました。
 
 Ⅰ.前連結会計年度に識別された開示すべき重要な不備の是正状況
<FIR社の貿易取引上の問題に関して識別された開示すべき重要な不備に関する再発防止策>
 前連結会計年度において、当社の連結子会社で家電・車載事業統括本部家電産業事業本部下のFIR社に関する貿易取引上の問題を認識し、国際貿易法及び関税法の経験を有する外部専門家に調査を依頼しました。その結果、FIR社製造のモータについて、米国における原産国申告に誤りがあり、未払関税が発生している事実を認識しました。かかる調査結果を踏まえて、当社は、外部専門家とともに、更なる社内調査・検討を行いこの問題への対処を進めました。
 FIR社の問題については、問題認識後に適時に連結財務諸表に反映できなかった親会社としての当社に主な原因があったものと認識しています。具体的には、法令違反の可能性が疑われる行為に関する情報の共有を受けた当社の役職員が、その情報について定められたルートに従って当社経営陣に対する報告を行わなかったことから、重要なリスク情報について社内で必要な協議や検討対応が行われず、早期是正の機会を失ったこと(当社の全社的な内部統制:情報と伝達)、及び当社が連結決算に反映させるべき重要なリスク情報を網羅的に収集する内部統制が適切に整備されていなかったこと(当社の経理決算プロセスに係る内部統制)を開示すべき重要な不備として識別しました。
 前連結会計年度に識別された開示すべき重要な不備を是正するために、当社は以下の再発防止策を実行しました。
 
(当社の全社的な内部統制(情報と伝達)及び経理決算プロセスに係る内部統制の不備に対する再発防止策)
(1)コンプライアンス最優先の意識/企業風土の醸成

項目 実施した再発防止策
メッセージの発信 当社取締役会から当社グループの全役職員に対して、コンプライアンス違反に対する厳格な姿勢と迅速な対応方針を中核とするコンプライアンス最優先の明確なメッセージを2025年9月に発信しました。また、当社代表取締役社長からグローバル幹部に対して、コンプライアンス最優先を企業文化として根付かせることを経営の最優先課題とすること、全役職員が高い倫理観、誠実性を持って自律的に行動することの明確なメッセージを継続的に発信しています。
人事処分内容の周知 FIR社の問題に関与した関係者の処分を実施し、処分内容を社内向け説明会で説明するとともに、コンプライアンスを最優先にした対応の必要性を周知しました。
法務・コンプライアンス部門の機能強化・権限強化 法務・コンプライアンス部門において、最高法務責任者(Chief Legal Officer(CLO))及び部長クラスに社内弁護士を配置し、専門知識を活用できる体制を整備しました。また、米国における貿易コンプライアンスに関する権限を米州統括会社に付与しました。


 
(2)組織・体制の強化

項目 実施した再発防止策
貿易コンプライアンス体制の強化 当社の貿易コンプライアンス室の役割を明確化し、関税専門家(世界税関機構(WCO)勤務経験者)を貿易コンプライアンス室長として任命するとともに、貿易規制分野の進展状況を統括する専門家及び有識者からなるグローバル貿易戦略チームを設置しました。
グローバルコンプライアンス体制の強化 CLO(最高法務責任者)の役職を設けて専門的知見と経験を有する人物を配置するとともに、北米にコンプライアンス専門家を配置しました。また、リスク情報の共有と即応能力の向上を図るため、当社による各地域の法務コンプライアンスオフィサーと隔週で会議を実施し連携を強化しました。


 
(3)手順・規程・仕組みの改善

項目 実施した再発防止策
レポーティングラインの改善 FIR社の問題のような情報伝達の停滞を防ぐため、下記を規程で明文化しました。
1)重要なリスク情報は、直接当社の最高コンプライアンス責任者(CCO)に報告すること。
2)各地域法務コンプライアンスオフィサーが法令違反行為及び法令違反のおそれがある行為を認識した場合は、当社法務・コンプライアンス部門に報告すること。
当社グループ法務・コンプライアンス部門間の情報共有 法務・コンプライアンス部門が各地域法務担当者より、月次で訴訟案件に関するリスク情報の報告を受け、法務・コンプライアンス部門内で共有する体制を導入しました。
内部統制の適切な整備 訴訟案件に関するリスク情報について、データベースを構築してリスク分析を実施し経理部門に共有する体制を構築しました。また、内部通報に関する情報について、通報者特定につながり得る情報を削除、編集し、閲覧権者を限定したうえで経理部門に共有しています。


 
 当社は、「3評価結果に関する事項」に記載のとおり、当連結会計年度において新たに全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)及び全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制に開示すべき重要な不備を識別しています。このため、前連結会計年度に識別した開示すべき重要な不備に対して、上記の再発防止策は当連結会計年度の末日までに実施してはいるものの、当社の全社的な内部統制(情報と伝達)及び経理決算プロセスに関する開示すべき重要な不備の是正には至っていないものと評価しております。
 
Ⅱ.当連結会計年度末日後に実施した開示すべき重要な不備に対する是正措置等
 当連結会計年度において識別した開示すべき重要な不備に対する再発防止策として、当連結会計年度末日後、本報告書提出日までに実施したものは以下のとおりです。
 
<本事案に関して識別された開示すべき重要な不備に関する再発防止策>
(全社的な内部統制(統制環境)に係る内部統制の不備に対する再発防止策)
(1)企業風土の変革、コンプライアンス教育の充実
 ①企業風土の変革

項目 実施した再発防止策
企業風土改革を推進する新組織の設立による従業員からの意見収集  従業員からの意見を確実に経営層へ伝達し、迅速な意思決定を得て施策へ反映して継続的かつ安定的に企業風土改革を推進するために設立したCulture Transformation Labを通じて従業員からの意見収集を開始しました。
階層別企業風土研修の実施  企業風土改革の取組みに関する社員の理解を促進し、当社のあるべき姿の土台となる「正しい姿」の共通認識を浸透させ、行動変容につなげることを目的として、国内外主要グループ会社の役員・管理職に加え、一般社員(従業員層)まで対象とした企業風土研修を実施しています。
社員との対話機会の創出  社員から直接意見を収集し企業風土変革のための具体的な施策検討につなげることを目的として、ワークショップや拠点インタビューを継続して実施しています。また、経営層が参加するタウンホールミーティングも継続的に実施しています。
経営層による行動変革  新たな経営体制の下で当社グループの変革を着実に推進するために、今後の改革の方向性及び当社グループが目指すべき姿を定めるとともに、これらの浸透を図ることを目的とした役員合宿を開催しました。また、社長から従業員向けのトップメッセージを継続的に発信しています。
社員による行動変革  社員から収集した意見を反映した施策の実施等を通じて、社員同士の交流が生まれやすい職場環境づくりを進めています。また、社員間のつながりを一層強固にし、日常のコミュニケーションを活性化させることを目的として、会社として感謝を伝える機会を設ける「感謝ウィーク」を実施しました。
当社各部門・グループ会社・グローバル各社での改善活動  当社の各部門、グループ会社及びグローバル各社においても、それぞれの職場の課題に応じた改善活動や、今後の取組みについて議論する勉強会を実施しました。また、各社の取組みとCulture Transformation Labとの間で情報連携等を行うことにより、施策を推進しています。
施策の実施状況の透明性確保  企業風土の変革に関する施策を社内ポータルサイトで公開し、検討状況及び対応の方向性を順次更新することにより、社員の意見の取扱いに関する透明性向上を図っています。


 
 ②コンプライアンス教育の充実

項目 実施した再発防止策
入社時・定期研修におけるコンプライアンス教育の充実  コンプライアンス最優先の意識醸成ができるように、入社時・定期研修におけるコンプライアンス教育を充実させました。入社時研修では、当社の不適切な過去事例の紹介や企業風土改革等の今後の取組みの紹介を含め、当社グループのコンプライアンス体制等に対する理解を深めるとともに、コンプライアンス遵守を自分事として考える意識を醸成させ、絶対にコンプライアンス違反を犯さない、犯させないことを狙いとしています。
グループ全体へのコンプライアンス教育の徹底と本事案の継続的な周知  当社グループ全体でのコンプライアンス意識の継続的な維持を目的として、本事案における経緯、原因、教訓等を役職員に周知し、本事案を題材としたコンプライアンス教育を実施しました。


 
 ③責任の明確化

項目 実施した再発防止策
役員責任調査委員会の設置  当社グループにおける一連の会計不正問題に関し、当社の現旧の取締役、監査役又は執行役員において、その職務執行に関して任務懈怠責任があったか否かを含む法的責任の有無の検討・調査を行う、外部専門家のみで構成される役員責任調査委員会を設置しました。
第三者委員会の調査報告書等を受けての人事対応  第三者委員会の調査報告書等により、多岐にわたる拠点で多数の会計不正が長期にわたり行われてきたことが判明したことを受け、取締役及び執行役員等の人事処分を行いました。


 
(2)人事関連制度の見直し
①人事評価制度の見直し

項目 実施した再発防止策
業績以外の目標設定と評価の徹底  短期的な利益最優先の意識を是正し、「正しい」を常に優先する意識・企業風土を根付かせることを目的として、管理職の目標設定項目にコンプライアンスの観点を追加するとともに、短期的な成果創出を助長していた可能性のある現行制度を段階的に見直し、運用を開始しました。
制度理解向上施策の実施  人事評価制度に関する理解促進のために、当社の全従業員を対象とした説明会を実施した上で、評価の観点や目標設定方法を整理したハンドブックを改訂しました。また、適正な人事評価の運用が徹底されるよう、当社の評価者向けの目標設定研修を実施するとともに、国内グループ会社においても従業員向け説明及び評価者向けの目標設定研修を実施しました。

②役員報酬評価基準の見直しと報酬決定プロセスの実効性強化

項目 実施した再発防止策
役員報酬評価基準の見直し  役員報酬評価基準の再設計を行い、短期インセンティブでは単年度の売上、営業利益及びフリーキャッシュフローに加えて、内部管理体制の視点からの要素も組み込んで策定した新たな役員報酬評価基準に基づき、プロセスや中長期の観点への意識付けを行っています。また、役員報酬評価基準をグローバルで統一し、適用範囲を拡大しました。
報酬決定プロセスの実効性向上のための対応策実施  報酬決定プロセスの実効性強化のため、報酬決定に必要な情報を適時適切に報酬委員に提供することにより、社外取締役である報酬委員の関与を強化する仕組みを構築しました。また、グローバルで統一された役員報酬評価基準に基づき報酬決定されているかについて、報酬委員会又は当社人事部門が確認することにより、役員報酬決定プロセスの透明性と一貫性を確保しました。

③執行役員指名の基準見直しと実効性の強化

項目 実施した再発防止策
選任基準の見直し及び解任基準の策定  執行役員の適格性を確保するため、執行役員の要件として、高い倫理観とコンプライアンス意識、組織構築と人材育成を通じたリーダーシップ、将来を見据えた戦略立案・実行等の観点を追加するとともに、当社グローバル経営幹部及び国内グループ会社CEOにも適用されるよう、選任基準の適用範囲を拡大するため、執行役員規程を改訂しました。また、執行役員の解任基準を策定し、選任基準を満たさない事象が生じた場合や社内規程に違反する重大な事実が生じた場合には、解任の審議を行うことができるようにしました。
執行役員選任プロセスの実効性向上のための対応策実施  指名候補者に関する多角的な情報を事前に指名委員会と共有することとし、2026年4月の執行役員選任において先行して実施しました。また、2027年4月の執行役員選任に向けて早期の段階から指名委員会と指名候補者との面談や交流の機会を増やすことにより、指名委員会による評価のプロセスを透明化し、客観性の確保を図ることとしています。また、全体として執行役員の選任プロセスの透明性と一貫性を確保するために、グローバルで統一された選任基準に基づき選任されているかについて、指名委員会又は当社人事部門が確認することとしました。

(3)事業計画策定・管理方法の見直し
 ①中期経営計画・事業計画策定プロセスの再整備

項目 実施した再発防止策
中期経営計画・事業計画策定ルールの再定義及び明文化  中期経営計画及び年度の事業計画の策定においては、各事業の特性や事業環境を踏まえた計画を策定する方針を採用し、当該方針に基づく運用を開始しております。
中期経営計画・事業計画検討体制(チーム制)の構築  事業本部・国内グループ会社はトップダウンで設定された目標の達成に責任を負うのではなく、計画策定の責任者を明確にし、当該責任者が自ら計画を策定する仕組みを構築しました。また、責任者を支援するチーム体制を構築しました。
中期経営計画・事業計画策定プロセスの強化  中期経営計画及び年度の事業計画について、当社の一部の経営層による属人的・恣意的な計画の策定や変更を防止するため、機関決定を行うことにしました。具体的には、中期経営計画策定の方向性及び検討プロセス等を経営会議及び取締役会にて協議し、中期経営計画策定プロセスを開始しております。

 ②予実管理プロセスの適正化

項目 実施した再発防止策
予実管理における業績管理値の変更  事業部門の判断を伴う月次見込値を日次で報告する管理体制及び業績会議を廃止し、事業部門の判断を伴わない月次財務実績値を中心とした予実管理を開始しました。
実績分析及び対策の検討、次期計画精度向上のための対応策実施  月次実績と年次計画との間の乖離理由を分析し原因を検証した上で、計画自体の期中見直しや実行可能な施策の検討を行っております。

③事業評価基準の見直し

項目 実施した再発防止策
計数項目の見直し  営業利益額に偏った事業評価基準を、キャッシュフローやバランスシートを含めた多面的な評価基準へと改めました。
評価項目の追加  目標達成度を主な事業評価基準とするとともに、中長期視点からの指標を事業評価項目に追加しました。

(全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応及び情報と伝達)に係る内部統制の不備に対する再発防止策)
 (4)取締役会及び監査等委員会の実効性向上

項目 実施した再発防止策
業績目標の妥当性に対する取締役会の監督の実効性向上のための対応策実施  事業計画や業績目標については、取締役会が計画の根拠となる前提条件の合理性、リスク認識の妥当性、及び目標設定に向けた検討プロセスの健全性に焦点を当てた監督を行い、事業計画の進捗状況を定期的にフォローアップし、目標の見直しの要否等を審議します。具体的には、事業計画の策定及び計画の進捗状況のフォローアップのため、取締役会規程を改訂し、事業計画に関連する取締役会付議事項を整理するとともに、「取締役会審議スケジュール」を取締役会の承認のもとで策定することで、事業計画に係る審議を取締役会にて行うこととし、事業計画の審議及び進捗状況のフォローアップを開始しています。
重要リスク情報共有体制の整備と監督機能の強化  取締役会規程において重要なリスク情報を取締役会に報告することとしたことを受けて、取締役会に報告すべき重要なリスク情報の定義や報告要否判断の基準を明確にするために、リスク管理規程と危機管理規程を見直しました。
監査等委員会の実効性向上のための対応策実施  経営管理監査部から監査等委員会への内部監査結果の定期的な報告や監査等委員会・経営管理監査部・会計監査人の三者による定期的な意見交換会を四半期ごとに行っています。
取締役会の専門性の多様化による監督機能の強化  より幅広い視点から監督機能を発揮することができる取締役会の陣容とするため、指名委員会において、社外取締役については上場企業の経営経験者や会計専門家等を含む多様な専門性を有する人材を選任することを含む、取締役会の構成の要件を明確化しました。当該構成要件に基づいて取締役の候補選定を進め、2026年6月開催の定時株主総会において、提案した全ての取締役候補の選任が承認されました。
社外取締役のサポート体制の拡充  社外取締役が必要とする情報を適時に入手し、要点を踏まえて判断できる環境を整備するために取締役会室を新設しました。また、社外取締役から外部専門家を活用する場合の窓口を担うことを取締役会室の業務分掌として明記しました。

(全社的な内部統制(統制活動)に係る内部統制の不備に対する再発防止策)
(5)経理機能の事業部門からの独立性の確保

項目 実施した再発防止策
経理機能の独立性の確保  経理部門について、制度決算を担う経理機能と経営戦略実行のモニタリング等を担う事業管理機能に分化しました。また、事業本部及び国内グループ会社の経理機能を当社の経理機能の管掌下に置くとともに、事業本部及び国内グループ会社のCFOの選解任を決定するにあたり、当社CFOが事前に内容を確認する体制としました。
 事業本部及び国内グループ会社の経理責任者に対する人事評価について、事業本部及び国内グループ会社CFOが評価結果及びその理由を当社CFOに報告する義務を負うものとし、当社CFOが評価の公正さと適正さを確認できる体制としました。
 組織として正しい実績値を報告できる体制を担保するため、デュアルレポートラインを整備しました。具体的には、事業本部及び国内グループ会社のCFOのレポートラインは、所属組織のCEO及び当社CFOとし、事業本部及び国内グループ会社の経理責任者のレポートラインは、所属組織のCFO及び当社経理責任者としました。
経理リソースの確保  採用及び配置転換による人員体制の補強には一定の期間を要することから、当面の間、外部専門人材を活用することにより、経理リソースを増強しております。
経理に関する意識改革・教育  投資家・市場に対する誠実な姿勢の徹底、適正な財務報告の確保及びコンプライアンスに対する理解と意識の向上を目的として、経営幹部、経理業務に従事する役職員、購買・生産管理部門及び営業部門に従事する役職員を対象に、実際に発生した会計不正事案を題材とした研修を実施しました。
経理ガバナンスの強化  各グループ会社の重要な会計上・決算上のリスク情報を当社経理部門へ報告するプロセスを構築し、当該情報を当社において一元的に把握・管理するとともに、経営会議に共有しております。

(全社的な内部統制(モニタリング)に係る内部統制の不備に対する再発防止策)
(6)内部監査体制の強化

項目 実施した再発防止策
監査等委員会との連携による独立性の強化  モニタリングが有効に機能する前提となる経営管理監査部の独立性を強化するために、経営管理監査部長の採用及び異動に当たっては、監査等委員会の事前同意を必要とすることを規程に明記し、運用を開始しました。また、内部監査の結果について四半期に1回以上、監査等委員会へ報告を実施しており、経営管理監査部が監査等委員会と情報連携できる機会を確保しております。
内部監査の対象法人の拡大と監査品質向上のための対応策実施  モニタリング機能を強化するため、内部監査人員を増強し内部監査の対象法人を拡大しております。また、内部監査品質の向上を図るために企画管理グループを新設し、各内部監査項目のチェックリストの作成や監査調書の共通化を図りました。
経理に関する意識改革・教育  投資家・市場に対する誠実な姿勢の徹底、適正な財務報告の確保及びコンプライアンスに対する理解と意識の向上を目的として、経営幹部、経理業務に従事する役職員、購買・生産管理部門及び営業部門に従事する役職員を対象に、実際に発生した会計不正事案を題材とした研修を実施しました。


(全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備に対する再発防止策)

(7)会計方針の明確化と運用の適正化

項目 実施した再発防止策
NIAPの見直し及び例外申請の廃止  会計方針を明確化するために、本事案及び各事業の実態に基づき、従前は必ずしも明確でなかった会計処理の判断基準について、事業実態に即した具体的なガイダンスを追加し、判断指針の明確化を図りました。また、NIAPの運用形骸化の要因となっていた例外申請を廃止しました。
NIAPの周知徹底  全ての事業本部及び国内グループ会社に対して、通達等で改訂後のNIAPの内容を展開するとともに、当社経理部門が使用しているイントラネット(NIAPO(Nidec Accounting Portal))にも展開しました。
NIAPの準拠性宣誓の仕組みの導入  本事案における会計自己点検の結果等に基づき作成した主要な会計論点のチェックリストを用いて、事業本部・国内グループ会社の経理責任者がNIAPへの準拠状況を確認の上、宣誓する仕組みを導入しました。
事業本部・国内グループ会社に対するレビュー  各グループ会社が適切に決算を行っているかを当社経理部門が四半期ごとにレビューすることにより、事業本部・国内グループ会社の経理部門に対する監督の強化を図っています。


 
<貿易コンプライアンス問題に関して識別された開示すべき重要な不備に関する再発防止策>
(全社的な内部統制(統制環境)に係る内部統制の不備に対する再発防止策)
(1)教育研修の実施

項目 実施した再発防止策
貿易コンプライアンスに関する研修の実施  貿易に関与する役職員を対象として貿易コンプライアンスに関する研修を実施しました。
NIAPの周知徹底  全ての事業本部及び国内グループ会社に対して、通達等で改訂後のNIAPの内容を展開するとともに、当社経理部門が使用しているイントラネット(NIAPO(Nidec Accounting Portal))にも展開しました。
コンプライアンスの重要性についての継続的な発信  グループ役職員向けのコンプライアンス研修において、改めてコンプライアンスの重要性について映像メッセージを発信しました。


 

(全社的な内部統制(統制活動)に係る内部統制の不備に対する再発防止策)
(2)SOP(標準業務手順書)の策定・展開

項目 実施した再発防止策
「関税対応マニュアル」及び「関税対応ハンドブック」の策定・展開  原産地国判定、関税分類及び自由貿易協定に関する業務を対象として、貿易管理に関する遵守事項を業務プロセス別に一覧化した「関税対応マニュアル」及び注意すべき事項を取りまとめた「関税対応ハンドブック」を策定しました。
SOP(標準業務手順書)の策定・展開  貿易コンプライアンスの実効性を確保するため、SOP(標準業務手順書)を策定しました。
コンプライアンスの重要性についての継続的な発信  グループ役職員向けのコンプライアンス研修において、改めてコンプライアンスの重要性について映像メッセージを発信しました。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 PwC Japan有限責任監査法人 監査意見

財務諸表監査:意見不表明
内部統制監査:意見不表明

備考
№ 1845~1849
企業名 株式会社BlueMeme 市場 東証グロース
その内容

 以下に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしました。
 

記

 
 当社は、2020年3月30日に締結したソフトウェアライセンス契約(以下、「本件ソフトウェア取引」という。)に関する売上の計上時期及び会計処理、並びにこれに伴う仕入取引の会計処理についての疑義に対し、2026年6月11日に外部の弁護士及び公認会計士から構成される特別調査委員会を設置し、調査を進めてまいりました。当社は、2026年9月4日に特別調査委員会から調査報告書を受領し、本件ソフトウェア取引に係る30,000千円の売上計上は、実質的に無償となる取引を有償の売上取引と実態を偽ったことによる売上の過大計上であり、一方、33,500千円を業務委託費の増額を通じて返すことを約束した念書(以下、「本件念書」という。)を意図的に隠蔽し、2021年3月期以降、外注費の増額で当該返済を売上原価計上してきたことが判明いたしました。
 
 当社は、本件ソフトウェア取引に関して、2020年3月期に計上した売上を取り消すとともに、2021年3月期以降に計上してきた外注費(売上原価)のうち、本件念書に関連した支払いであると認められた部分について原価計上を取り消すこと、併せて、本件ソフトウェア取引に関して受領した代金を「預り金」として処理し、上記売上原価に関連する支払額を当該預り金から減額させる処理とすること、また、本件念書において返済を約していた金額と本件売上金額との差額については2021年3月期に「未払金」として負債計上することが必要であると判断し、2021年3月期から2025年3月期の有価証券報告書、2022年3月期から2024年3月期の第1四半期から第3四半期までの四半期報告書並びに2025年3月期及び2026年3月期の半期報告書について、訂正報告書を提出いたしました。
 なお、訂正報告書の作成にあたっては本件ソフトウェア取引以外に売上の期間帰属等の誤りのあったソフトウェア取引等及び過年度において重要性の観点から訂正を行っていなかった未修正事項についても併せて訂正を行っております。
 
 当社は、特別調査委員会の調査により判明した事実と原因分析に関する報告等を踏まえ、財務報告に係る内部統制の評価を行った結果、以下のとおり、当社の全社的な内部統制、販売プロセス及び外部委託(原価)プロセスの一部に不備があったことを識別いたしました。
 
 (1)当社の全社的な内部統制の不備

本件ソフトウェア取引の売上の過大計上は、当社の経営トップが主導したものであり、当該取引全体の会計処理の評価に重要な影響を与える本件念書を個人名義の非公式な書面として意図的に隠蔽し、必要な取締役会の手続を行っていなかった、という点で適正な財務報告を行う意識や姿勢が欠けていたものと認識しております(統制環境)。
 一方、このような当社の経営トップに対するガバナンス上の問題として、本件念書のような重要な情報が共有されていない状況で、取締役会及び監査役会による発見は困難であったものと認識しておりますが、このような当社トップが主導する非定型な重要取引や当社からの売上実績のある取引先からの仕入取引に対するリスク認識が必ずしも十分ではなかったものと認識しております(リスクの評価と対応)。また、特別調査委員会の調査報告では、当社の監査役会は本件疑義の把握後、当社の会計監査人への事案の共有や対応の連携等が必ずしも適時にできていなかった点、取締役の職務執行の監査という点で必ずしも十分な中立性・客観性を保持できていなかった点が指摘されております(統制環境)。
 加えて、本件ソフトウェア取引の売上高相当額に対し、当社では外注費の増額による返済が続けられ、当社内の一部の役職員は「返済」として認識していたものの、内部通報制度を通した本件疑義その他の会計処理の問題に関する通報には至っておらず、この点から当社の内部通報制度の運用には課題があったものと認識しております(情報と伝達)。

 
 (2)当社の業務プロセス上の不備

当社の販売プロセスにおいて、本件ソフトウェア取引に関し、経営トップが関与する重要な取引であるにもかかわらず、取引の実在性や妥当性について形式的なチェックにとどまり、実質的な検証ができていなかった点、本件念書のような重要資料が網羅的に把握・管理されていなかったという点、並びに、同一の取引先に対し販売取引と仕入取引の両方があるような状況について批判的な検証が十分にできていなかった点で業務プロセス上の不備(実在性)があったものと認識しております。
 また、本件ソフトウェア取引以外で検出された売上の期間帰属等の誤りに関し、決算期末月計上の重要な取引であったにも関わらず、受領書等の形式的なチェックにとどまり、顧客側の利用開始時点の確認や売上計上後の売掛金の回収遅延に対する原因確認も含めた実質的な検証が十分にできていなかった点から業務プロセス上の不備(期間帰属)があったものと認識しております。
 さらに、当社の外部委託(原価)プロセスのうち、同一の取引先に対し販売取引と仕入取引の両方があるようなリスクの高い取引に対し、取引価格(単価水準含む)と発注内容の妥当性評価や、請求内容の確認が、通常の取引以上に批判的にできていなかった点で、業務プロセス上の不備(リスク取引への対応)があったものと認識しております。

 
 当社は、これらの不備は財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。なお、上記事実は当事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
 上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正事項は、全て有価証券報告書に係る連結財務諸表及び財務諸表に反映しております。
 
 当社は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、全社的な意識改革も含め、当社ガバナンス体制の抜本的な対応が必要と判断しております。特別調査委員会からの指摘・提言も踏まえ、以下の改善策を講じて適正な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。
 
 1.当社の業務執行・監督体制の改編
  ・当社の代表取締役であった松岡真功は代表権を返上し、新たに芦谷乾太郎を代表取締役として選任
  (2026年9月15日取締役会で選任済み)
  ・松岡真功は取締役を辞任(2026年9月15日辞任届受領)

 ・当社は2026年6月26日の定時株主総会を以って、社外取締役を過半数化しているが、今後は、取締役会議長も社外化。併せて、取締役会開催時には十分な事前資料の提供を行い、社外役員による管理監督の実効性を高める
 ・現任の監査等委員3名からは、辞任の意向表明を受けとっており、今後、任意の指名報酬委員会を臨時的に組成し、選定基準についても改めて検討の上、後任候補の選定を進める。またその後、速やかに交代に向けた具体的な手続(監査等委員会の同意を得た後、取締役会での議案決定、臨時株主総会の招集等)を進める

 
 2.内部監査の体制強化と三様監査の連携の強化・改善

 ・内部監査体制の増強と内部監査の強化(当面の間は外部専門家も活用)。監査等委員会や取締役会へのレポーティングラインの確保、金額的に重要な取引及びリスク要素のある取引についてのモニタリングの強化も含む
 ・三様監査の連携を強化する(四半期決算前は各1回、本決算では期末日前と決算発表前の2回の定期ミーティングを実施、何か問題事象が生じた場合は随時招集(不正と確定していなくても、重要な疑義を把握した段階で速やかに共有する))
 ・監査等委員会への各種経営情報・取引情報(契約書や覚書等含む)のアクセス権を付与し、監査等委員会の牽制機能の強化を図る

 
 3.組織風土の改善に向けた取り組み
  ・新経営陣によるトップメッセージの定期的な発信
  ・コンプライアンス意識の向上や会計リテラシーの向上に向けた継続的な研修の実施

 ・内部通報制度の運用改善(従業員への社外取締役・監査等委員会への直接通報ルートの再周知、具体的な利用方法の案内、通報者保護及び心理的安全性の確保についての継続的な説明)

  ・従業員アンケートによる組織風土改善のモニタリング
 
 4.業務プロセスの再整備(経営陣による業務への単独関与の制約含む)

 ・業務執行取締役の営業活動への単独関与を禁止(経営陣主導案件に関しては、必ず営業担当者を付け、案件の推進者から独立した経理・法務等による事前レビューの対象とする)
 ・取引契約書(念書やサイドレター、メール合意や口頭約束、個人名義での約束も含む)に関する管理・統制の強化

  ・金額的に重要な取引及びリスク要素のある取引についての事前レビューの強化

 ・同一の取引先との間で販売取引と仕入取引の双方が行われる場合など、リスクの高い外注取引については、取引担当者から独立した経理・法務部門による事前レビューを実施する。
 ・外注先の選定及び発注金額の決定に当たっては、複数名による価格の妥当性の検証を実施する体制を構築する。
 ・通常と異なる単価条件を含む外注取引については、当該単価条件を含む発注内容の事前承認を得た上で、契約書又は発注書を作成し、成果物の検収及び請求内容との照合を実施するとともに、各手続の実施記録を保存する。
付記事項

該当事項はありません。

特記事項

該当事項はありません。

監査法人 あおい監査法人 監査意見

財務諸表監査:適正
内部統制監査:適正

備考

上記の他に、以下の会計年度において、同様の内容で訂正内部統制報告書を提出している。
 第19期(2024/4/1-2025/3/31)1846
 第18期(2023/4/1-2024/3/31)1847
 第17期(2022/4/1-2023/3/31)1848
 第16期(2021/4/1-2022/3/31)1849

重要な手続きが実施できないと表明した企業

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