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統制環境

投稿日時:2008年7月19日 00:00

統制環境とは、組織の気風を決定し、組織内の全ての者の統制に対する意識に影響を与えるとともに、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング及びITへの対応に影響を及ぼす基盤をいいます。
統制環境は、組織が保有する価値基準や基本的な人事、職務の制度等を総称する概念であり、このような制度等は組織の意識や行動を規定し、組織内の者の内部統制に対する考え方に影響を与えます。統制環境は内部統制の基本的要素のうち最も重要な基本的要素といえます。
組織の気風とは、当該組織に見られる意識や行動、固有の強みや特徴等をいい、経営者の意向や姿勢が反映されやすくなります。統制環境に含まれる一般的な事項を例示すると、以下のようになります。
①誠実性及び倫理観
誠実性及び倫理観は、組織内の者の意識や行動に大きな影響を与えます。一方、内部統制の有効性はそこに関わる者の誠実性及び倫理観の水準に影響を受けるため、誠実性及び倫理観は統制環境に不可欠な要素といえます。誠実性及び倫理観については、例えば経営理念や倫理規程等を作成し、経営者自ら手本を示したりして積極的に関与することにより、これらが遵守されるための仕組みを構築することが挙げられます。
②経営者の意向及び姿勢
経営者の意向や姿勢、例えば、経営者の財務報告に対する姿勢、日常の行動、予算・人事等の方針の決定等は、組織内の者の意識に影響を与え、組織の気風を決定しやすくなります。また、社訓や社是、経営理念、倫理規程、行動指針等の諸規程にも直接的又は間接的に反映され、組織内では、これらを遵守すべく内部統制が整備及び運用されることになります。
③経営方針及び経営戦略
経営方針や経営戦略は、組織内の者の価値基準に大きな影響を与えるとともに、組織内の各業務への経営資源の配分を決定する要因となり、他の基本的要素に大きな影響を及ぼします。経営方針や経営戦略に基づく組織の目的は、年度別、部門別等の予算、事業計画等を通して分解・具現化され、内部統制による管理の対象とされることにより、内部統制の目的の達成に資することになります。
④取締役会及び監査役又は監査委員会の有する機能
取締役会及び監査役又は監査委員会といった会社法上の機関を設けた場合には、当該機関は、取締役の業務が適切に行われているかをモニタリングします。当該機関が経営者や特定の利害関係者の影響を受けずに独立性を保っているか、或いはモニタリングに必要な正しい情報を適時かつ適切に得ているかといったことは、モニタリングの有効性を判断するための重要な要因になります。
⑤組織構造及び慣行
組織構造は、組織の規模や業務内容等によって組織ごとに異なりますが、組織の目的を達成するため、事業活動を管理する上で必要な情報が流れるよう、経営者は、組織形態、権限及び職責、人事制度などの仕組みを適切に構築することが重要です。
組織の慣行は、組織内部の条件(組織の歴史や業務の内容等)や、組織外部の条件(取引先、株主、組織が属する業界等)により形成されたものが多く、しばしば組織内の行動の善悪を決定する指針となるものです。組織の慣行に組織の存続や発展の障害となる要因があると判断した場合、経営者は適切な経営理念や経営方針等を示すことにより当該慣行を変えていくことが重要です。
⑥権限及び職責
権限とは組織の活動を遂行するため付与された権利です。職責とは遂行すべき活動を遂行する責任ないし義務です。組織の目的を達成するため、事業活動を管理する上で必要な権限及び職責が設けられ、適切な者に割り当てられていることが重要です。
⑦人的資源に対する方針と管理
人的資源に対する方針とは、経営方針の一部として設定される、雇用、昇進、給与、研修等の人事に関する方針です。組織の目的を達成するため、経営者は、人的資源に対する方針を適切に定め、組織内の人的資源の能力を高度に引き出すことが重要です。